心の変化と過去
今回はエリーナの視点ありです。
上手く書けたかは心配ですが見てみてください。( ̄^ ̄ゞ
「うひゃぁぁ〜〜!!!むっずい、これ!!!やっぱりムズい!!!」
「だから、すぐに集中力切れてるって言ってるだろう」
この世界に転生してから9年ぐらいは経ったか……。
もう、こんなに経つのかと、成長は早いなと日々実感している頃です。
前の世界とはあまりにも違う住みやすい世界でとても充実しているね。
まあ、そんなこんなでこの世界に来て正解だったなとは思っている。
そして、今は昼下がりの午後、いつものように森で魔法の練習をしている。
午前中もいつものように父さんとの打ち合いだったが、やはりあれは化け物だったなと、今日も完敗してきたとこなのだ。
どうやったら勝てるかぁとか、どうゆう攻め方をすれば牽制できるかぁとか、って言う問題じゃないね、あれは。
まあ、俺の技術が父さんの域までいってないっていうのが一番だと思うのだが、それにしてもあの人は桁違いだった。
そりゃぁ、俺だって最近は剣術の腕もかなり上がってはきている。
だが父さんの剣術は洗練され過ぎていて、全くブレがないし、完成された剣術だと言われても納得してしまうほどのものなのだ。
それは打ち合いの時にハッキリとわかる。俺が攻めの時は全ていなされ、かわされ、全く隙もない。
そして次に父さんが攻めてきた時、これがまた厄介と言うより強すぎる。
速すぎて全く太刀が見えないのだ。何でこの実力で団長じゃないのかと、疑問に思うのだが、まあ、何かしらあるのだろう。
「ねぇ〜!ちょっと聞いてる?まぁた黙りこくってさぁ」
「あ〜悪い悪い午前中のことを考えてた」
「あ〜アルのお父さんとの練習?」
「あぁ、どうやっても攻めれないんだ……どうやったらあんなふうになれるんだろうか……」
「普通にバシバシ!っていけばいいんじゃないの?そこら辺はわかんないな〜」
「……………」
というか最近は毎日と言っていい程、ここに来てるなコイツ。
今まではちょくちょく来るかなって感じだったのに、何だってこいつとこんなに一緒にいなきゃいけないんだ。
「なあ」
「ん〜?」
「最近、お前よくここに来るよな?何で来てんの?」
「遠回しに来るなと言われてる気が……」
「それ以外の何があるんだよ?」
「酷い!!!」
こいつとはまあ、仲良くはしてるけども俺は別に友達とか興味無いしな〜。
そもそも友達とかいたってどうせ痛い目に遭うんだから……。
それにこいつが勝手に友達とか言ってるだけだし。
「じゃあ……逆に聞くけど私以外の友達って言える人達と遊んだことあるの?」
「そもそもお前が勝手に俺のこと友達認定とかするから……」
「そこ、まだ気にしてたの?!…ってじゃなくてホントにどうなの?」
「いるわけないだろ?そもそも友人とか友達とか興味無いし」
「その考えは駄目とは言わないけどもう、ちょっと興味持とうよ」
「なんだよ、急に……」
別に友達とかホントにつくりたくないとかそんな訳じゃないさ。
ただ……知ってるんだよ……昔のあの誰も自分に興味も関心もないって思ってるあの時を……。
心のどこかで恐れてるだよ俺は、だからそいうことには自分も心を閉ざしたんだ。
「何かさ〜ん〜なんて言うか、人と接するのを拒んでるっていうか恐れてるっていうかそんな感じ?が見えるんだよねぇ〜」
こ、こいつエスパーか?!エリーの前ではいろいろと考えるのは辞めよう。
________でも………
「だから?」
「えっいや、その考えはちょっとは直した方がいいかなぁ〜なんて………」
「………お前に…………お前に俺の何がわかるんだ?………そんなに簡単に言いやがって……………」
「えっア、アル?ご、ごめん!気に触るようなこと言っちゃて……」
「いや……すまん、何でもない。エリー俺はもう行くよ、俺から話したのにごめんな」
「ア、アル………」
深く、深く人の心にできた考え方は変わらない。
どんなに心に語りかけられようと、励まされようと何をされようと変わることはない。
