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第一章~低層突破は難しい~Ep30

更新遅くなってしまいました。


ミズエットさんが矢を飲んでしまいました! いつか『腹に矢がっ!?』と言って消えていくのでしょうか…………ってそんなまさか。

ごめんなさい、作者が【映像効果】に騙されてました。

再び小舟を操縦し、海路を進む。

何回曲がっても変わらない景色。

徐々に薄れていく方向感覚。

自分が何をしているのかも分からなくなってくる。


海路に潜むモンスターは舟の幻影を付した矢で誘導し、簡易地雷(インスタント・ボム)で屠る。

そしてついに日が暮れる。

夜の海路を照らすものは何もない。

周囲を崖によって封鎖されているせいか深く感じる闇。

舟の進む音が響く。


出現するモンスターも変わり、『シーナイト・サカナクン』がその銛を突き刺してくる。

小舟に穴を開けられないよう、巧みに船を操作しつつ、幻影舟による誘導で敵を引き離す。

崖際から顔を出した敵を狙撃。

大ダメージにより、海中へ逃げ込む敵。

そのスキに仕掛けておいた罠のほうへ誘導。

そして爆発する。


「海上での戦いもなれてきたな」

俺は悠々と海路を進んでいく。


そして数時間の探索の末、俺はついに五層へとつながる塔を見つけた。

海の中から伸びる巨大な塔。

どうやらその入り口は海底にあるらしい。


「潜るとしようか」

俺は舟を置き去りにし、海中へ。

冷たさは感じるが、そこはゲームシステムがうまく調整してくれている。

…………即死はしないレベルだ。


俺は速さに任せて海中を泳ぐ。

塔の扉前にいる二体の『シーナイト・サカナクン』。


「海中で戦えるかどうかだな」

ものすごい勢いで遊泳してくる彼ら。

回転と直進を混ぜた不定期な動きから放たれる銛の一撃。


しかし、その一撃は不発に終わる。

『ギョギョ!?』

彼らはその攻撃対象を見失っていたのだ。



俺は【隠密】によって姿を消す。

そして、奴らの体に簡易地雷(インスタント・ボム)を設置。

充分に距離を置いてからそのトリガーを引き抜く。

今回のような場合はあえて宝石ではなく、糸を引いて爆破させるタイプの罠を使っている。


巻き起こる爆流。

その流れから逃れるように俺は距離をとる。

そしてその爆心地にいた彼らは木っ端みじんの光粒子となり、消えていった。


塔の中へと入る。

ボスモンスターには【隠密】が効かないということは分かっている。

中が海中ではないことを祈ろう。


背後で扉が閉まる。

もちろん海中だ。

なにせ、海中から入って来たんだからな。


「まじかよ……」

俺の目の前を遊泳するは巨大な魚影。

体長5メートル程。

青く輝くサメ肌。

そして幾重にも重なった鋭利な歯。

一辺三十メートルほどの立方体のルームの中でそのギラギラとした目を光らせている。


『メガロシャーク』。

その攻撃力と水の中での機動性がプレイヤーたちを阻む、四層のボスモンスターだ。


「だから、どうやって倒せと?」

俺は愚痴をはきつつ、顔を引き締める。


相対するは海の上位者。

そしてルームは天井まで全て水で埋まっている。

魚影の動きが止まった。

俺の視認し、その口を大きく開ける。

咆哮(ハウル)か?」


だが、それは違った。

奴が放ったのは海流。

渦を巻きながら、一直線にこちらへと直進する海流。


「くそっ」

俺は左に大きくよけることでそれを回避。

だが……。


「なっ!?」

奴が標的を追うようにこちらを向いた、にもかかわらず、海流は奴が放ったところからさきほど俺がいた場所まで、ずっと存在し続けている。


突進が来れば躱しながら近距離からの狙撃を浴びせ、海流が来れば大きくよける。

しかし、徐々にその数を増していく海流。

ルーム内での逃げ場が無くなっていく俺。

だが奴は海流など気にせず、突っ走ってくることが可能なようだ。


「っ!」

危ない。

突進を躱す場所が無くなってきた。

お返しに矢を放つが、水の中では威力が出ない。

俺を追い詰めているのは紛れもなくこの海流だ。

今も轟音を発しながら水をまきこみ続けている。

ではどうするか。

俺は逃げて逃げて逃げて勝ってきた。

しかし、ここには逃げ場がない。

ではなぜ俺が逃げてきたのか。


それは場を作るためだ。

そう、では今はどうだろうか。

もうすでに、場は整っているのではないか。


「そうだよな」

ここからは俺のターンだぜ?


