うごめく不穏な影
前回と同じ文字数ぐらいでした……。
くそおおおおお!
いつものように父さんとの打ち合いを終えて昼食をとる。
まあ、もう当然と言っていいほどに負け続けていてなんか、最近は「勝利とは??」とか考えることが、たまにあるぐらいである。
そして、昼食を終えていつものように森へと足を進める。
はぁ……アイツ来るかなぁ〜どうかな〜。とりあえずは待ってみるか……。
っと待ってる間も鍛錬は怠らない、魔力操作は今では両手で自由自在に魔力を操れるようになった。
なので今やっている練習はまあ、魔力弾と言えば分かるだろうか?魔力の弾を威力を抑えたり最大で出したりとしている。お陰でここら辺はボロボロというわけだ。
だが、これはまだまだ序の口だ、今の力で最大火力を撃てばここら辺は吹き飛ばせる。
それなのに何故ここら辺は吹き飛んでないのか?それは至って簡単な事、上へ向かって撃てばいい。
そうすれば威力は最大で被害はゼロで撃てるって訳だな。
その他にはいろいろと闇属性の魔法の試しなども最近は、やり始めたな。
それでもやはりチートとはまだ到底呼べない、もっと圧倒的な破壊力が必要だな。
練習あるのみだな。
っとそんな感じで今の俺のステータスはこんな感じ。
<<ステータス>>
【アルレット=エジェロワール】
種族 : 人間
性別 : 男
レベル : Lv.1
【能力値】
魔力 : 5000
攻撃力 : 406
防御力 : 350
俊敏力 : 500
【スキル】
「闇の探究心」「真剣術」
【魔法】
闇属性魔法(上級):適正値 1,478,953%
火属性魔法(初級):適正値 50%
風属性魔法(初級):適正値 15%
【称号スキル】
・強さを求めし者
と、こんな感じだ。
特にこれと言ってかなりの変化はない。まあ、魔力が結構高く魔法の適正値がちょっとふざけちゃってるだけである。
あとは…まぁ少しだけエリーの風属性魔法が羨ましかったから使ってみようかなと思って使ってみた結果が適正値15%……。
何かなぁ……もうちょっと多種多様に使えても良かったんじゃないのかねぇ?………。
それ以外は特に変化なし………か。
俺はこの世界で、はたして誰よりも強くなれるのだろうか。全てに置いて力をつけなくてはいけないのだ。
それは、ボチボチって感じだな〜、さて……そろそろだろうか?別にいつもみたいに普通に来ればいいのに。
と、ここで草むらがガサガサと揺れ始め、誰が来る気配があった。
なんか…弱々しい草むらの揺れだ……いつもならガバッ!と来るのにな……。
まあ、でも、テンションはいつもと同じだろうしなぁ ____
「あ……アル、もう、来てたんだね…」
「だ、誰だ?!お前?!」
「えっ?!……」
ハッ?!?! ______
あ、あぁ!エリーか……びっくりしたぁ…いつもエリーのテンションじゃないから俺が間違えたみたいだった。
危ない、危ない……。
ていうか、落ち込みすぎじゃね?何でそんなに落ち込んでるのやら。
あ〜めんどくせぇなぁ……俺は別にもう、気にしてねっつーのに……
「まぁ……それでも、それぐらいの仲になっちまったって事か……」
「え?……」
「いや、なんでもない…………なぁ、エリー」
「あ……ごめんなさい!アル!私、アルの気持ち何もわかってなかった!ホントにごめん!それでもそんなに簡単に許してはくれな ____ 」
「おい!エリー!」
このまま黙っててもエリーが自分でいろいろとおかしくなっていく一方なので声を掛ける。
「一回落ち着け……いいか?」
エリーは黙ったまま小さく頷いた。
「それじゃぁ……言っとくが俺は別にあのことは気にしてねぇよ、だから…お前もいつも通りにしてろ。じゃなきゃこっちがテンションに狂うわ」
「え、え?…で、でも、アルは昔の事とかいろいろと気にしてるんじゃあ……」
「そんなにトラウマになるほどじゃあねぇよ。逆にそれを糧に生きてんだから……」
「え?」
「あ〜〜とにかくだ!もう、気にすんなよ。お前が悩んでるとことか絶対に似合わねぇぞ」
「ホントに?ほんとに気にしてない?」
「あぁ…………それに……お前の母さんからいろいろと聞いたよ……昔はいろいろと嫌われてたらしいな」
「う、うん……」
「じゃあ、今は近くに誰がいるんだ?…いるだろ、ここに、この友達1号がよ……誰よりも知ってるさ、お前の良いとこも、お前のうるささもお前の駄目なとこも……だから嫌いになる前になれる訳ないだろ、嫌いになんか…だからなんも気にしてねぇよ」
「ア…アルぅぅ……うぅ…うああああああん!!!!」
おおわっぷ?!?!