俺はそう思う_______ 。
「よし、それじゃぁ今日はここまでだな!」
「今日も勝てなかったか〜」
「ハハハ!俺はそんなに甘くないさ!」
また今日も勝てなかったか……。
流石だな、父さんは。
「あ〜そう言えばアル」
「ん、何?父さん」
「最近はヴァオラルシア家の子とはどうだ?仲良くいってるか?」
「!……どうしたの?急に…」
「いや、ただどうしてるのかなと……お前が男友達と一緒にいるのを見たことないからなぁ〜」
「うるさいな〜」
そうしてまたいつものように森に来て魔法の練習をする。今日はいつものようにエリーが来ることは無かった。
「ふぅ〜静かだな〜」
いつの間にかあのうるささも、気にならなくなったしな。
そうやって一人物思いにふけていると、誰かが近ずいてくる音が聞こえた。
エリーじゃないな……。エリーはもっと草むらとか構わずに突っ走って来るしな。
そうやって音が近づいてくる方に目をやると、そこには一人の女性が立っていた。
「話に聞いていた通りね、ホントに魔力の使い方が上手ね。」
「ど、どうも」
「髪は……母親の銀髪の部分が多い感じかしら?」
「え?…あ、あの〜……」
「体もしっかりしてるし流石はあのお二人の息子さんね!」
「あの!すいません…どちら様で?」
「あら?……そうだったわね、ごめんなさいね。考え事をするとすぐこうなのよ……フフ」
「はぁ……」
なんというか、話のペースが掴めないというかなんというか、誰なんだこの人?
俺の知り合いの人だろうか?あ〜、あのお二人のとか言ってたし母さん達のこと知ってるって感じか?
「母さんの知り合いの方でしょうか?」
「あーそんな感じね、まあ君と話すのは初めてかもしれないけれど」
「………?」
「言い忘れたわね……私はエリーナの母のマルナ=ヴァオラルシアよ、エリーから聞いてなかった?」
「は、初耳です……」
エリーの母さんとか初めて見たな。まったくエリー似てないじゃないか母さんに?!あっでも、どうだろうエリーのあのマシンガントークは母親譲り……?
そう思いエリーの母親、マルナさんに視線を向けるとニヤニヤと笑っていた。
うっわぁ………性格悪そう…こいうところは似てないな。
「今、変な事考えたでしょ?」
「いえ、別に」
恐るべしエリー母。
「エリーはあまりマルナさんに似てませんね…」
「そうぉ?家で話してる時は凄く話が合って気が合うわよ?」
「そう…ですか」
家族なんだから合わなきゃおかしいだろ。まったくエリーもかなりの天然だったが、この人も中々の天然感だなぁ〜。
「で〜…あの、どうしてここに?」
「あーそうだったわね………昨日、ねエリーが泣きながら家に帰ってきたのよ………その時はホントにびっくりしたわ、あの子泣くなんてこと絶対にないと思ってたからね」
「…………」
「理由を聞いたらアル君に怒られちゃったって自分が何も考えずにいろいろと話しすぎちゃったって……言ってたわ」
「そう……ですか、あのすみませんエリーに俺が謝ってたって伝えてくれませんか?すみません娘さんに迷惑かけちゃって…」
「アル君」
「ホント…俺が悪いんですけどね、俺がその話を振ったのになんか、言っちゃったみたいですみません……今後は気をつけるので」
「アル君……別に怒ってなんかいないわ、むしろ感謝してるぐらいよ……あの子ね、ほら話すと何でもかんでもいう感じじゃない?」
「え、えぇ…まあ…」
「だからね鬱陶しく周りから思われちゃってあまり友達が出来なかったのよ」
は?………アイツに友達がいなかった?何の冗談だよそれ。
じゃあ、俺のとこによく来たのは……
「勿論、今はそんな事はないわよ、けど昔はそうだったの。だからねあの子にとってホントに何でも話せて何でも言ってくれる友達ていうか親友は貴方しかいなかったのよ……だからね感謝してるの……友達との事で悩んでくるなんて昔のエリーでは考えられなかったから」
そうか……そうだったのか……アイツもいろいろと悩んで生きてきたんだな。
それでもあんなふうに振る舞って気付かせないようにしてたのか……。
