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無職は正義  作者: 半半人
稼げる無職×→捨て身の無職○
28/69

家外戦争(サラヴィス視点3)

「迎撃完了。呆気なかったな」


結界の匣の原因と思われる相手を打ち落とし、気が晴れたシュフトが笑みを浮かべた。


「しかし、ラヴェールの多重強化魔法と多重弱化魔法があれほど有効とは」

「あんたらの頭がガチガチなだけ。まっ、一人で時間を稼いだのは誉めてあげるけどねん」

「ふむ。一度、城に戻るとするか」


シュフトがハンクに強化魔法を掛け続け、魔法使いが弱化魔法をゴーレムに浴びせ続け、強力な一撃を叩き込みなんとか勝利した。


「団長二人でも苦戦するとは……」

「先の敵は一体?」

「上空の物は?」


など、様々な質問が部下の口から出た。


「敵襲だ。パニックを避けたいため詳しくはまだ説明できない。だが、お前達ならどんか事態でも対応できると信じている」


ハンクが部下の指揮を上げつつ、上手く言及を逃れた。


「ラヴェール。今期に至るまでのゴーレムの襲撃数は?」

「計四回。ノヴァイルでは二回だったかな?」

「やはり。すでにリカールの布石は打ってあったわけだ」

「な!まさか、この時のために!?」

「としか考えられん。ゴーレムの他にもまだ仕掛けているかもしれん」

「正直、後手後手で腹立ってんだよねぇ」


ラヴェールが眉間に皺を寄せ、関係の無いシュフトを睨んだ。



「サラヴィス王。ただいま戻……」

「あ、お、お主ら……!」


サラヴィス王はもう一つの水晶を起動させていた。


水晶からは驚くべき光景が映し出されていた。


団長ですら苦戦したゴーレムの大群を一人で、刀一本で、切り伏せている。危なげなく、凄まじい速度で。



シュフトは驚愕し開いた口が塞がらず、ハンクは無言でその動画を見続け、ラヴェールは冷静を保つためか見下す様に。

サラヴィス王に限っては恐怖で取り乱していた。


空凪(からなぎ)


おそらく技だろう。そう言うと、暫しの静寂の後ゴーレムが全て崩れていった。


動画はそこで終わった。


大きすぎる精神的衝撃に誰も何も言えないでいた。



「はいは~い。意気消沈はそこまでぇ。サラヴィス様、あなたはこの国で一番のお方。狼狽えた様子を国民に知られたら不安が一気に広がります。騎士団長はそのでかい体と剣技で敵を斬り倒すだけ。魔団長はその魔法で敵を消し飛ばすだけ。私は、敵の突き付けた凶器が本物か玩具か暴くだけ。そこ分かってんのぉ?」


ラヴェールなりに気を使った発言のようだが、その意味が伝わるまで時間が掛かった。



その場の全員が決意固め時、兵士が慌てて広間に駆け込んできた。



「じょ、城壁外と集落の中間地点に……鎧を着たゴーレムの大群が…」


再び空気が凍り付き、全員の顔が険しくなる。


「それは本当か?」

「はい。魔法使いや狙撃兵の遠視を行い、確認したところ間違いはありません」


一体で苦戦したゴーレムが城壁外に多数…。


気球を打ち落としたことを差し引いても、圧倒的不利な現状を突き付けてくる。

リカールの実力を各々が再認識した。


「何故集落の奴等からの連絡が無い?」

「すでに、リカールの手によって…」

「なんにせよ、集落の者共の動きは封じられているわけだ…」




これだけの実力を持っているのに、なぜユークリッド一人を狙う?


ラヴェールがそう思ってからの行動は早かった。




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