無双。そして不穏
step3!国ごと地獄に叩き落とそう!
あいつは本当にノヴァイルの勇者なのか?やることに容赦が無い。何か個人的な恨みでもあるのか?
考えることはあっても、すべきことは成し遂げないと。
背中の魔物を解除し地上に着いた。
サラヴィス同様、ユウトはこの国のにも地下の空洞を張り巡らせていた。
そこで
地面を殴る様子を相手に見せつけ
一気に士気を下げる!
さらに、これにより大砲などの固定砲台に損害を与えることができる。
step4!敵将を全員ぶちのめそう!
ノヴァイルは隊長が四人いる。全員が軍師として活躍でき、それぞれが得意とする武器がある。
刀、槍、銃、鎚。早めに倒すとするなら銃だ。後は近接戦闘でどうにでもなる。
「てめぇ!何して…」
邪魔!
すぐにやって来た刀を持った奴を殴り倒した。
ユウトに「リカールは男と思われてるから喋らないように」と言われている。本当は「オラァ!!」と叫びそうなので手短に済ませよう。
囲まれたりしたら面倒だし
スプリングヴォールトッ!!!
宙を蹴り不規則に跳ね回った。銃で狙い撃ちされないのうえに、敵の位置がよく分かる。
以外と簡単にこの戦いは終わりそうだ。
槍をへし折って顎に一撃。鎚を使う奴はカウンターで腹に回し蹴り。銃を使う奴には投石。
そんなこんなで全ての隊長をダウンさせた。
前言撤回。戦いにすらなっていない。
ユウトもこんな気持ちだったのだろうか?
体を動かすのは好きだが、血みどろの争いは好まない。そうならなかっただけでも良しとするか。
step5!王の間へ乗り込んで王を威圧しよう!そしたら完全勝利だ!
…どこの暴力団だ、とツッコんだ。
「はぁ…」
さっさと終わらせて帰ろう。
適当に歩き出したその時、
「派手にやってくれましたねー」
聞き覚えのある声。その声の方向に一歩踏み出し、拳を振るった。
「ひゃー。危ない、危ない」
速っ!?一瞬で背後を取られた。
振り返りながら裏拳を放つがまたしても空振り。
「いやー。ホントは別にどーでもよかったんだけど、ここまでされるとこっちの立場がねー」
思い出した。この声の主は、ユウトの知り合い。ライン商会のウィーズだ。なんでこんな所に?
step0!不測の事態が起こった時、すぐにキリアールさんへ合図を送る!
片手で握り拳を包み、ボキボキと骨を鳴らした。
「痛い、怖い、寒いのは嫌なんで」
一瞬。全く分からなかった。先程までいたノヴァイルの景色とは異なるものが目に飛び込んできた。いや、正しくは私とウィーズの回りの景色が一瞬で変わった。
「のんびりゆったりお喋りしましょーよ?」




