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カントマクエスト 彼方からの祈り  作者: イヌカメン@発作活動家
8/8

目覚め

「おはようございまーす。朝ですよー。おはようございまーす」

(もう少し寝たいのに。あれ?なんか寒い)

 なんと、ルイが目を開けるとそこは森の中だった!

「ええ!?なんで森の中にいんの!?」

「今日からここでトレーニングをするんじゃ!安心せい!寝たままここに連れてくるからの。行きの心配は無用じゃ!」

「いやいや!そういう問題じゃないでしょ!明日もここに来れるかな?なんて心配してないよ!」

「そうか!ならば良し!さっそくランニングじゃ!早よ寝巻きからそこにあるジャージに着替えるんじゃ!」

「じいちゃん!最近おかしいよ!どうしちゃったの!?」

「何がじゃ!?大賢者になりたいんじゃろ!?わしは先に行っとるぞい!」


シュッ!


 じいちゃんは風を切る音と共に、森の奥へと消えていった。


(最近のじいちゃんどうしちゃったんだろう。明らかに様子がおかしい、、、)

 そんなことを考えながら、ルイはとりあえずジャージに着替えた。逃げ出そうにも帰り道が分からないため、仕方がない。

(先に行っとるぞって、どこ行ったんだよ、、、)

 じいちゃんが通ったであろう跡を頼りに森の奥へと進んでいく。

(それにしても凄い森だな。原生林ってやつ?あっ、やっと見つけた。あれ?)

 森の奥へと進んだ先には、じいちゃんと何故かブチブチが待っていた。

「お、やっと来たの。ちゃんと走ってきたかの?」

「じいちゃん!ちゃんと説明してよ!なんか最近変だよ。なんか焦ってるみたいな、、。何があったの?」

 じいちゃんは、何も答えない。

(はっ!まさか、どこか体が悪いのか?だから最近様子がおかしいんだ。)

「じいちゃん、もしかして体が悪いの?なら、ちゃんとそう言ってよ!家族でしょ?じいちゃん。」

「大賢者になりたいか。」

「え?今そんな冗談言っ」

「大賢者になりたいか、なりたくないのか、どっちだ。」

 じいちゃんは真剣な眼差しで言った。

「なれる?」

 さまざまな思いが巡る中、結局ルイはそう口にした。

「なれる。何も言わずについてくるならば。」

 ルイは、小さく頷いた。

 この時、ルイは本当のじいちゃんに初めて会った気がした。

「よし!そいじゃ、今日から毎日ブチブチと戦ってもらう!もちろん、武器はひのきのぼうのみじゃ!」

「ええ!それって大賢者と何の関係が?」

「ん?何か言ったかの?」

(さっきと雰囲気が全然違う、、、)

「ほいっ!ひのきのぼうじゃ!」

「わっ」

「そいじゃ、スタート!」

 じいちゃんの掛け声と同時にブチブチが走り出す。

「ガウガウ!!!」

「うわっ!」

(本気だ、、、食らってたら死んでたぞ?あれ?なんで避けれたんだ?)

「ルイ!本気でいくんじゃ!殺すつもりでいくんじゃ!)

(殺すつもりでって、そんなの無理だよ!)

「ガウガウ!!!」

「くっ!」

(絶対殺すつもりで来てる!これ!なら、こっちも!)

「おりゃー!!!」


ミス!テレレレン♪


(やっぱり出来ない!)


「ガウッ!」


ザシュ!



 ルイが目覚めると、もう家の中だった。

(あれ?また気絶しちゃった?)

「お、起きたみたいじゃの。調子はどうじゃ?朝食できてるぞい!」

「う、うん。」

 時計を見ると、まだ7時を回ったところだった。

(あ、そうか。まだ朝だったんだ。なんかもう昼くらいの感覚だな。)

 

 朝ごはんを食べていると、スマホに通知が来た。


ピッ!


(朝早くからなんだ?)


アサ これやばくない?


(動画?)


 ルイは、再生ボタンを押した。

(なんだ?これ)

 そこに映っていたのは、青い謎の形をした生き物だった。


イブニア なんだこれ?CG?


サト そうだろうね


アサ でも、よくできてるよな


イブニア 確かに。めちゃくちゃリアル


サト 同じく


(最近の映画のCGってめちゃくちゃ凄いもんね。っと。でも、どっかで見たことあるような)


アサ なんか、じいちゃんのカレーに似てね?


イブニア 確かに。ちょっと似てるw


サト 同じく


(そうだ。思い出した。ほぼ青スライムそうめんじゃん。)


「じいちゃん!これ見て!ほぼ青スライムそうめんだよこれ!」

 すぐさま、ルイはじいちゃんに動画を見せた。

「うむ。これは、間違いなくスライムじゃな。思ったより早かったみたいじゃ。」

「早かった?どういうこと?まさか、これじいちゃんが作った動画なの?」

 しばしの沈黙が流れた。じいちゃんは真剣な表情で話し始めた。

「もう、話さなければいけない時なのかもしれん。ルイ、少し昔話を聞いてくれないか。」

 ルイは、小さく頷いた。

 じいちゃんは話し始めた。


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