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アキ  作者: まぐろゆっけ
1/1

第一話

僕はアキを愛している。



僕がアキと出会ったのは去年の春、僕とアキが高校に入学したとき。

僕とアキは同じクラスだった。席が隣だったので僕らはすぐに打ち解けた。

そこに中学から親友の修介を含めた3人で僕らはよく共に行動するようになった。

昼は屋上で弁当を食べたり、授業中には絵しりとりをした。放課後にはたくさん寄り道をした。

僕がアキに恋をするのにそう時間はかからなかった。


『悟』


それから、


『さーとーるー』


…珍しく思い出しにくい。いつもならすぐ浮かぶはずなんだけど。


『悟。かえらないのかー』

『え…』


はっ、と周りを見ると教室にはあと数人しか残っていなかった。

隣には修介が鞄を肩に担いで立って僕を見ている。

…また考えすぎてたみたいだ。


『また考え事か?いくらHR暇だからって集中しすぎだぞ』

『ごめん。待っててくれたの?』

『いや、俺今週日誌係だからさっき出してきた。んで戻っていたらお前まだいるからさ』

『あー…ごめん』


授業中やHRの時間とか、退屈な時間はついアキのことを考えてしまう。

アキの表情やしぐさ、声、今までアキとした会話。そんなことを思い返す。

もう、ひとつの趣味、いや生活の一部みたいになっている。


『ちょっと待って。すぐに準備する』

『あー、わるい。今日はちょっと…』

『え?』

『今日は…なんか、二人で会いたいっていわれちって…』


…そうだった。修介には最近恋人ができたと聞いていた。

他のクラスの、確か…春香さんとかいったっけ。


『あー、うん。わかった。んじゃ今日は別で』

『…怒ってるか』

『いやいや、何でだよ』

『…わるい。別に仲間はずれにしたいわけじゃないんだけど…』

『いやホント気にしないでよ』


半年前、恋人ができたとき修介は本当にうれしそうだった。

僕もアキを愛している。そのうれしさは何となくわかる気がする。

だから修介が春香さんに会いにいくことに僕は文句はなかった。


『仲間はずれだなんて思ってないから。行ってきなよ』

『…そっか。ありがとう。今度は一緒にどっかいこうぜ。また3人で』


修介はじゃあな、と言い残して廊下へ走っていった。

3人で、か。最近僕とアキと修介がそろうことはあまりない。

アキが一人別のクラスになってしまったこともあるけど…

何となく、アキが僕を避けているように感じる。

廊下ですれ違ってもどうしても話しにくい気がした。


『気のせい…かもしれないけど』


もう教室には僕以外誰もいなくなっていた。

僕も帰ろう。荷物を鞄に詰め込み廊下へ出る。

階段脇にある男子トイレの中に修介の姿が見えた。

鏡で髪型を整えているようだ。初デートかっての。

僕は修介を横目に階段を下っていった。


帰り道も退屈だ。家に帰ってからもだけど。

いつもどおりアキのことを考えていよう。

さっきはどこまで思い返していたっけ。

僕がアキを好きになって、でも僕はそれをアキに言い出せなくて…。

それから2年生になって、クラスが別になって…。


考えながら歩いていたら、もう校門近くまできていた。

アキのことを考えていると周りが見えなくなる。

これは自分でも危ないかもしれないと思っている。

そのうち事故にでもあいそうだ。気をつけよう。


『…あ』


校門に誰か立っている。女子生徒だ。

2、3歩近づいてみるとすぐにわかった。わからないはずがない。いつも僕の頭の中にいる。

息が荒くなる。うれしい。うれしいうれしい!

間違いない。見かけるのは少し久しぶりだったから僕の心臓は大きくドクンと鳴った。



アキだ。




2話完結予定。

オチは決めていますが、書く気になるかは微妙。

文才なさすぎワロロン。

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