俺は奴のいる場所へ続く海流に簡易地雷(インスタント・ボム)を巻き込ませる。

奴はすぐに動くため、不発に終わり、そのままその海流を流れ続ける罠。

俺は奴に当たるように海流を罠で埋めていく。


しかし、自由気ままな奴はあと少しのところで罠にはかからず、俺に突進をかましてくる。

躱しながら宝石を奴に投げつける。


近距離からの投射に必然的に爆発が起こる。

そして近くの海流を流れていた罠へ罠へと誘爆。

奴の体を爆発熱が焼き尽くす。


だが、俺の方へ衝撃は来ない。

海流が流れ来る水にたいして防波堤となる。

そして、水をまきこんでいく海流たち。


速攻で奴から離れ、退避していた俺だったが、海流による障壁がなければ爆発に巻き込まれていたかもしれない。



そして俺は四層ボスを倒すことに成功した。

なんか爆発の威力半端ない。


俺は水の中とはおさらばし、五層へとむかう。



四層からの塔をでた俺。

五層の空気を肌で感じつつ、【隠密】で姿を消した俺はそこで夜を越す。



目を覚ました俺は自分の周りにいる12人のプレイヤーに気付く。

こちらの姿は気付かれていないようだ。

そのため、彼らの死角で【隠密】を解き、彼らに近寄る。


「お前らもうここまできたのか? さすがに早くないか?」

自分のことは棚に置き、俺は有馬ゼミの面々に声をかける。

彼らの階層突破の速さに驚いた俺はつい質問してしまっていたのだ。


「ひゃっほーい、オルヤンだぜ!」

「いや、あの、あのな? いや、えぇええええ、おま…………いや……わかるだろ?」

邂逅するなり、元気のよい長身男(オルヤン)と言いたいことがまとまってないため散々引きずったあげく全てを端折る変人マツカス


「マツカスはしゃべらない、いいね?」

「ま、ガクさんがいれば一秒っすよ」

右手を270度外転させた状態でマツカスを指さすセイギと、ここまで早く辿りつけた理由はガクがいることが原因だと、一般常識のように語るデンセツ。


そんな彼らをよそ目にクレハに近寄ってくるアイリ。

「クレハさん、元気でしたか? 会いたかったんですよ?」

と、上目遣いで頬を膨らませるアイリ。

どうやら、俺を探したいからダンジョンに行こう、と提言したのは彼女らしい。

「それで、こんな急いで来てくれたのか?」

可愛い女の子を前にして心臓が激しく脈打つ。


「はいっ!」

にこやかに笑うアイリ。

「いやぁ、アイリやシノがダンジョンに行くって言うからさ。何するのも女の子と一緒じゃなきゃ楽しくないじゃん?」

だからついてきたよ、というケンジャ。

「ふふっ、ケンジャなんだけどっ」

「えぇえええええ、流石にケ」

口に手を当て笑うトミショーと、右手を前にだし『待て』のようなポーズをしながらケンジャのことを『ケ』というマツカス。

ちなみに『ケ』とはケンジャの略で、特に『語り賢者』――なんか語る奴――のことを指している。


だが、そんなケンジャたちのやり取りも気にせず、さらに一歩俺に近寄ってくるアイリ。

「クレハさん、わたしと一緒じゃだめですか?」

少し涙目になっているアイリ。

いや、可愛い。

可愛いけども…………。


その様子をみて、叫ぶ奴が。

「よくないっ!」

アイリに好意を抱いているセイギだ。

彼はその右手を270度外転させた状態で俺を指さす――『セイギポーズ』をしながら叫ぶ。

そして……。

「よくないっ! よくないっよくないっ!」

と、叫びながら剣を取り出し、俺に向かって刺突してくる。

恋の嫉妬は恐ろしい。

気付かぬうちにこういうことをしてしまうものなのだろうか。


そして、セイギが刺した相手の姿は消えた。

だが、そこに光の粒子は存在していない。



その光景に息をのむ有馬ゼミの面々、そして【隠密】によって有馬ゼミの面々から姿を消したクレハ。

彼らのダンジョン探索はまだ始まったばかりだ。


なかなか更新ができそうになくなってきました。

これから徐々に更新できない日が多くなっていくと思います。

本当に申し訳ありません。


『今日のゼンアク』

状況:病院のロビーにいたら、幼女ら四人が駆け寄ってきたので折り紙を教えてあげた。

善:幼女たちはとても喜び、その後、なつくようになった。

悪:これって………………四股?

そして私は、四刀流病人犯罪ロリコンとなった。(byゼンアクさん)

(前回トラックを運転していて不幸にもゼンアクさんを病院送りにしてしまった運転手はパヤオさんであったとかそうでなかったとか)

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