俺の言葉を聞き安心したのかエリーは俺に泣きながら抱きついてきた。
あ〜〜めんどい……………………ぁ…以外に軽いな…。
ていうかまた泣きやがった。俺の中でのエリーのイメージこんがらがってきてしまう。
ってちょいちょい、こんな所で抱きつかれても困りますし、恋愛経験ないから、こうゆうのは慣れてないんだわ、お兄さん。
あっ!女子ってホントにいい匂いするんだな……すげぇ…。
って!やべっ…これ離さないと完全に逝くやつだこれ…ぐ、グオオォォォォォ………ほ、ホントにやばい。
どうしてこういう時に限って力が強いのだろうかな全く腕を動かせない。
身動き一つ出来ずに足などをじたばたしていると前の木々の陰から誰かが見ている気配があった。
なっ?!これ見られたら、マジでやばいだろ?!ちょ!助け__うげえぇぇ………。
だが、それはどうでも良い事だと分かった。何故ならその木の陰で見ていたのはエリーの母親のマルナさんだった。が、ニヤニヤして、何やら体をクネクネしながら見ているのだ。
こ……この人は……!!人のやり取りを見守りながらもこういう展開を待っていたのか?!
何て腹黒い人なんだ!
っとその時少しエリーの力が弱まったのを見逃さなかった。
よし!
「ェッ!……エリーッ!……少し離してくれえぇぇ……グハッ…」
「グスッ……え?…あっ!ご、ごめん!アル、つい……」
「いや……ゴホッゴホッ……大丈夫だ…」
危なかった、もう少しで三途の川の向こう岸まで辿り着くところだった。
助けてくれても良かったのに、マルナさん。俺が死んでもいいと?ほう…………。
ってそんな訳ないか、ただの娘が心配で見に来ただけだろう。
アレを親バカって言うのね……。
「まあ……良かったじゃない?、仲直り出来て…フフッ」
「俺は最初っからケンカしたっていう感じは無かったですけどね」
「あら?……そうだったのね」
「あれ?!?!…お母さん?!?!」
「やっぱり言ってなかったのか……」
「どうしてここに?!……」
「そりゃあ、きますよ……娘が仲直り出来るか心配だったんだから」
まあ、エリーはさっきのを見られたらせいで動揺しっぱなしだしな……。
あーでもエリーに抱きつかれたのは嫌じゃなかったな……。
寧ろ初めてで良かったな。
…………………あれ?………俺すごいキモい?……。
しょうがないじゃないか、そんな経験した事ないし…誰だって最初はこうなるに決まってんだから。
いかんいかん、平常心。
「あら?……アル君、どうかしたの?」
「いえ……何も……」
クソ………目を閉じて平常心を保とうとしているのにマルナさんのニヤニヤ顔が頭に浮かぶ……。
この時、アルレットは気づいていなかった。
自分の中の人に対しての考えというのが少しずつ、少しずつ変わってきていることに………………。
『人の根本的な考え方は変わらない』
果たして本当にそうだろうか?
残酷な人間はいつまでも残酷なままだろうか?
人をバカにしている人はそのままだろうか?
