魂を集める理由
初投稿です。キーボードに慣れていないので1つに6時間もかかってしまいました。
「私は、神だ――」
白髪で目がサファイアのような透き通った色の彼女は誰にも聞こえないかすれた声で小さく小さく呟いた。
神と自称する彼女は、その白くてきれいな肌ごと心臓を銀の剣で貫かれていた、
目の前には2人の男と2人の女がいる、彼女は最後の力を振り絞り魔法を唱える、透き通った瞳は真紅の赤に変色していた。
彼女の足元に魔法陣が浮かぶ、猛烈に吹き荒れる風、目の前にいた4人は身構えた。
彼女は言った。
「覚えていろ、必ず戻る」
魔法陣が眩しく発光する。
彼女はそう言い残し体が消えていく。
「ちっ、逃がしたか」
黒髪で褐色の肌、紫色の目の女が呟いた。
「どこに転移した、わかるか?」
黒髪黒目で大剣を片手で軽々しく持っている男は言った。
「いや、あれは転移ではない魂を別の世界に送っただけだ、あれほど弱っていれば正常に作動したかわからないけど」
そう青い髪で眼鏡をかけた青年が言った。
「まあいいわ、どうせ何もできないわよ、それよりも!地球が手に入ったんだもの、そんなことどうでもいいわ」
赤い長髪に赤い目、白くきれいな肌をした女は残された銀の剣を拾いながら言った。
◇◇◇◇
顔に暖かい風が当たり、夢のような感覚が現実だと錯覚させられる。
(ここはどこだ?)
あたりは緑一色の林で、木々の隙間から見える太陽の光が眩しかった。
(私の名前はなんだ?)
急に襲われる恐怖感に少しだけ震えた。
(私は昨日まで何をしていたんだ?)
(何か強い意志をもってここに来た気がする)
「おーい」
私は……
「おーい」
誰かが呼んでいる。
「そこのお嬢さん、ここでなにしてるんだい?」
腰に剣を下げ、髭の生えた男が近づいてくる。
「わかりません」
男はその答えに苦笑いをしながらこう言った
「さっきすごい光がこの場所であったから見に来たんだよ、そしたら君がいたんだ、君なんか魔法使った?」
「いえ、魔法ですか?」
私は少し考えこんだ、私、何の魔法が使えたのかも忘れてる…
男は少し困り果てて言った。
「君大丈夫かい?」
「私、記憶がないみたいなんです、何が何だかさっぱりで」
男は少し悩むと、
「魔法の後遺症ってやつかな、強すぎる魔法を使うと記憶が吹っ飛ぶてこと聞いたことある」
「その後遺症ってどうやったら治るか分かりますか?」
「俺もそんなに詳しくないからよ、そういうのわかるのは神官さんとかじゃないかな?」
男は少し悩んで言った。
「可哀そうになっちまったじゃねえか、近くの街までは送ってやる、金はあるのか?」
身体を触って確認する。
「ありません」
「そうか、仕方ねえな」
男は腰に下げたポーチから4枚銀貨を取り出した。
「これで安宿なら5泊くらいならできるだろう」
「良いんですか?」
「その代わり返してくれよ、貸し一つだからな」
「ありがとうございます」
私はその銀貨を握りしめた。
「ああ、そうだ名前言ってなかったな、俺は『ニック』よろしくな」
「私は……私…」
「これから思い出せばいいんだから、そうくよくよすんな」
私はニックにそう言われたので一旦考えるのをやめた
「ついてきな、街はこっちだ」
ニックのが歩き出したので小走りで隣に行く
「何という街なんですか?」
「クーリンって街だ、ここらだと一番でかい街だな、お嬢さんの力になれる人もいると思うぞ」
クーリン?聞いたことない、やっぱり聞いただけじゃダメなのかな。
その時【ゴォーン】とすごく大きな音とともに電気を帯びた透明の獣が出現した。
「神獣……?なんであんなもんがこんなところに…」
ニックに神獣と呼ばれた獣が喋りかけてきた
「我はこの世界の七神の一人、ルーレン様の使い、そこの白髪何しにこの世界に来た?答えによっては滅ぼしにかかる」
彼女は答えた。
「わかりません」
刹那、獣は彼女に向かって突撃してきた、獣が触れた草木は焼けていた。
彼女は咄嗟に腕でガードする、しかし身体は衝撃に耐えきれず、吹っ飛ばされる、ニックにもらった銀貨が落ちる音とともに追撃が来る。
「おい、お嬢さん――」
ニックがそう言ったときには追撃が彼女にきていた。
「速すぎる」
思わずそう呟いた、ニックは彼女はもう助からないと思ったが彼女に叫んだ
「もしまだ生きているなら待ってろ、助けを呼びに行く」
助けを呼ぶ、そうニックは自分に言い聞かせてクーリンへ走った。
「雷獣くん、そろそろ帰ってきな」
どこからか声が聞こえる
「はっ」
そういわれた獣は去っていった。
「さてと、やっぱり君魔力で身体を作っているんだね」
魔力?身体?
「その顔だと無意識か、魂も強いし、別世界の天使とか?」
魂?別世界?天使?
「あるいは神とかね」
『神』その言葉にしっくりきた。
「まあ後ででいいや、君を神の部屋に招くよ」
私はその声を聞いたとき周りの空間が白くなった。
「はいはーい、ボクの名前は『ルーレン』よろしくね、君は君は?」
「私、記憶がなくて」
「魔法かな?」
そういうとルーレンは私の頭に手をかざした。
「ふむふむ。魔法じゃないのか、そうなると魂かな、ちょっと待ってね」
そういうとルーレンは何かを取り出して、私の胸に当ててきた。何かが入ってくる―――
「はっっ……思い出した!」
「おっやったー、これやっぱり君の魂だったんだね、さっき飛んできたんだよ、で!なに思い出したの?」
「名前、私の名前は『セリカ』」
「名前だけか~まあいいや、さっきはごめんね~雷獣くんに探ってきてって言ったのに戦っちゃうからびっくりしたよ、こういうのは初めてだからさ」
「うん、どこもケガしてないからいいよ、それよりここはどこ?」
「ここは神の部屋、文字通りボクの部屋さ」
良かったら評価お願いします。