表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家族帯同に憧れて!  作者: uyruo-lD
前世&ステータス把握編
2/31

鈴木凱士(すずきかいと)

明日も同じ時間(22時00分)に投稿します。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

2025年3月14日

時は2025年3月14日金曜日


僕は目を覚ます。そして今日も再びただの一日が始まる。長くそして、らしく生きられいていないと感じるなんてことのない一日だ。周りから聞こえる「離れても一緒だよー」とか「また会おうぜ!」という僕には関係ない声を耳から耳へ聞き流しながら登校する。いつからだろう?僕がらしく生きられていないと感じ始めたのは。かつては、ただの流されサラリーマンみたいにはならないとか、みんな弱っちいなとか思っていたのに、結局圧力にやられて、周り、いやそれ以下のような糞みたいな生き方をしてしまっていた。

そんな自分を変えたくて何百回も全力で生き直してやると思い直した。そしてそれと同じくらい恐怖し、環境を言い訳にして断念した。なぜだろうか?”思い直して断念する”を繰り返す度に自分のなかの()()()()()が欠けていき、自分らしさの定義があやふやになっていくのを感じていた。そしてそれと同時に自分の魂の輝きが鈍くなっていく気がした。月が満ち欠けるたびに自分という個性の”角”がすり減ってどこにもある、いやそれ以下の石になっていく感じがしていった。クラスメイトが「自分輝いているオーラ」を無意識に見せびらかしている光景を目にすると自分の滑稽さを嘲られているように感じて怒りが湧いてくる。多分僕はこのマイナスの感情をずっと抱えながらこれからの人生を歩んでいくのだろう。そんなことを考えていたら時間がきた。僕たちは体育館に移動する。4,50代の男女の集団に迎え入られながら指定された席に座る。無駄に無駄を重ねた起立着席を繰り返して、校長のクソ長い話を聞く。1組から各クラスごとに名前の順に呼ばれて登壇し、校長から卒業証書を受け取る。自分のクラスの番になる。そして僕の名前が呼ばれる。プラスには受け取られない、されどそこまで酷くはない標準偏差以内の返事をして登壇する。卒業証書を受け取り、前に呼ばれた人と同じ動作をして自分の席に座る。その後校歌を唄い、あんなことやこんなことのどうでもいい話を聞いて4,50代の男女の集団が手を叩く音を聞きながら体育館を退出した。その後同じ教室にいた人が全員集まって写真を撮る時間になる。そのあとはいつもよく話している人同士が集まって長方形の金属の塊を手に取って音を鳴らせる。俺はこの時間が嫌いだ。先生が僕たちに何の指示も出さないで仲いい人が集まっておしゃべりしたりする時間が。まあ、僕にも数は少ないが仲がいい友達はいる。もちろんクラスにも数人いる。だがそいつらは僕が嫌いな人がたくさんいるグループに集まっていて僕のつけ入る隙がないのだ。僕の友達はみんなそいつらにとられ、いつも一人になってしまう。もうこの光景には慣れた。だがいつも感じる僅かな虚しさが俺の今いる状況を理解させる。


                  惨めだ


この意味のない無駄な時間が嫌いだ。それでも耐え続けなければならない。それがこの世の中の決まり(ルール・法律)なのだから。そして俺は横目で友達の状況を把握しながらグループから離れた隙をみて一緒に写真を撮る。そして「また、会おうぜ!」と短い会話をしてその場を去る。それを何度か繰り返して時間が来るのを待つ。次は同窓会会員登録の会だ。ちなみに全員強制参加だ。再び体育館に移動する。親と合流してまたクソ長い話を聞かされる。1時間は確実に経った。やっと終わった。ゴミめ。テメェの東大自慢は知らねえよ!早く帰らせろ!というわけで同窓会会長が退出して再び写真タイムが始まる。僕もクラス外の仲が良かった8、9人と写真を撮れるように隙を伺っていたがその間に