いや……そうではない。では何かが人を変えるのか?それはとても大きく人生の中でとても大事な分岐点に当たった時だろう。
その時に人は自分の考え方を変えてでも進もうとしたり、そうしなくても進める時がある。
だが今の事の後者の場合、途中で行き詰まってしまうことがある。
だからこそ人は考え方を変え続けて生きている。
考え方を変えなくても、また別に多種多様な考えを持って生きている人もいる。
それは、今この瞬間、この時のアルレットにも言えることである。
彼の心も考えも少しずつ、少しずつ……変化して言っているのであった ___________
「お!……アル、中々に良くなってきたじゃないか!」
「父さんと打ち合いしてない時だってちょくちょくやってたからね!」
俺は今、朝から父さんとの剣術の鍛錬の真っ最中である。最近では父さんの剣の速度(全然本気ではない)についていけるようになってきたのだ。
今までは俺が先に攻めていき、その後に父さんに攻められて終わっていたのが今は、それを受けながら父さんと打ち合いをできるようになった。
これでも十分に及第点だろうと思った。
何故ならこの打ち合いでも相当高いレベルの打ち合いだからである。
周りから見たら、今の俺達はかなりの速さで動いてるように見えて、何が起こっているか分からないだろう。
だがしかし、これでも父さんは遅いと言う。なら父さんの速いという速さはどれぐらいなんだ?と思い試しにやってみてと言ってやってもらった時があったのだが……………
人間じゃないよ、ホントに………俺は人ではないものと戦っているのかと思ったほどである。
「おしっ!今日の鍛錬はここまでだな!アル、また明日な」
「今日もありがとう、父さん」
「なぁにこれぐらい!息子のためさ」
あ、それと最近は脳天に直撃をくらわなくなったな。まあ、それもこれも【スキル】「真剣術」のお陰か……。
この【スキル】は剣術の成長速度に補正が入る結構いいスキルである。
この【スキル】を父さんに話したところ、とてもいいスキルらしく持ってる持ってないで大きく違うのだとか。
これはラッキーだと思った。
だが……どうなのだろう……父さんはいつもただ木刀を振っているだけでそれ以外は何も見せてくれないが絶対に何かスキルを持ってるよなぁ………。
でも、今はそれを使わずにただの身体能力やスキル使用なしでやっているのだ。
それを考えただけでとてもおぞましいな。
まあ、まあ、今は自分の全力を父さんを利用して上げていくだけである。
気にしててもしょうがない。
さて、昼食も済ませたし行くか……。
そうして家を出ようとした時、家の前に誰かがいるの分かった。
確認しようとして歩いて行こうとすると壁の向から人影が飛び出してきた。
ガシッ!………………
飛び出してきた人の頭を鷲掴みにして受け止める。
「エリーか……」
「な、なぬ?!」
あ〜あ、何でここまで来てんだか………。
そう、エリーはあの一件以来、こうして俺の家までたまに来るようになったのだ。
と言ってもほぼ毎日と言っていいぐらい、ここに来ている。
あそこに行く前から、うるさくなるなんて俺は耐えられない。
というかここにエリーが来るようになってから母さんや父さんが毎回変な笑みを浮かべて見てくるのだが、マジで鬱陶しい事この上ないのだが………。
「エリー……何もここまで来なくても良くないか?」
「ん〜別に良いじゃん!私達の仲でしょ!」
知らんがな…俺達の仲はこんなじゃなかったはずだが…?何でこんなにイチャイチャしなきゃならないんだよ……。
ガァ…チャリ………
その時、どこかの扉が開く音が微かに聞こえた。何処だ?と周りを見渡せば後ろの玄関が微かに開いていてそこから親バカ二名が揃って見ていた……。
その親を俺はすぐさま冷たい眼差しを送る。それに気が付いたのか慌てて家の中に隠れていった。
めんどくさい人達め………。
「ほぉら!いくぞ、いくぞ……」
「ふぁ〜〜い」
はぁ〜もう少しで11歳か〜……ホントに歳とるって早いな〜。
「ねぇ!ねぇ!アル!ほらっ!む?むむ……意外とできるようになってきたと思わない?!」
今、俺達はやっと森に来て、もう今ではエリーも普通に鍛錬をしている。
エリーも中々に魔力を操れるようになり少しずつ魔力が多くなってきているが __________
「ほらよ……」
「え?……えっ?!?!」
俺は右手に魔力を集中させる、そしてそれを手を払うように前の方にある木に放つ。
次の瞬間、かなりの衝撃と爆風が俺達を襲った。
やべぇ……やりすぎた、まあ、どうでもいいや。
「まあ、これぐらいだろ?……こんなぐらいにまではなれるぞ?」
「はあぁぁぁあああぁ?!?!」
あれ?何?どうしたの?別にもうちょっと鍛錬すればエリーもこれぐらいは出来るだろ?
