厨二病の僕の悲劇
ある殺人事件被害者男子学生の部屋から発見された手記
僕は、いわゆる中二病と呼ばれる奴だったのだろう。
僕はよく、学校にテロリストが襲撃してきて、それを陰キャで目立たない僕が倒し、つかまっていた自分の好きな女子を助ける。そして、惚れた女子と付き合う。誰でも考えるようなありきたりな妄想をしていた。
そう、あの日もそんなことを考えながら、嫌いな数学の授業を教室で受けていた。
しかし、その日は、いつもと違うことが起きた。その妄想が現実となってしまったのだ。ある一転を除いて。
突然教室に、アサルトライフルを持って目出し帽をかぶった、まさしく妄想していたテロリストが入ってきたのだ。
ドンッ ダダダダダンッ キャーー
扉をけ破ったそいつらは、銃を乱射し、先生を撃ち殺した。その光景に、クラスの女子は、悲鳴をあげる。ぼくは、あまりの光景に、言葉を失う。そして、クラスのみんなは、窓際に、押し寄せる。逃げ遅れた、女子の一人がつかまり、銃を突きつけられる。僕の好きな子だ。あまりの光景を受け入れられず異様に冷静にそして、変な興奮状態になっていた。
今の僕ならいける。助けられる。なぜかぼくは、そう考えていた。「近づいたら、こいつを撃ち殺す。そしてここにいるやつもだ。」そう脅されたがぼくは、異様な自信に包まれたまま、周りも止めていたにもかかわらず突っ込んだ。
ダダン
腹に弾が当たる。痛い、動けない。急に、現実に戻される。死ぬんだ。そう思う。しかし、もっとつらいことが起こる。
ダダダン キャー ドサッバタン
つかまって人質にされていた女子が殺される。
教室は、半狂乱になり、怒り狂ったテロリストは、銃を乱射する。
悲鳴と発砲音が入り乱れ静かになる。
どうしてあんなことをしてしまったのだろう。そう思いながら、僕は、意識を失った。
「うーん」僕は、目を覚ます。「生きてる?」僕は、驚く。医者がやってくる。検査をされその後のことを聞く。人質に取られた人を含めクラスの半分くらいがなくなったことを聞く。
僕は、責任を感じながら生きていかなくてはならないのだろう。
「本当に、どうしてあんなことをしてしまったのだろう。」僕は、真相を知る一部被害者遺族から、うらまれているらしい。仕方のないことだ。