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無職は正義  作者: 半半人
捨て身の無職×→噂の無職○
38/69

家の近くで○○作り

さてさて、第三の国を作ろう。ということになったが、現段階では限りなく不可能に近い。


そこで、()()()()()に賭けることにした。



俺は土の魔法を使い見映えの良い家を建てた。


「ユユ。この建物を程よく壊し……」

「あいよ」


速攻で建てた家が地面ごと抉り消えた。

程よい、って意味が通じてないな。


「…もうちょい加減して」

「なら、服をくれ」

「………ぁぃ」

「その間はなんだよ?」


もう少し女性として魅力的なユユを見ていたかったが仕方ない。

上着を家から出し、ユユに渡した。


「じゃあ、もう一回」


今度は家の原型を残しつつ、酷い有り様に仕上がった。上出来、上出来。


「これ。何になるんだ?てか、お前がぶっ壊した方が良いんじゃね?」

「そうしたいけど、魔法の痕跡が残るんだよ」


ユユは物理特化であるが、魔力がほとんどない。それに対し、俺の全てには強力な魔力が通っている。そのためユユの破壊と俺の破壊では、同じに見えて少し違う。今回はその少しが鍵となるのだ。


「よく分かんないけど、お前のことだし何かあるんだろ?」

「そういうこと」

「理由は聞かずにいてやるよ。で、次は何をすればいい?」

「また家を建てるからそれを投石とかで壊して」

「はいはい」



そこからの作業は順調に進み、一つの目安として一度休憩した。


ユユに休憩してもらってる間に俺は……。



「……笑みがゲスい…」

「そう見えるかもしれないけど、やってみると楽しいよ。ほら、細かい作業とか好きだし」

「…見てて不気味だ」


そう思われるかもしれないが、実際は楽しいし、これからのことを考えるとワクワクする。



この作戦はとても上手くいく気がするだよなぁ。


手で白い粘土のような物を捏ね、周囲を見渡した。

薄暗く湿気の多い木々の中に佇む、破壊された建物、ヒビや奇怪な凹みが目立つ地面、大穴の空いた山。


百人が百人、不気味に思うだろう。


想像してみてほしい。そんな残骸の中で笑いながら粘土を捏ねる男。


自分で想像してみても不気味だ。


「その白いの何なんだ?この辺に、そんなもん無かったし」

「これは、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムだよ」

「??」

「この形を上手く調整して…」


魔法の力で自由自在に形状を変え、丸みを帯びた棒状にした。


「これに少しの炭素と酸素の有機物を混ぜると……何になると思う?」

「分かんない」

「ははっ。潔いのか、諦めが早いんだか」



勘の良い人は分かるかもしれない。


リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、有機物は。




人骨の成分である。


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