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脚本 少女たち  作者: 日尾昌之
2/18

過去への路地

映画またはドラマの脚本です。


ここでの登場人物


三浦幸子  鎌倉に住んでいる老婆  73歳

三浦美空  幸子の孫 大学生    19歳





9 新幹線の車内(朝)

   幸子 窓の外を眺めている

   外は 田園風景が飛ぶように流れて行く


10 キッチン(数日前の夜)

   幸子 美空 写真を見ている

  美空 「それでね この人 戦争が終わってから

      京都に住んでたみたいだよ」

  幸子 「(啞然として)そ そう・・・」

  美空 「(写真を見て)この芸者さんが写ってい

      る写真 ここ 京都かもね でも なんで

      ここの住所 わかったんだろうね」

  幸子 「・・・」

  美空 「あっ! そうだ!」

  幸子 「えっ?」

  美空 「お母さんに頼まれてたんだ」

  幸子 「頼まれったて?」

  美空 「迷子になった時の連絡先(椅子の上のエ

      コバッグに付いているお守りを見て)

      そのお守りの中に入れておいてって お

      ばあちゃん どこに行く時も その

      お守り持って行くでしょ もし 迷子に

      なったら これ見せるんだよ」

  幸子 「迷子って 子供じゃあるまいし」

  美空 「人は 年 取ったら 子供に戻るんだか

      ら(と メモ用紙を出して)電話は

      お母さんの番号書いておくね 住所は 

      ここでいい?」

  幸子 「そ そうね」

  美空 「神奈川県鎌倉市・・・ 後 何だっけ?」


11新幹線の車内(朝)

   幸子 窓の外を眺めている


12鴨川の河原(昼)

   多くのカップルが歩いている


13先斗町通り(昼)

   飲食店の看板等が並んだ通り 人通りはまばら

   である

   幸子は肩から古いお守りが付いたショルダーバ

   ッグを掛けて歩いている

   前から一人の舞妓が歩いて来て幸子とすれ違う

  幸子(N)「私には 娘にも それから あの孫

        にも秘密にして来た過去があります

        封印したその過去は墓場まで待って

        行くつもりでした」

   幸子のショルダーバッグからお守りが落ちる

   幸子が拾って見ると お守りの紐が切れている

   幸子 路地を見て 何かに導かれる様に路地に

      入って行く

   

14路地の中

   幸子 空家に突き当たる

   空家には「入居者募集」の張り紙

  幸子 「この路地 通り抜け出来なかったんだっ

      け?」


15先斗町通り

   幸子 路地から出て来て振り返る

   路地の看板 「通り抜け できまへん」


16先斗町の小さな公園

   幸子が疲れた様に歩いて来てベンチに座ってペ

   ットボトルのお茶を飲んで懐かしそうに辺りを

   眺める


17先斗町通り 

   幸子 懐かしそうに辺りを眺めながら歩いて来

      て 路地の前に立ち止まって 微笑んで

      何かに導かれる様に路地に入る

      路地の看板「通り抜け できまへん」


18路地の中

   真っ暗 前方に光が見える

   カメラ(幸子の目線)は その光へと進む


 つづく


 

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