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脚本 少女たち  作者: 日尾昌之
4/18

昭和39年7月 京都木屋町

映画またはドラマの脚本です。


ここでの登場人物


三浦幸子 場末のキャバレーのホステス 18歳

木村雅幸 幸子の幼馴染 キャバレー「ラッキー」のボーイ 18歳





24木屋町通り(昭和39年7月 夜)

   色とりどりのネオンが輝いている

   どこからか当時のヒットソングが流れている

   テロップ 昭和39年 文月

   幸子(18 ポニーテールに派手な服)が ふ

   らふらと歩いている

   木村雅幸(18)ギターを抱えて弦を弾いて高

   瀬川に架かる小橋の欄干にもたれている

   雅幸 気配を感じて幸子を見て

  雅幸 「えっ? さ さっちゃん?」

   幸子 うつむいて逃げようとする

  雅幸 「さっちゃんやろ・・・ そんな逃げんで

      もええやん・・・あ! 危ない!(と

      幸子の手を握る)」

   幸子 振り返ると 高瀬川に落ちそうになって

      いる

  幸子 「あ ありがとうございます」

  雅幸 「(微笑んで)えっ!? さっちゃんんや

      んな?」

   幸子 うつむく

  雅幸 「俺 わかる?」

   幸子 行こうとする

  雅幸 「何かあった?」

   ×   ×

   高瀬川の畔のベンチに幸子と雅幸が座っている

  雅幸 「よー ここで遊んだな」

   幸子 下を向いている

  雅幸 「俺ら 小さい時 親から ほったらかさ

      れたもんな」

   幸子 うなずく

  雅幸 「ここで 夜中に 二人で 鬼ごっこして

      たんやんな」

   幸子 うなずく

  雅幸 「その辺の路地抜けて 木屋町と先斗町 

      行ったり来たり 走り回ってたもんな

      懐かしいなぁー」

   幸子 うなずく

  雅幸  「秘密基地 覚えてる?」

   幸子 首をかしげる

  雅幸  「ほら 先斗町の路地のどん突きにあっ

       た 空家」

   幸子 うなずく

  雅幸  「よー そこで GIから もろた チ

       ョコレート食べたやんな」

   幸子 微笑んでうなずく

   ×   ×

   高瀬川の水面にネオンの灯りが揺れるている

   雅幸 ギターの弦を弾く

  雅幸 「俺 今な そこのラッキーで働いてんね

      ん」

   幸子 雅幸を見る

  雅幸 「歌手・・・」

   幸子 驚く

  雅幸 「やったら ええけど・・・ ただのボー

      イや でも 何時か あそこのステージ

      で 歌いたいなぁー」

   幸子 微笑む  

  雅幸 「なぁー 覚えてる?」

   幸子 首を傾げる

  雅幸 「地蔵盆の のど自慢大会」

   幸子 うなずく

  雅幸 「腕組んでデュエットしたやんな」

   幸子 微笑んでうなづく

  雅幸 「あれ 何の曲やったけ・・・」

   幸子 首を傾げる

  雅幸 「さっきから 何にもしゃべらへんけど

      どないしたん?」

   幸子 作り笑いを浮かべる

  雅幸 「喉でも乾いてる? ジュースでも こう

      てこうか?」

   幸子 首を横に振る

   と どこからか祇園囃子が聞えて来る

  雅幸 「明日 宵山やな」

   幸子 耳を澄ませる

  雅幸 「ところで さっちゃんは 今 何してる

      ん?」

   幸子 思わず立ち上がる

  雅幸 「どうしたん? 仕事? それか 彼氏と

      待ち合わせ?」

   幸子 後ずさりして頭を下げる

  雅幸 「(立って手を挙げて)バイバイ!」 

   幸子 慌てて通りを渡って路地に入る


   つづく





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