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外気浴

作者: 水ノ ちひろ
掲載日:2025/12/12

 整うというのはどういうことなのか。本当に理解している人はいるのだろうか。わたしは勿論わからない。わからない、が、とりあえず友人の誘いにのり、こうして整うをやってみているのである。外気浴用に横一列にイスが並んで、友人はわたしの隣で目を瞑っている。眠りに落ちている人もいるようであるが、ここで寝るのは健康上問題ないのだろうか。体を拭かずにいると風邪をひくと言うが、いまだけ特別に大丈夫なのだろうか。

 じろじろと見ていても、どうせ皆瞑想中なので気づかれない。体がドライアイスになって気化していくようなこの感覚が整うなのだろうか、などと考えていると高校生くらいの少年がやってきた。イスの空きをちらりと確認して去り、またバケツに湯を貯めて戻ってきた。その湯でイスを洗い流す。洗い流さない人もいるが、若年層あたりの人は比較的洗い流している気がする。徐々にどうでもよくなっていくのだろうか。少年が空になったバケツを返しに行くと、その間に、同じくらいの年頃の別の少年がやってきた。この若者は、流さない派だったようだ。流れるように先ほど洗い流されたイスに座った。あ、そこは……。しかし、赤の他人のわたしが「そこは別の人が」というのもおかしいので、黙って見ている。すると当然、バケツを置きに行った少年がすぐ戻ってきた。先ほど洗い流し、今は別の人に取られたイスを見て、多少の驚きとともに足が止まる。さて、どうするのだろうか。少年は、不服そうな顔で天を仰いで、苛立ちを体内に抑えて去っていった。整えなかったようだ。

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