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「1」 Aの世界
僕は「A」の世界にやってきた。
前世の記憶はある。
まずは、この世界のルールを知る必要がある。
この世界での自分の役割はなんだ?
何を勉強しないといけない?
何年この世界にいれるのだろう?
そうそう、何を務めないといけないのだろう?
そんなことを考えていると、仕事をあたえられた。
(抽象的な感覚、おそらく自分は赤子のような存在なのかもしれない。)
寝ると、良く夢をみる。
前世の記憶だったり、前々世の記憶だったり。
来世の情報が夢にでることもあるのだろうか?
僕の仕事は、親に喜びを与えること。
赤子や幼児に与えられる仕事だ。
親は真剣に僕を育ててくれた。
前世の世界では、子供を作らない人間が結構いた。本能に逆らっているのだから、なかなか理性的な世界だ。
あの世界での仕事は不思議だった。いろいろ職業を選ぶことが出来た。
何を生きがいに生きるのだろうか?
選択がいろいろある、迷う、競争もある。
動機がしっかりしてないと、ブレる。
目標を失い、ダラダラ生きるのも良くない。
そういえば、無闇に次の世界に逝くことを禁止していた世界だった。