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閑話 猫と少女

 子猫を大事そうに抱える小学校高学年くらいの少女が、猫目の青年に向かってぴょんぴょんと飛び跳ねながら嬉しそうに話している。


「あのね、にいに!今にいになんかよりもずっと背の高いお兄ちゃんがベヒモスを助けてくれたんだよ!」

「そうか、よかったね。どんな人だった?」

「んーとね。背が高くて、やさしそうな顔で……。あ、白い髪の綺麗なお姉さんと一緒にいたよ!」

「白い髪……。」


 ああ、と青年は納得したように頷きウインクして答えた。


「そうか。彼はヒーローだからね。」

「ヒーロー!」


 少女は一瞬口を丸くさせるが、すぐに顔をパァと光らせると子猫を強く抱きしめ、やっぱりそうだったんだ!と言いながら飛び跳ねる。

 腕の中でその拘束から逃げ出そうと毛玉がもぞもぞとするが少女は気にも留めず力を強くするだけであった。

 子猫は終ぞ諦め、うっとうしそうにゴロゴロとなくしかなかった。


 青年はその様子を見ると苦笑しながらつぶやく。


「でも、『なんか』は余計だよ。」


 青年はため息を漏らしながら窓を見やる。


「相変わらずだね。君は。」


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