秘めたる思い
それはね!!!!
実はね!
実は!―――――
私は綾ちゃんとまだ一度も喋っていないんだ!
だって入学してから2週間も経っていないし、その上、綾ちゃんは今週は学校を休んでいてまだ4日くらいしか登校していないから接点という接点もなかったしね!ここにいるのはみんな小学校で頭のいい人たちだったから綾ちゃんが今まで出会った人たちとは違う感じがするのも当然だよね!
あとね!
綾は初めてマスクをしていたんだ!だから違和感を感じていたんだね!
「綾ちゃん、今日はよろしくね!」
ということで私はこれからの作戦の実践のために綾ちゃんに挨拶をした。それに反応して景色を眺めていた綾ちゃんは顔をこちらに向けて大人らしい笑顔を崩さずに再び一礼をしたのであった。
それと同時に鈴木綾の結われていない髪がゆらゆらと揺れた
それを見て有麻は気づく。
ああ、そっか!もう一つあったね!違和感を感じがした理由。
だって綾ちゃんは確か入学してからずっと―――――
ポニーテールだったからね!
有麻がそのことに気づくと同時に、関出第一高等学校附属中学校1-2組の全員を乗せた大型バスが目的地に向かって出発したのであった。
「なんでコイツの隣なんだよ............」
そう呟いたとある少女の怒気を孕んだ声はエンジン音に紛れ、誰の耳にも届くことはなかった。