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無職は正義  作者: 半半人
勇者×→無職○
1/69

家が一番

初投稿です

えっと、買い物はこれで全部かな?


しかし、二年前まで戦争やってた国とは思えないほど復興したなぁ…。


俺が知っているのは、


この国「ノヴァイル」と敵対していた国「サラヴィス」との争いぐらいだ。ありとあらゆる手法で壊滅させてきたが、一つだけ落とせない国があり、それがサラヴィスだった。


そこでノヴァイルは必然的に“勇者召喚”を行った。


サラヴィスも勇者召喚を行っていたらしいが詳しくは知らない。


勇者召喚が行われ、勇者同士の戦争が起き、領土の奪い合いになるはずだったが、何も起こることはなく二年が過ぎた。


その前での戦争の傷跡が今に至る。ということぐらいだ。



正直、言ってどうでもいい。


今の俺に必要なのは、適度な食事と、適度な睡眠。そして、適度な娯楽だ。


今回の買い物で手に入れた「疑似異世界体験ゲーム」を家でやらなければ!!


魔法を込めた機械に手を触れると、仮想空間に飛ばされそこで色々なプレイヤーとストーリーやクエストをクリアすることを目的としたゲームが俺を待っている!!


家に帰ると可愛い、それは可愛い女の子が……。


「お・か・え・り」

「…ただいま」


そう、可愛いには違い無いが目付きが怖くて…。


「早く、風呂と飯と寝床の準備をしろ」

「はーい」


人使いが荒くて、言葉使いもよろしくなくて…。


「ユユのためなら頑張っちゃうぜ」

「うるせぇ!!」


とっても照れ屋な俺の彼女の正拳突きが腹部に炸裂する。


「これは?」

「そ、それは!俺のゲーム!!?」


食材の下にしたり、雑誌の下にしたりして隠していたのに!?


「げ・え・む?」

「ま、待ってくれ…頼む、それだけは…」


彼女は可愛くない笑みを浮かべ、魔力の込められた機械を片手でぽんぽんと弄ぶ。


「聞こえないなぁ」

「どうか、ユユ様それだけは勘弁してくださいぃ…」

「き・こ・え・な・い」

「あ!ああぁあぁぁぁぁ…」


今日買ってきたゲームは粉と化した。


「お、おま、お前、なぁ…」

「お?やるか?こいよ、やってやんぞ」


好戦的な笑みを浮かべる彼女に怒りを露にした。


「…お前なぁ、この家の主に勝てると思うなよ!!」

「はっ!ザコめ!」

「今日は飯抜き、風呂なし、寝床なしだぁ!!」

「ああぁあぁぁぁぁ!それはイヤぁ!!」

「はっはっはっ。お前が壊したゲームの苦しみを味わうが良い!」

「ユウト様ぁ、どうかご慈悲を~」

「はっはっはっ」


世界なんてどうでもいい。

彼女がいればそれだけで十分なのだから。




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