「2」 自分の役割
赤子の自分は不思議だ。
まるで、上から自分を見ているような気持ちだ。
守護霊みたいな感じか。
母親はいつも近くにいてくれる。
僕は寝返りもできず、ただ泣くことだけできた。
本当に無力な存在。
泣くと母はすぐにきてくれた。
自分は気づいた。
まず、初めにやる仕事は両親を喜ばすこと。
なぜ、一所懸命に僕を育ててくれるのだろう?
前世の世界では、子育てを嫌う大人は沢山いた。
子育てするくらいなら、仕事を頑張るとか、遊んでいたいとか。
理性の発達した世界だから、いろいろ計算する。本能だけで行動はしない。
それでいて、来世や前世の教育はしない。
今世だけの話をする。
そんな世界だ。
前世の記憶のある僕には、それは否定的である。
なぜ、次の世代のことを考えるのだろう?
来世のこと考える?
いや、転生のシステムは複雑だ。
人それぞれ、考えが違う所もある。
しかし、考えが同じ所もある。
急激な進化をもとめるため、変化をいれるケースもあるのだろう。
しかし、ルールにはカラクリというものが存在する。
誰かが、間違ったことをすれば誰かに影響する。誰かが騙して得すれば、誰かが損する。しかし、基本は信用であり、誠実な心だ。
嘘だらけの世界は結構地獄だ。
虚無が蔓延している。