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最終決戦2

『…ユウトさんどうしたの？』

「あぁ。キリアールさんからは見えないのか。実は新手の人の能力で地下に落とされまして。引き続き監視お願いします」

ウィーズの足止めもリセットされてしまう。早く次の手を打たなければ。

まさかこうなるとは…。

「ユユ。頼んでもいい？」

「いつもみたいに任せろよ」

全てのイレギュラーに対応できるのはユユだけだ。任せるしかない。

「ユキさんは俺と同行。地上に出てから次の指示を出す」

…なんだろう。嫌な予感がする。

ーーーーー

地上に出るとガイゼンとラヴェールが近くにいた。

「この間の借りは返すぜ」

「恨みも何にも無いけど仕事だから」

二人とも刀。油断は出来ない。

「一閃」

ラヴェールの初撃。すれ違う際に強烈な居合い切りを放たれた。だが、余裕を持って回避できる。

「ガイゼン」

「うっせぇよ。朧灯(おぼろび)！」

左右からの連撃。速度、威力ともに高い！回避…いや、逃げねぇ！！

「メガラッシュッッ！！！」

刀身を横から殴るようにして斬撃を受け流した。更に、刀身自体にもダメージを与え折れやすいようにした。

「…ちっ」

「…！ラヴェールは！？」

しまった。少し感情的になってしまったためラヴェールを視界に留めきれなかった。

「ガイゼン。お疲れ」

ラヴェールは居合い切りの体勢に入り終えていた。初撃より静かに、より深く。

「…一閃」

速い！！

回避は間に合わない！剣の軌跡は見える。焦るな。落ち着いて受け止めればそれで終わりだ。

鋭く動く刀がこちらの射程内に入ると同時に体を捻り、力を込めた裏拳で攻撃を弾いた。

っ！！

攻撃は確かにと弾いた。だが、続くに二撃目を捉えることはできなかった。裏拳を放った右腕に深い傷を負ってしまった。

「二刀流って案外使えるんだ…」

「このっ！」

自分でも驚いているラヴェールに攻撃を仕掛けた。

「バカかてめぇ。こっちはプライド捨てて二対一で戦ってんだよ」

くそっ！戦いの主導権を握られてしまっている！なんとか切り抜けなければ…。

「霞断(かすみだち)！！」

渾身の力で振り下ろされた刀は肩にぶつかった。ぶつかる直前に反応し、深く切られることはなかったが骨が何本か折られた。

そこで。

キレた

今までは制御できる全力を出してきたが、

もう知らん。

一枚上着を脱ぎ、靴と靴下も脱いだ。

一歩でガイゼンとの間合いを詰めた。反撃しよう試みるが、刀を握っている手をこちらが先に掴んだ。

力でねじ伏せる。それしか考えていなかった。

ガイゼンの腕を掴み、遠心力でラヴェールをぶん殴った。それはまさに、バットでボールを打つように。ガイゼンとラヴェールの両方に大ダメージを与える最善の策。

ふぅ。危ない危ない。

本気でぶん殴ってたら胴に風穴を開けてしまうところだった。

多分両方重症だと思うけど、死なないで良かった。