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第4話

前回のあらすじ

全力で逃走することにしたパーティー一行。

しかし森とは逆の方向に走ってしまっていて……!?


1


「はっ!? 逆!?」

僕は驚いて叫んだ。

「うん。しかもこの先は……。」

「先は……?」

「崖よーーーっ!」

え……? いまこいつなんつった。崖っていう単語が聞こえた気がするんだが。……まさか。

「は!? ……って、うわああああああああああ!」

やっぱり僕が地面だと思っていた場所は、すでに何もなかった。

地面がない。それすなわち。

「キャアアアアアアアアァァァァァァ!」

落ちる!

「ちょ、おまっ、どうしてくれんだ! このままじゃ死ぬぞ!」

僕はパニック状態の中、結衣奈にそう言った。

「だってだって! あんたが悪いんじゃない! あんたがこっちに突っ走ってなきゃ、こんなことにはなんなかったのに!」

結衣奈は僕に、怒り口調でそう返した。

「はあ!? 結局僕のせいなの!? 分かったよ僕が悪かったよすみませんでした!」

僕もそれに対し、怒り口調でそう言った。

「二人とも! 下! 下! 下!」

僕らの喧嘩を遮り、希里花さんが言った。

「へ……? ってギャアアアア!地面がもうこんなに!」

この時、もう地面まであと十何メートルかってところ。

あーあ。もうこれでゲームオーバーか。

これまでの2ヶ月間、楽しかったな。

じゃあ、さようなら。

――走馬灯みたいなのが見える。

本当に死ぬんだな。僕たち。

さようなら。みんな。

さようなら。異世界。

さようなら。希里花さん。

来世はいじめられなきゃいいね。

それじゃあ本当に、さようなら。

地面まであと2、3メートル。

そして。

その日、僕たちは、死――

「……!?」

「ふう。危なかった。」

――ななかった。

翼が生えた女性(?)が、全員をキャッチしたのだ。

そして地上に降りた。

もっと驚いたのはその時にその人が言った言葉だ。

「全く。いきなり上から落ちて来るなんて……。家が壊れちゃうじゃないですか。《《魔王さま》》。」

「……!?」


2


「ま、ままっ、まままっ、まお、魔王って、な、何を勘違いしてるの!? わ、私はただのLv.27のクラス16の大魔法使いよ!?」

希里花さんが慌てて嘘を吐く。

その言葉に対してその人は、

「フフッ。大丈夫ですよ。そんなに必死になって隠さなくても。だって、私……、鬼族ですから。」

と言った。

鬼族? 頭大丈夫かこの人。

鬼っていえば、もっとこう、赤くて……、角が生えてて……。

「へ……!? 鬼!?」

「魔王さまの……、味方です。」

彼女は、軽く微笑んでそう言った。

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