告白α
初投稿です。ミスが多いかもしれませんがお手柔らかにお願いします。あとたまに改変する可能性があるのと多分隔日投稿になるのでご了承ください。
俺の名前は久遠翔。関出第一高等学校附属中学校1年だ。そして今日は2019年4月18日木曜日、宿泊学習1日目だ。1日目といっても時刻はもう24時を過ぎようとしている。俺は今、宿の渡り廊下にいる。え?なぜ渡り廊下にいるのかって?それはな……今日、俺は一世一代の大勝負をするからだ。なんの勝負かだって?おいおい、バカかお前ら?それくらい察しろよ。それは、……そう!告白だ!!俺は今日”あのコ”に告白して漢になるのだ。そして男子共に彼女が出来たって自慢してやるんだ。”俺はお前らとは違う”ってな!!作戦はこうだ!
①修学旅行中に”あのコ”に俺のカッコイイところや優しいところを見せてアピールする
②花音に”あのコ”と修学旅行でより仲良くなってもらう
③レクリエーションでドッジボールが強いとこを魅せつけて運動も出来るんだと知ってもらう
④俺がサインを出して花音に夜、渡り廊下にくるようにあのコを誘ってもらう(このとき花音にはその場から離れてもらう)
⑤そして俺があのコに告白をする
作戦段階は④にある。いまごろ花音が”あのコ”に渡り廊下に来るように誘っているのだろう。いまのところ作戦は順調だ。③以外はね。”あのコ”、この俺の剛速球を避けたんだ。意外と避けるのが上手いよね。まあ、俺が投げるのが上手いってことはアピール出来たから良しとしよう。流石、俺の彼女になるのに相応しい女だ。ちなみに花音は同小で一緒の塾に通った仲の友達だ。いつもはもう少し俺に反発的だったんだけど今回の作戦ではやけに積極的だった。俺の男としての成長を応援したいのだろう。嬉しいことだね。
コツコツ
そんなことを考えていると足音が聞こえてきた。....................ッ?!あのコのだ!いきなり緊張してきた。心臓が脈打っているのを感じる。
「よお、久遠、どうしたんだ?花音に頼まれてここに来るように言われたんだが?なんか用か?」
闇夜に照らす一筋の光があのコの美貌をより高尚なものにしてくれている。不意に心臓がキュッとなった。頬が赤く染まっているのがわかる。嫌でも理解させられる。
俺は”あのコ”が好きだということを。
だが、それにしても…”あのコ”、なんか妙に男っぽい口調をしている。いつもはもうちょっとこう、柔らかい口調だったはずだったんだが……。まあそんなの今は関係ない。多分、いつもと違う雰囲気に飲まれて”あのコ”も緊張しているのだろう。まあ仕方ないだろう。男子の、この”俺”に呼ばれたのだから。彼氏彼女の関係になった暁には昼にデートして夜はセックスをしよう。親父はそうやって結婚したって言っていたからな。
「お、おう――(”あのコ”の苗字)、ひさしぶりだな」
「ひさしぶりってなんだよ、レクで喋ったぶりだろ?緊張してんのか?」
「い、いやそんなんじゃねーよ。緊張していねーし」
「で、何の用?」
「え?用って、そ、そりゃあ……」
「あ!もしかして……明日の東大探検の”各班の質問”についての相談か?」
……おいおい、こいつ鈍感かよ?!察しろよ!!わかんないのか?俺に誘われてたんだぞ?普通、告白だってわかるだろ!まあ、そんな鈍感なところもかわいいんだけどよ……いや、もしかしたら本当は俺が告白するのを分かっていて、”ちゃんと勇気出して告白できるのか?”っていう彼女なりの試練なのか?これを突破できない男は私に付き合うのに相応しい男じゃないってか?......................................................上等だ!この”久遠翔”は一度決意したことは必ずやり遂げる強い男なのだ。いいだろう!俺の覚悟受け取れ!!
「あ………いや、それも大事なんだけど……今日はそれとは別のことで話があるんだ。...........................................................................あ、………あのな」
「うん」
ちゃんと俺の言葉を待ってくれながら、”あのコ”は俺に優しい笑みを向けてくれている。そういうところが好きなんだ。俺はあのコが好きだ。成績は国語72位、数学5位、英語49位、総合順位40位で全然悪くないし、運動も、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳びは12kg(1点),12回(3点),39cm(4点),31回(2点)で平凡だけどシャトルランは42回(5点)で女子の中でも7番目の回数!!そしてなによりクラス一番の美人なのだ。(俺の目にはそう映っている。)それなのに美人なのを鼻にかけていないし、無駄に大人ぶったりしていないのに落ち着きがあり、シャトルランでみせたような根性もある。そして不意に笑ったその表情がとてもかわいいのだ。
「....................あの、――――(あのコの名前と苗字)さん!俺と付き合ってください!!一目惚れでした!好きです!」
そして、そう言いながら俺は腰を曲げて左手を前に突き出した。最後に余計なこと言っちまったが、................だが!!!言ってやったぜ。”付き合ってください”ってよ!!
「....................」
コツコツ
”あのコ”はなにも言わない。俺は腰を曲げ、顔は地面を向いているためあのコのことが見えないが、足音で彼女がこちらに近づいているのがわかる。
ピタリ
”あのコ”の足音が鳴り止んだ。今、俺の目の前に彼女がいるのがわかる。心臓が先程よりも強く早く脈打っているのがわかる。緊張で冷や汗がとまらない。怖い。頼む!早く返事をくれ!
ピトッ
え?左手にあたたかい熱を感じる。え、え、え、え、え、え、え、えーーーーーーーーーーーー?!嬉しさで脳味噌が思考を停止した。俺は反射的に顔を上げた。すると、
目の前で彼女はほほ笑んでいた。
「ありがとう」
”あのコ”は今まで見たことのない向日葵みたいな満面な笑みを浮かべ、右手を俺の左手首にまわしてぎゅっと握り、左手は俺の左小指を思い切り握ってくれた。すこし痛さを感じる。でも「ありがとう」って返事をくれた。つまりこれって俺と付き合ってくれるってことだよな!!
「こちらこそ!」
俺も満面の笑みを”あのコ”に返した。そして
ゴリッ!
そんな音がした気がした。