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無職は正義  作者: 半半人
捨て身の無職×→噂の無職○
39/69

家は変わらない

「偽骸骨完成」

「それに魔力は通っても良いのか?」

「体内には少なからず魔力があるから大丈夫。人骨程度なら多少の魔力があっても不思議じゃないから」

「……うぅん、よく分かんない」


よし。次の段階に行く前に、


「じゃ、帰ろう」

「家ここにあるじゃん」


担いで来たの忘れてた。


「あの場所に戻ろう、が正解だったね。やることは終わったし、しばらく時間を空けないと」

「分かんなさ過ぎる」

「じゃ、ヒントあげようか?」

「おう」

「ユユは神話とか信じる?」

「あんまり」

「この世界にもそういったものがあってね。それがヒントだよ」

「ますます分かんねぇよ!!」


お馴染みの鉄拳が頬にぶつかった。


「今日の夕飯は……」

「うどん」

「麺類はこの間も食べたのに」

「うどんが良いの!」

「了解、了解」



家を担ぎ、いつもの場所に歩いて帰った。


一度自動車もどきに乗ろうとしたが、ユユが以外とそういうのに弱いらしく却下された。元の世界では自転車によく乗ってたとか。


ーーーーーーーーーー



皆さんはうどんについてどれ程の知識があるだろうか?


漢字で饂飩(うどん)。原材料は小麦粉と水と塩を少し。捏ねて、捏ねて捏ねまくる。


簡単だが、麺に何かを練り込んだり、スープ等に工夫するだけで何通りもの味わいが楽しめる。


そういえば、父さんや弟と一緒に作ったなぁ…。懐かしいなぁ…。


初めての時は麺がボロボロで不味かったのに、父さんは苦笑いして「美味い」って言ってたのが印象的だった。

弟は確か…めんつゆだけ啜ってたっけ?



シンプルイズベスト。簡単かつ奥が深い。


この世界にも近い麺料理があるから、それをアレンジして作ってみよう。



まず、水と小麦粉を……。



「ほら。やってやるから、美味いつけ汁でも作ってろ」

「お、おぉ。ありがとう…」



ユユがご飯支度を手伝うなんて初めてだ。


驚きを隠せないが、微笑ましい良い傾向だ。ユユの中の変化が表れてきたということだろう。この居場所を変わらないように支えてあげないと。


「ユユ…」

「ん?」

「…つけ汁、って女の子らしくない」

「うっせ!」



うどん、って思い出を作る食べ物なのかな?ユユにとっても何か思い出があるのかな?


なら、



今日のことも思い出になるといいなぁ




慣れない作業に悪戦苦闘しているユユであったが、とても楽しそうにも見えた。




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