表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっち初心者の双剣士、気づけば精霊に懐かれて世界を無双する……つもりはない。  作者: あめとおと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/22

第二十話:輝ける庭師と、世界の夜明け



「母さん」に似た管理者の女性が微笑んだのも束の間。


庭の空が真っ赤に染まり、巨大な『削除(DELETE)』の文字が、


隕石のように降り注いできました。


「警告。未認可領域の完全消去を開始。全データを初期化します」


空を埋め尽くすのは、運営が送り込んだ最終兵器、巨大な浮遊要塞。


そこから放たれる「消去の光」を前に、カイトは絶望して膝をつきました。


「ハル……もうダメだ、これは物理攻撃じゃない。世界の『消しゴム』だ……!」


「いいえ、カイトさん。消しゴムなら、僕がもっと綺麗に消してあげます」


ハルは一歩前に出ました。ナハトがハルの影を巨大な翼に変え、


シャリが黄金の歯車を回転させてバリアを張ります。


「日和、常夜! 世界の『ノイズ』を全部、僕らに預けて!」


ハルが双剣を天に掲げると、庭にいたクラーケンや、


今まで浄化してきた数万の「バグ」たちが光の粒となって剣に集まりました。


真っ白な光を纏ったハルが空へ舞い上がり、


要塞から放たれた消去ビームを……なんと双剣で「受け流し、磨き」ました。


「これ、すごく良い『光』ですね。もっと輝かせて、運営さんに返してあげます!」


磨き抜かれた光が100倍の純度となって要塞へ逆流。


削除プログラムが「あまりの綺麗さ」にエラーを起こし、


空一面が美しい花火となって弾けました。


静寂が戻った庭で、管理者の女性がハルを抱きしめました。


「お見事。……ハル、これを現実のあなたに届けて。


あなたの本当のお父様が、ずっとこのシステムに隠していたものよ」


彼女の手から、ハルのデバイスへと一つのデータが転送されました。


それは、現実世界で病気がちだったハルの体と、


このVR世界の感覚を完全に同期させ、


「現実の五感をも研ぎ澄ませる」という父の研究成果でした。


「これを持ち帰れば、あなたはこの世界だけじゃなく、


現実の世界も『鮮やかに』生きていける。


……それが、私たち親子の最後の仕事よ」


感動の再会と、衝撃の真実。


普通ならここでスタッフロール……ですが、ハルはやっぱりハルでした。


「……うん、わかりました。でもお母さん。


その前に、ずっとお掃除してたから喉が渇きました。


お茶、飲みましょう!」


ハルはリュックから、


ババの店で見つけた「伝説の古茶葉」と、


ゴミ箱で拾った「奇跡の湧きのデータ」を取り出しました。


『主! 茶葉の角を少し削ると、もっと香りが立つよ!』と『日和』がアドバイスし、


ハルは真剣な顔で「茶葉の一枚一枚を研ぎ」始めました。


「……はぁ、やっぱりこうなるのかい」


カイトが腰を抜かし、

管理者の女性も「ふふっ」と声を上げて笑います。


ナハトがナベを、シャリがティーカップを用意し、


要塞が落ちたばかりの庭に、香ばしいお茶の香りが漂い始めました。





【エンディング:その後】


• ハルの日常: 現実世界でも驚異的な集中力を発揮し、若き「研ぎ師」として有名に。


• ゲームの行方: 「忘却の庭」はハルのマイルーム(?)となり、たまに運営が「バグの相談」にやってくる。


• 相棒たち: ナハトとシャリ、そしてお喋りな双剣と共に、今日もハルは「世界の磨き残し」を探してお散歩を続けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