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第47話 モブ、命を惜しむ

俺は早速机の上から手錠を取り、リサに近づいていく。

リサは涙目のまま首を小さく横に振りながらジリジリと後退していく。

そしてやがて壁に背中が付いてしまい下がれなくなってしまう。


「え、エドワードさん……わ、私達は仲間ですよね……?ほ、ほら……いつも助け合ってきたじゃないですか……」


「残念ながら記憶に無い。そして、俺は自分の命が惜しい。ということで俺のために犠牲になってくれ」


「そ、そんな……!?」


普通に逆らったら俺が飼い猫に殺されかねない。

殺られる前に縛りプレイ()るしかないのだ。

それがこの世の摂理にして常識……弱肉強食とはそういうものなんだッ!

だから俺のために犠牲になってくれッ!


俺は手錠をリサの手にかけにいく。

しかしリサは間一髪のところで手を遠ざけ拘束を免れた。


(避けた……!?リサってこんなに動けるのか……!?いや、火事場の馬鹿力ってやつか……)


今は命がかかった場面ではない。

だが女として……人間としての尊厳が懸かっている。

そのプレッシャーが本来常人であるはずのリサを超人たらしめるのだろう。

だが──


(俺は尊厳どころか命が懸かってるんだ……!負けるわけにはいかねぇ!)


十秒ほどの激闘の末、ついにリサの左手に手錠がかかる。

手錠をかけられたことで揺らいだリサの隙を俺は見逃さない。

すかさず右手首を捕らえ、すぐさま人生最速で手錠につないでしまった。

まあ人に手錠をかけること自体初だったが。


「あ……!?そ、そんな……」


「ふっふっふ……これでも逃げられないぞ……」


リサは腰が抜けたのかぺたんとその場に座り込む。

手錠の鍵はシャーロットが自分のポケットにしまってしまったため俺でも解錠することはできない。


「はぁ……終わったぞ。後は好きにするといい」


「駄目に決まってるでしょ。まだ縄も全然使ってないしそれに、私も一緒に罰を受けるって言ったでしょ」


「はい。すみません」


俺はすかさずもう一つ買ってきていた手錠を持ってシャーロットに近づく。

するとシャーロットはリサとは対照的にノリノリで両手を差し出してきた。

これが真の変態の真髄を見た者か。

やはり常人とは面構えが違う。


シャーロットに手錠をかけ終えると今度は縄を持って座り込んでしまったリサの元へ。

リサは俺が持っている縄を見ると青ざめた。


「い、いや……それだけは……お願い……」


「すまん。俺はもう引き下がれないところまで来てしまったんだッ!」


俺は縄でリサを縛り始める。

リサは抵抗しようとしていたが既に両手が手錠によって拘束されているので大した抵抗はできない。


とは言え俺も人の縛り方なんてわかるはずがない。

むしろ縛り方がわかるほうが稀有な人材だろう。

俺はおぼつかない手つきながらも時間をかけリサを縛り上げた。

ちなみにシャーロットにバレない程度には苦しくないように弱めに縛ってある。


「うぅ……最低です……」


「……っ!」


だが俺にも一つ誤算があった。

それは今までは特に意識していなかったたわわに実った2つの果実。

それが縄で縛られたことによりその部分を強調するかの如く、縄が食い込んでいたのだ。


(な、なんかエロすぎないかこれ……?)


露出度が高い服を来ていることもあってか正気の沙汰じゃない。

もう完全にリサも傍から見れば立派な変態の仲間入りだ。


「ふふ……リサ、可愛いわ……」


「……マクスウェル様もやるんですか?」


「何を今更そんなことを聞くの?リサにやったことは私にもやりなさい」


「……さいで」


聞いた俺が馬鹿だった。

俺はもう言葉を失って縄を手に持つ。

リサと違って抵抗が無かったり2回目だったからこそリサよりもスムーズに縛ることができた。


だがシャーロットの2つのメロンはリサのそれよりも更に大きくなんかもう完全に絵面がアウト。

大事な部分は何も出てないはずなのに多分これは自主規制しなくちゃいけないレベル。


(本当はこれですぐにでも二人の拘束を解いて終了!ってしたいんだけどなぁ……)


シャーロットから『まさかこれで終わりじゃないよな?』と言わんばかりの視線が飛んでくる。

まだこの程度では許してもらえないらしい。

今日一日どころかこの1時間くらいで俺は人間が決して越えてはいけないラインを何度も越えた気がするのだが気のせいだろうか。

俺はまだ許してもらえないらしい。


(体に俺が触るのはアウトだし……こういうのにしてみるか……)


俺はハチマキより少し太い布のようなものをバッグから取り出す。

一応縛っただけではシャーロットが許してくれないんじゃないかと保険をかけて買ってきたもの。

まさか本当に使うハメになるとは……


俺は布を一本だけ持ってリサのところにしゃがみ込む。

そして目が隠れるように巻いた。


「うぅ……何にも見えない……怖いよぉ……」


普段敬語を使っているリサがこんな言葉遣いをするなんてと少し驚いてしまう。

だがこれもシャーロットのため、ひいてはお前のためなんだ。

シャーロットにも目隠しをするし極力俺も忘れるようにするから少しだけ我慢してくれ……!


リサと同じようにシャーロットにも目隠しをするとシャーロットは嬉しそうに笑った。

本当にコイツはもう堕ちるところまで堕ちきってしまっているようだ。


「リサ……聞こえる?」


「シャーロットお嬢様ぁ……」


「ふふっ、ここからが本番よ。一緒に楽しみましょうね」


「こ、こんなの楽しめないです……!拘束されて男が同じ部屋にいるなんて……ケダモノになるに決まってるんです……」


ケダモノになったら死ぬぞ?俺が。

というか流石にこの状況じゃ興奮できない。

多分見てる側だったら多少なりともクるものがあったんだろうが今の俺は命がかかっており、楽しむ余裕なんて無い。

どうやってシャーロットを満足させようかで頭がいっぱいだ。


「ふふ……リサは好きにしていいのよ?主人である私が許可を出すわ」


「し、シャーロットお嬢様……!?」


この主人普通に自分の従者を売りやがった。

これで俺が考えなしのバカ男だったらどうするんだよ。

リサはアンタにとって大切な人だろうが……


「マクスウェル様。そろそ──!?」


俺がリサの拘束を解こうとしたその瞬間、凄まじい揺れが轟音とともに襲いかかってくる。

どう考えても地震の類ではない。

しかもその轟音は外から聞こえてきた。


(何が起こっている……!?すぐに確認にいかなくては……!)


俺はすぐさま状況確認のために部屋についているベランダに出る。

すると黒煙が立っており、その近くには凄まじいほどの魔力の塊が感じられた。


(これは……本当に一体何が起こってる……!?)


俺はその場でやり過ごすことも考えたが意を決して黒煙の元へと向かうのだった。

拘束したままのシャーロットとリサを放置して──

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