「なるほど……気が合う者同士か………」
「あら、何か言った?」
「いえ、何も…マルナさん、俺明日エリーともう一回話したいのでエリーにここに来るように伝えてくれませんか?」
「あらあら……何かふっ切れた見たいね……」
「いいえ……まだ全然……根っこは変わりませんよ…」
「そう?………じゃあ明日エリーに来るように伝えるわね」
「えぇ、お願いします」
まったく……アイツも素直じゃないというかなんと言うか……
◆◇◆◇
「お前、ホントに鬱陶しいんだよ!」
「ほんと!ほんと!毎回何なんだよ!」
「何で!どうしてそんなこと言うの?」
村の子達は皆私の事を嫌っている______ 。
これはまだエリーナ=ヴァオラルシア が幼かった頃に最初に感じた友達への感情だった。
とは言ってもエリーナは幼い頃は普段は家で遊んでいてあまり外に出て遊ぶタイプではなかった。
だが月が経つにつれて外で遊ぶことえの興味が段々と高くなってきていた。
他の友達と一緒に外で遊びたい____ 。
そうしてもう何ヶ月かたった日にエリーナは母親にお願いをしたのだ。
「ねぇお母さん!外で他の子達と遊んでみたい!駄目かな?」
「駄目なんてそんなことないわよ!遊んでらっしゃい」
「あ、ありがとう!」
初めて外で他の子達と一緒に遊べる。
そんな期待を胸に外へ出ていったのだが、それは簡単に打ち砕かれた………。
ただ他の子達よりも少しだけ活発なだけである。それなのにエリーは他の子達に鬱陶しがられたのだ。
どんなに離れてもずっとくっついてくる、隣で馬鹿騒がしく話してくる。
そんな事でエリーは一人になってしまった________ 。
私は何で皆に嫌われるのか何も分からなかった。友達って何でも普通に接することができてどんな時でも一緒にいる事が出来るのが友達だと思ってたから、それがあまりいき過ぎてるってこともその時は分からなかった。
それからというもの私は皆に避け続けられて1日を一人ぼっちで過ごす様になった。
それでも母さん達に迷惑は掛けられないと思い家にはいなかった。
村の外れにある森の中で一人でひっそりとする毎日を送っていた。
そんな時だった……アルにあったのは。
いつものように家を出ていつもの森に向かう途中であまりここら辺では知らない男の子が森に行こうとしていたのだ。
とても綺麗な銀髪の髪に少し金がかった髪でキリッとした顔立ちだった。
私はその時に普通にカッコイイ子だなと思った。
でも、それでもどうして一人で森に入っていくのか不思議でしょうがなかった私は後をつけることにした。
どんどん森の中に入っていくアルに私は何か危ないことをしてるのではないかとその時は不安に思った。
でも、アルは少し開けた場所に出るとそこで何かをしだしたのだ。
私は少し移動して見ようと思い動いたその時、足元に落ちていた枝に足を引っ掛け草むらから音を出してしまったのだ。
すぐにアルはこっちを振り向き警戒していた。
でも、私はそれよりもアルのだ手に興味がいった。アルは手の平から火を出していて魔法を使っていたのである。
すごいと思った……。アルのその時の年はまだ私と同じで全然魔法など使える年ではなかったのだ。
その瞬間に私はすぐにアルと友達になりたいと思った。でも、この子も皆と一緒で私を避けるのではないかと思っていた。
それでも私は友達にどうしてもなりたかった。だからこそ、今までの友達の時と同じ感じに接してみようと思った。
どうせこの子も嫌がるに決まってると思ったからである。
でも………そんなことはなかった、最初こそ私のこのテンションにずっと戸惑っていると言った感じだったがアルは一言も嫌だとか鬱陶しい何ては言わなかった。
とても嬉しかった、アルだけが私を受け入れてくれたのだ。アルだけが私を友達として見てくれたのだ。ホントに嬉しかった。
次の日も私は昨日と同じ時間にあの場所へ行ってみた、するとアルはもう既に来ていて魔法の練習をしていた。
良かった、何も言わないで別のところに行こうともしていなかった。
