第十七話:鏡池の星空と、焼きマシュマロの誓い
ようやく辿り着いた『鏡池』。
その水面は、名前の通り周囲の景色を完璧に映し出していました。
しかし、ハルがオイルで磨き上げた『日和』と『常夜』を抜いた瞬間、異変が起こります。
「わあ……日和、見て。水の中が空みたいだ」
ハルが双剣を池にかざすと、水面がキラキラと脈動し、
夜空よりも深い「星の海」を映し出し始めました。
ババがくれたオイルの輝きが、
池に隠された「世界の解像度」を引き上げてしまったのです。
『主、この下……とっても深いよ。
でも、冷たくない。懐かしい匂いがする』
『常夜』が静かに囁きます。
そこには、今のゲームマップには存在しない、異次元へと続く道が広がっていました。
「よし、それじゃあ潜ってみようか。シャリ、お願いできるかな?」
「シャリ……シャリィィ(ぷいっ)」
ハルが声をかけると、シャリはパンパンに膨らんだお腹をさすりながら、池に背を向けて座り込んでしまいました。
さっきのゴーレム(マシュマロ)を食べすぎたせいで、完全に動きたくないモードです。
「あはは、そうだよね。食べすぎちゃったもんね。
ナハト、シャリを影に入れてあげて。……え? ナハトも眠いの? 困ったなあ」
相棒たちが揃って「食休み」を要求する中、
ハルは困ったように笑いながら、焚き火の準備を始めました。
「結局、こうなるんだね……」
追いかけてきたカイトが、呆れながらもハルの隣に座ります。
ハルはさっそく、ゴーレムの欠片(上質なマシュマロ)を枝に刺して火にかけました。
「カイトさん、これ見てください。
ババさんに見せてもらった地図と、シャリが持ってた鍵です」
トロトロに溶け出したマシュマロを頬張りながら、
ハルは虹色の鍵を焚き火にかざしました。
すると、鍵の光が池の底へと伸び、水中に沈んでいた「扉」の輪郭をくっきりと照らし出します。
「……ハル、君がやろうとしてるのは、この世界の『根源』に触れることだ。
運営が隠したかった、ゴミ箱のさらに奥底……『忘却の庭』への扉だよ」
カイトの真剣な眼差しに、ハルはこんがり焼けたマシュマロを一つ手渡しました。
「難しそうなことはよくわからないけど、
ナハトの故郷が汚れてるなら、僕が磨いてあげたいんです。
……カイトさんも、一緒に来てくれますか?」
「……マシュマロの恩があるからね。最後まで付き合うよ」
【今回得たもの】
• 冒険の決意: 焚き火を囲んで、ゆるやかに団結。
• マシュマロ・バフ: 一時的に全耐性が上昇(お腹が幸せなため)。
• 覚醒した『常夜』: 水中での「呼吸補助」の術を習得。




