今日で最後......................................................
次回も22時00分に投稿します。
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....................よし!いろいろあったがこれで卒業式は終わりかな。というわけで!俺は帰る!!じゃあな関一高校!!もう絶対に会わないから!元気でいろよ!!……さてと俺はもう帰ろうと母親に話しかけようとした。しかし、先ほどの”爆弾内容”以上の内容を母は持ちかけてきた。
「凱士、中学のサッカー部のみんなで写真撮ろうってLINeできたから桜の木の下へ行くよ。」
テメェの膝の骨、折ったろか?
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「帰るよ」
少年は何を考えているのかわからないような表情で返事をした。
「いや、だから写真撮るよって」
「帰るよ」
少年は先程と同じことを同じ表情で言った。
チッ
母親のやけに響いた舌打ちの音がした。
「....................はぁー……あんたっていつもそんなだから友達も出来ないし大学も微妙なところにしか行けないんじゃないの?」
「……」
心なしか少年の目が大きく開いたように見えた。
「最後なんだからみんなで撮りに行こうって!ねえ凱士!」
母親はキレていた。
「....................」
「ほら!」
「......................................................」
「ねえ!凱士!」
「......................................................……」
「ねえ……アンタいい加減にしな……」
ドスの効いた声色だった。
「......................................................」
少年は声色にとくにひるんだ様子はないが、仕方ないと言わんばかりにコクリと頷いた。
「はーーー……なんでウチの息子ってこんななの?まぁ明日からいなくなるからいいんだけど。」
母親は少年に呆れていた。というか既に呆れている。
「......................................................」
少年は死んだ目をしていた。
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少年とその母は桜の木の下へ移動する。そこにはもう既に中学サッカー部の人たちが集まっていた。そこにいた卒業生の人数は12人だ。どうやら残りの4,5人はもう帰ったそうだ。残っている人たちは”二次会どうするー?”とか”ディズニー行くのって来週で合ってる?”など少年の聞いていない話をしていた。多分少年は誘われないのだろう。しかし、少年は安堵していた。なぜなら、実はここにいる中学サッカー部のなかには高校の部活が少年と一緒だった人がいるのだが、少年がマネージャーを煽っていたという話題はされていなかったからだ。あのマネージャー、かなりプライド高いから下に見ていた俺に煽られたという話は恥だとおもってみんなに言いふらさなかったのだろうと少年は予想した。そして、それと同時に少年は懐かしがっていた。同級生の彼らが少年のことをいると把握しながらも関わらざるを得ないとき以外はそこにいないものとして自分を扱うこの光景を。その場で奴らが4,5分程、くっちゃべった後、ママ友のリーダー的立ち位置の”糞ババア”が写真撮るよーって合図をした。並びは一列目から5・4・4で基本背の高い奴が後ろで低い奴が前なのだが俺のポジションは一番前の左端だ。少年はまわりから「お前、一番前行けよ」とか「お前ここな」と言われて場所を決めつけられる。本来少年はこの集団のなかでは前から8番目の大きさなのだが反論しても集団で理詰めで責められることを理解しているため指示に従う。彼らは腐っても中学入試に合格した人間だ。少年は彼らが無駄に知恵が回ることを知っているため親に少年をイジメていたことに気づかれていないし、対外的にもイジっているのとイジメている境目を突いてくるため訴えても誰も信じてくれないことを理解しているのだ。そして母親達がキャーキャー叫びながら写真を撮る。少年は”体裁笑顔”でまわりのポーズに合わせて指ハートやガッツポーズをしてその場を凌ぐ。
母親たちが写真を撮り終えたら、少年は母親のもとへ移動した。少年の母親はママ友と話していた。
「えーー〇〇くん、横国なんですかー」
「そうなんですよー。ちなみに凱士くんはどこ大学なのですか?」
「うちの凱士ですかーみなさんに言えるほどの大学じゃないですよー」
「ねえ。」
少年が母親に話しかける。
「あ、凱士。」
「帰るよ。」
「わかったわ。すみません。凱士はもう帰りたいそうなので私はこれで。」
「あ、わかりました。またどこかで会いましょう。鈴木さん。凱士くんもまた息子と遊んでねー」
「はい、では、今までありがとうございました。さようなら。」
「「「さようならー」」」
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少年と母親は帰路へ着く。
「凱士、他のみんなはどうしていたの?」
「え?まだ写真でも撮っているんじゃないの?」
「凱士……はあーー……じゃあなんで凱士は一人だったの?」
「別にいいでしょ。」
「はあーー……お母さん、みんなのお母さんから聞いたよ。みんないい大学行ってるじゃん。アンタよりも」
「そうだね」
「ねえ、なんか思うことろとかないの?」
「別に。アイツらがどこに行こうとなにをしようとどうでもいい。俺は俺らしくいられるんだったらどの大学でもいい。」
「アンタその性格どうにかならないの?それ、正直気持ち悪いよ。まあアンタの人生はアンタのだから別にどうでもいいんだけど。」
「うん。そうだね。」
「チッ。あ、そうそう夜は焼肉屋いくからよろしくね。」
「了解。準備しておく。」
無機質な返事だった。
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家に着く。少年の家は学校から歩いて45分程のところにあるため意外と体力が消耗される。式と運動不足のせいか母親は家に着くやいなやすぐに布団に眠りこけた。
少年は母親が眠りについたことを確認する。時刻は15時45分。父親も弟もまだ帰ってきていない。少年は再び家を出て今度は自転車に乗る。そしてとある場所に移動するのであった。