家が一番
初投稿です
えっと、買い物はこれで全部かな?
しかし、二年前まで戦争やってた国とは思えないほど復興したなぁ…。
俺が知っているのは、
この国「ノヴァイル」と敵対していた国「サラヴィス」との争いぐらいだ。ありとあらゆる手法で壊滅させてきたが、一つだけ落とせない国があり、それがサラヴィスだった。
そこでノヴァイルは必然的に“勇者召喚”を行った。
サラヴィスも勇者召喚を行っていたらしいが詳しくは知らない。
勇者召喚が行われ、勇者同士の戦争が起き、領土の奪い合いになるはずだったが、何も起こることはなく二年が過ぎた。
その前での戦争の傷跡が今に至る。ということぐらいだ。
正直、言ってどうでもいい。
今の俺に必要なのは、適度な食事と、適度な睡眠。そして、適度な娯楽だ。
今回の買い物で手に入れた「疑似異世界体験ゲーム」を家でやらなければ!!
魔法を込めた機械に手を触れると、仮想空間に飛ばされそこで色々なプレイヤーとストーリーやクエストをクリアすることを目的としたゲームが俺を待っている!!
家に帰ると可愛い、それは可愛い女の子が……。
「お・か・え・り」
「…ただいま」
そう、可愛いには違い無いが目付きが怖くて…。
「早く、風呂と飯と寝床の準備をしろ」
「はーい」
人使いが荒くて、言葉使いもよろしくなくて…。
「ユユのためなら頑張っちゃうぜ」
「うるせぇ!!」
とっても照れ屋な俺の彼女の正拳突きが腹部に炸裂する。
「これは?」
「そ、それは!俺のゲーム!!?」
食材の下にしたり、雑誌の下にしたりして隠していたのに!?
「げ・え・む?」
「ま、待ってくれ…頼む、それだけは…」
彼女は可愛くない笑みを浮かべ、魔力の込められた機械を片手でぽんぽんと弄ぶ。
「聞こえないなぁ」
「どうか、ユユ様それだけは勘弁してくださいぃ…」
「き・こ・え・な・い」
「あ!ああぁあぁぁぁぁ…」
今日買ってきたゲームは粉と化した。
「お、おま、お前、なぁ…」
「お?やるか?こいよ、やってやんぞ」
好戦的な笑みを浮かべる彼女に怒りを露にした。
「…お前なぁ、この家の主に勝てると思うなよ!!」
「はっ!ザコめ!」
「今日は飯抜き、風呂なし、寝床なしだぁ!!」
「ああぁあぁぁぁぁ!それはイヤぁ!!」
「はっはっはっ。お前が壊したゲームの苦しみを味わうが良い!」
「ユウト様ぁ、どうかご慈悲を~」
「はっはっはっ」
世界なんてどうでもいい。
彼女がいればそれだけで十分なのだから。