「あんた友達いないの?」

って親に哀れな目を向けられながら聞かれてまた傷ついた。


△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△


そんなこんなもあって、あらかたクラス外の友達と写真を撮り終えていたら、突然”元”高校マネージャー女子が僕に話しかけて”爆弾内容”を持ちかけてきた。

「鈴木くん、これから部のみんなで一緒に写真を撮らない?」



                 殺すぞ



「えーーww、俺、2年生で部活辞めたからいいよー」

”俺”はこれまでの経験で得た、体裁を保ちながら作り笑いに見えないようなすこし笑った笑顔、略して”()()()()”でいつもと同じ調子の返事をする。

「えー私も辞めた人のうちの一人だしいいでしょ?」

「マネージャーさんはまあ、みんな納得してくれた理由で辞めたじゃん」

まあ、辞めるって知る前は俺たち同級生の男子全員、マネージャーの悪口言っていたけどね。

「そうだけど、鈴木くんもそうでしょ?」

「いや、俺の場合は2,3人が裏でめっちゃ悪口言っていたから、納得はしてくれていないんだよねー」

「え?そうなの?」

「マジマジ。それにどうせ他の辞めた人全員は集まらないしいいでしょ、撮らなくて」

「えーーでも鈴木くん辞めた人の中じゃ一番頑張っていたじゃん」

事実だ。俺以外は部活のキツさに根を上げたり、このスポーツより好きなスポーツ見つけたからそっちに入部するとか、休みが少ないからとかそういう理由で辞めていたからね。

「いやでも俺自身、辞めてから部活のみんな(一部除く)のこと冷たい目で見ていたから」

「いや、今日でみんなと会えるの最後かもしれないからさ、そんなことを忘れてさ……ねぇ?」

「ごめんね。俺ちょっとキツイわ」

「....................なにそれヒドくない?なんで私がわざわざ誘ってあげているのに一緒に撮ろうとしないの?撮るっていってもどうせすぐ終わるじゃん」

「いやいいじゃん俺いなくてもー」

そのすぐが嫌なんだよ。一緒に撮るってことは少なからずアイツらと関わるってことになるだろ。

「………前々から思っていたんだけど。アンタのそういう自分勝手なところムカついていたんだよね」

おいおい、卒業式だろ今、ここで悪口はないだろ!まあ言われる理由もまあわからなくもないけど。だが悪口は言われ慣れている。ここで動じてはいけない。

「あ、そうなの?言ってくれたら良かったのに。」

俺は平然とした態度で受け止める。

「あっそ。もういいや。アンタもう帰っていいよ」

「うんそうするね。まあ、3年間ありがとね」

まあ高校3年間の仲だ。最後だし感謝はするべきだろう。

「なにそれ気持ち悪いんだけど。」

はい、”気持ち悪い”いただきましたー。感謝は既にした。最低限の礼は尽くした。だから



                もういいよね?



「…こっちのセリフだ。部活辞めた分際で取り仕切ってんじゃねーよ()()。」

「は?ちょと、それはなくない?」

「はい!それじゃあ”僕”は帰れって言われたのでcoolに去りまーす」

「ちょwwそれ痛いんですけど……………っておい!ちょ、おい待ちなって!!」

彼女は声を荒げて言った。

「ちょwwおいおいww静かにしなって。キレんじゃねーよ。怒っていると目立つよー。顔もまっかっか。それ、周りからどうみられると思う?ウケるし、恥かくぜー」

「だから誰のせいで―――」

「だから周りに見られるぞって。お前が恥かくから。というわけで今までありがとうございましたー」


そんなわけで俺はクールに去った。後ろを振り向かなかったためわからないが多分彼女は先ほど以上に顔を赤くしているのだろう。

あーーーやっと終わった。意外と辛いわ。心にきた。まあどうでもいいけど。ていうかテメェも俺のこと見下していただろ。クラスで俺のこと命令していたり、私の前に立つな、って言っていたの覚えているからな....................まあ正直、部員のみんなには罪悪感はある。邪見にしていたのも少し悪かったと思う。だがそれ以上にお前らの俺を完全に見下していた目と”実力主義”とか言っていたくせに俺を平等に扱わなかったお前らが嫌いだ。それを見て見ぬふりをしていた、いや知らなかっただけかもしれない、だがそれでも、悪口を言わなかったお前らも嫌いじゃないが到底仲良くは出来ない。



       悪いがこれ以上テメェらとの思い出は残したくないんだよ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