「お前だって出来るぞ?」
「無理ですけども………?」
はぁ……威力に騙されすきだよ……そんなに魔力こめてねぇし危ないってことは分かったからもう、やらないがな……。
「はぁ〜ホントに凄いね…アルは」
「普通だろ」
俺が知ってる異世界チート主人公達に比べればな……。
「やっぱり……アルに追い付くには入らないとねぇ……」
「あ?……何だって?」
「アル、私ね「魔術騎士」育成所にね…行こうと思うんだ」
「ん?……魔術騎士?……」
「アル…知らないの?……」
何だそれ?いや騎士団と魔法士団は知っているが魔術騎士とは何だ?
「いや……騎士団と魔法士団は分かるけど魔術騎士ってあるのか?」
「魔術騎士って言うのはね剣と魔法の技術を極めた人達がなれる王国の超精鋭達なんだよ、皆が憧れる絶対的存在なの」
ほ〜…………。
なるほど、それはいいな国の精鋭部隊、魔術騎士か。
「俺も行ってみるかな……」
「ホントに?!?!アルも来るの?!?!じゃあ一緒に入ろ入ろ!」
「あ〜まだ決めた訳じゃないからまだ分からないって!」
テンションが上がるとこれなんだから全く………。
「ほら……そこに入るには今からもっと練習しないと駄目だろ?だったらとっとと練習をしろ、ほらほら」
「ねぇ…アルも一緒に入ろうよ〜……」
魔術騎士…ねぇ……まあ、行ってみたくもあるが別に国の精鋭部隊に入りたいわけじゃないからな。
俺はそのうちチート級な力を手に入れたいと思うし、その為にも一人で極めていきたいとは思うがやはり最初は自分がどの程度なのかを見極めないと駄目かな……?
あ〜めんどい……後からでいいや………。
こうして俺はまあ、どうでもいいとは言わないがこれからの事を考えながら鍛錬に勤しむのだった。
アルレットとエリーナが鍛錬に勤しんでいる時と同時刻、アルレット等のいる森より反対の方角の森の中、今この時この森の中から何かが壊れる音が聞こえた。
それは魔晶石の壊れた音だった。何故こんな所に魔晶石があるのか?
それはここら辺は一帯の森は、よく魔物と呼ばれる生き物が出るのである。だからこそここにはその魔物から村を守る為の結界用として魔晶石が取り付けられているのである。
だが今、その魔晶石の一つが壊れたのである。
その理由は ________
「ホントに最初っから王都を狙わなくていいのか?」
「いいから、黙って指示にしたがって動けばいいんだよ、頭を使うことは上に任せればいい……」
「そりゃあ、そうだ…違いねぇ………」
そう、そこには今壊れたであろう魔晶石を壊したと思われる。犯人がそこに二人、いたのである。
そこにいたのは「魔族」と呼ばれる種族の者達だった。
だが何故彼等がこんな村に来ているのか?
それは ________
「この王都に近い所で何の警戒もしていない村が今は最適なんだよ」
「へっへっ…なるほど」
「こんな脆い魔晶石なんて使ってる時点で駄目なんだよ」
この二人組はいわゆる魔王と呼ばれる魔族の主が引きている魔王軍の幹部である。
魔王……それはこの世界で最も恐れるべき存在………ではないが人族にとっての最大の敵である。
魔族と人族は遥か昔から対し互いの自由をかけて戦争をし続けているのだ。
だが最近は魔族の勢いが何故か収まり嫌な静けさがあったのだ。
だがそれももう、終わりの時を迎えるのである。
「今日、この時、この瞬間から魔族は再び人間共に地獄を見せるのだ……見ているがいい……人間共め……」
こうして魔族の二人組は作戦を開始する。作戦決行は明日。
全ては王のお心のままに………。
だが……………彼等は………知らない。
この村に異世界より転生してきた男がいることを………
彼等は知らない………自分達が地獄を見せるはずが逆に恐怖に震えることに。
それでも、今の二人なら今のアルには圧倒できるだろう。だがそれもまた誰も知らない事………。
アルの力はまだ覚醒し切ってないことに……………。
ブックマークをつけてくださった方
ありがとうございます!
イヤ〜感激ですね〜ぐへへ