ホントにアルは私の事を何とも思っていなかったのだ。
この時から私はあると一緒にこの時間になるとあそぶようになった。
それから月日は経ち私もいくつかは魔法が使えるようになったそれでもまだアルには追いつけなかった、アルはある時からずっと闇属性の魔法を使うようになった。
何故だかは教えてくれなかった。
それでも私はアルと同じように魔法を使えるようになったことが嬉しかった。
それとこの時ぐらいから私にもアル以外の友達ができるようになったのだ。
これもアルが教えてくれた「必勝!即友達作りなんとか」というもののおかげが多かったようにも思える……多分。
でも、その頃から私はふと疑問に思ったことがあった、アルは私以外の友達はいるのかな?と
それであるに聞いても「興味無い」の一点張りだった。それで調べたところ午前中はアルの父さんと一緒に剣術の練習午後はここに来て魔法の練習をしているらしいことが分かった。
じゃあアルいつ友達と…?っと思ったが私と一緒にいる時間が多いと分かってからはさほど気にしなくなったのだ。
でも、そんな時にアルはふと思ったように言ってきたのだ。
「なあ」
「ん〜?」
「最近、お前よくここに来るよな?何で来てんの?」
「遠回しに来るなと言われてる気が……」
「それ以外の何があるんだよ?」
「酷い!!!」
アルはたまに冗談を言ってくることはあるのでこれぐらいでは別に何とも思わない。
それにしてもアルがそんなことを聞いてくるなんて思いもしなかった。
それは〜アルは親友だし、幼馴染だし、私の〜ごにょごにょ…
って!そんな事じゃない!これは逆に私の思っていた疑問をアルに言うチャンスだと思った。
「じゃあ……逆に聞くけど私以外の友達って言える人達と遊んだことあるの?」
「そもそもお前が勝手に俺のこと友達認定とかするから……」
「そこ、まだ気にしてたの?!…ってじゃなくてホントにどうなの?」
「いるわけないだろ?そもそも友人とか友達とか興味無いし」
アルはたまにこういうことをよく言う……。これはあまりアルは気にしてないようだったが、私にすれば友達がいなくてもいいというのは良くないんじゃないかと思った。
「その考えは駄目とは言わないけどもう、ちょっと興味持とうよ」
「なんだよ、急に……」
絶対にアルには一人になってもらいいたくはないと思った。だからこそ知ってる私が教えてあげないとと思った。
「何かさ〜ん〜なんて言うか、人と接するのを拒んでるっていうか恐れてるっていうかそんな感じ?が見えるんだよねぇ〜」
この時アルはとても驚いた顔をしていた。これは確信をついたかなと思った。
ならばと思いアルにもっと友達を作ってもらう様に言おうとした時、アルの表情が変わった。無表情で何も見ていないかのような関心のない目だった。やってしまったと思った。
「だから?」
とても低く怖い声だった。
「えっいや、その考えはちょっとは直した方がいいかなぁ〜なんて………」
「………お前に…………お前に俺の何がわかるんだ?………そんなに簡単に言いやがって……………」
この時何も分かっていなかったのは私だったんだとやっと気がついた。
「えっア、アル?ご、ごめん!気に触るようなこと言っちゃて……」
「いや……すまん、何でもない。エリー俺はもう行くよ、俺から話したのにごめんな」
「ア、アル………」
ホントになんて事をしてしまったんだと、私は思った。
その後もアルがいなくなった森で私は立ち尽くしていた。怒らせてしまったのだ、私のせいで触れられたくないことに。
その後私は久しぶりに泣いてしまった。
こんなにも友達とのことで泣くなんて思わなかった。
それでもこの時、自覚している以上に私はそれぐらいアルと一緒にいる時が楽しく大切なものなんだと分かった。
そしてその次の日に母さんはアルに会いに行ったらしい、そこでアルは私に明日森に来てくれと言っていたと聞いた。
アルから言ってきたのだ、これを逃すわけはない!
必ず私はアルに謝ろうと思った。
文字数が多く書けてきて……
良かったです╭( ・ᄇ・)و