最終決戦3
「ゲート1。ゲート4。ウィーズ、奴等を連れて来てください」
「はーい」
ギリアムの隣で無言で佇むラーグンを羨ましいと思ったウィーズであった。
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上の状況はどうなっているんだろうか?
ユユが上に向かってから大分時間が経っている。どうする?ユキを向かわせる…いや、万が一……。
「どーも……っ!?」
敷地内に入って来たウィーズに反応し攻撃を仕掛けた。回避した先をユキが追撃するもそれも避けられた。
「危っねぇ…」
「何の用だ?」
「二つあるんで。一つはラーグンからの伝言。“わしは中立を貫く。戦闘には参加せんが、どちらも治療するつもりだ”って。あと、もう一つは個人的なやつで。自分は愛国心とか全くそういうのないんですよねー。戦いとかも嫌いなんですけど、傍観してるぐらいが丁度良くて」
「…何が言いたいんだ?」
「ただ、世界規模の戦いを一番近いところで眺めたいなー。みたいな感じです」
「というわけで、よろしくでーす」
ウィーズが消えた。そう思った時、遥か上空にいた。
家から遠く離された!!能力が使えない!!
くそっ!なんとかしないと死ぬ!!
地上を見下ろすとそこは先程いた真上であることが分かった。そして、その下でギリアムともう一人がこちらに狙いを定めていた。
最初の光線が来る…。逃げ場は無い。
「キリアールさん!!ユキに通信を!!すぐに家を真上に投げるように!!キリアールさん!?」
駄目だ。落下による強風で声が拾えていない。
ユユは!?…分からない。近くにはいなさそうだ。また、ウィーズに運ばれてしまったのか!
くそっ!くそっ!!くっそぉぉ!!
「アズエル。射て」
謎の人物の背後に、巨大な片目と口が現れた。そして、前と同じように魔力を溜め一気に放った。
だが、それは大きく横に逸れた。
「感謝してよね。パパ」
どうやらユキが間に合ったようだった。
お姫様だっこで情けなく受け止められた。
「ユキさんん!!」
「あー煩い。ちょっと黙っててください」
「俺、俺ぇ!!死ぬかとおもいばじだよぉぉ!!」
泣きながらユキに抱きついた。いや、ほんと、マジで死ぬかと思いました……。
「とりあえず」
ユキはそのまま家ごと落ちた空洞に俺を抱えたまま歩き出した。
そして、その奥底へぶん投げた。
何を?
俺を。
「早く家を持って帰って来てください」
そういえばこんな風にユユにも投げられったけ……。
てか、
「勘弁してよぉぉぉ!!」
以外と俺、メンタル弱いんだから…。




