研究員の誘拐事件だったんですが
「あ、カケルさん。そこの3ブロック先に国際埠頭にある海運会社のビルから緊急アラームを察知したみたいです。あと、そのビルうちの会社の警備システム入ってるようで、侵入警報も同時に発生してるみたいです。
内部のCCTV画像と地図をお送りするので確認しておいてください」
オペレータをするヒロキの通信が聞こえたのち、目の前のスマートグラスを通して、地図やCCTV所謂監視カメラの画像が表示された。
カケルは運転をしていたので、隣にいたマコに地図と情報を調べる様に支持をした。
「マコ、頼めるか?到着までまだかかりそうだ。香浜はあまり大きないって言っても、端から端で約20㎞はあるからなぁ…」
「オッケー。
ヒロキ~、どこから侵入したか欲しいから、ついでに。アラームモニターシステムのデータも頂戴」
『あ、はい。わかりました先輩』
ヒロキのそんな声が聞こえて、新しい情報がスマートグラス越しに移りはしたが、タカノはそれを気にせずに車を運転することに集中した。
目的地付近に着くと、カケルは車を止めた。
場所は香浜の中心街から離れた国際埠頭と呼ばれる貨物船専用の臨港地区で、ちょっとやばい犯罪組織の臭いがする海運会社から、本土の大手企業が利用している地区でもある。
「しかし、今日は嫌な気がするな……俺たち二人だろ?いざってときは頼む」
カケルはそう言って、車から降りた。マコは話を半分聞いているのか聞いていないのかうんうんハイハイと言って、情報を整理しているようだった。
「軍経験者のマコ様が頼りだ」
マコはそれを聞いて、眉を顰め嫌そうな顔をしてこう言った。
「私はそりゃ、軍出身だけどさぁ。
戦闘とかは専門外よ~カケルの方がお得でしょ?MMAもやってるわけだし、一応ナショナルサービス期間で3カ月は軍にいたんでしょ?」
カケルはそれを聞いて笑ってこういった。
「いやいや、穴掘って空砲撃っただけだよ。この会社に入ってからの方がまだ訓練してるよ」
マコはため息を着いてこういった。
「まぁ、どうにかなるでしょw」
カケルは大学卒業後に3カ月だけナショナルサービス制度という制度で兵役に就いた経験があったからそんな話が出てきたのだ。
一応、プランセスの部隊の隊員はエリックやジャックの特殊部隊出身者と元警察の社員が教官になってアケチグループが保有するトレーニングセンターで香浜の警官隊と同じ戦術訓練を受けさせられた経緯もあったりする。
心強い仲間はいるとはいえ、今回ばかりはどこか嫌な気がしていた。
「ま、行ってみないとどうなるかわからねーよな。本土組で頑張りますか」
カケルはそうため息ついて、ビルに向かって歩き始めた。
ビルに着くと、ビルは今は使われていないようで電気は付いてなく……周りにはフェンスが建てられており立入禁止の札が建てられていた。
「あれ、おかしいな二日前まで、このビルにテナントとして一社入ってたんだけどな」
マコはそう言って、ポケットからライトを取り出した。カケルはそのライトを抑えてこういった。
「まだ、照らすな。中に潜伏してるかもしれない……こちらの動きがばれる」
「あ、ごめんごめん。とりあえず、どこからか侵入したか調べるね」
「うーん。博士はいるんだろうかな?」
マコが調べた結果、どこから侵入したかが明らかとなっていた。
裏口の近くにある窓にある振動センサーとビルの中に中にある音感センサーが同時に感知しているらしく、誰かが入り込んだ痕跡はあるようだった。
ただ、音は切ってあるようで建物は静かそのものだった。
裏口に回ると、裏口と思われるビルの搬入口のシャッターが開けられていて窓が破壊されているのがみて取れた...
「どうやら、入られたのはあってるらしけど...なんでここにアマダさんがいたんだろう?」
マコはそう言って首を傾げながら、懐から拳銃を取り出した。カケルもそれをみて、拳銃を取り出して初弾が装填されているかどうかを確認した。
「とにかく、入ってみるか....ヒロキ、ナビをよろしく頼む」
『了解です。先輩!あと、賊見つけました。アマダさんも見つけました...
何かを取りにきたんですかね...』
「わかった。援護できそうか?」
カケルがそう言うと、マコはものすごく嫌そうな顔をしていた。
「えもーやだぁー」
するとヒロキからこう提案が
『先輩方。ラッキーですよ。なんとこのビル、フルパッケージで我が社のセキュリティシステム入ってますから色々できますよぉー
遠隔で電源も入れれるのご安心を〜
放送もフォグガードも扉のロックもスプリンクラーもこっちでコントロールできますので工夫して援護しますよ。
じゃー早速アラーム鳴らして威嚇しますね〜』
すると、建物中内に甲高いアラーム音が鳴り響いてスピーカーからヒロキの声が聞こえてきた。
『こちらは、アケチセキュリティです。犯行はこちらで録画されています。直ちに犯行を止めろ!』
スマートグラスに3Fにあるオフィス内にいる4人が映る映像が見えてきた。
2人は物色し、1人はアマダ氏と思われる人物に何かを突きつけて身動きを取れなくさせているのが確認できた。
物色する2人は、放送の言葉にびくついた様子をしていたがアマダ氏の隣にいる彼は冷静そのものだった。
ヒロキがフォグガードという煙を噴射して威嚇する機械を操作したのだろう、物色する2人に向かって白い煙が吹き出されていた。
「よし。物色した2人を残して博士を連れた奴が部屋を出たぞ! ヒロキ!部屋の扉を閉めろ」
『おっけー!3秒後にパニッククローズがオンになるから、問題ないよ。物色してた2人は閉じ込められるけど...博士を連れた奴が廊下出たみたい』
カケルはそれを聞いて、マコにこう言った。
「マコ!2対1で戦える環境は整った!行くぞ」
カケルはそう言って、ヒロキにその場所へ向かうための最短ルートを聞きそこの扉だけ開けるように指示を出した。
3階に上り切ると、廊下で手錠を付けられたアマダ氏が涙ぐんだ顔をしながら、体格の良い黒い目出し帽をかぶる男性に拳銃を突きつけられていた。
「銃を捨てなさい!」
先に叫んだのはマコの方だった。カケルも拳銃を男に向けた。
男はアマダ氏を突き飛ばした。転けそうになったアマダ氏をマコが受け止めた。
すると男は拳銃で窓を破壊して、地面に向かって飛び降りていった。
「おいおい。ここ3階だぞ!」
カケルがそう言って驚いている時点で男は既に外に飛び込んで行っていた。
割れた窓から外を覗くと着地して回転して受け身をとって、立ち上がった男とほんの一瞬だったが目があった。
男はすぐに走って海の方面に逃げていくのが目に入った。
「マコ!博士を頼んだ!!」
「え、えおっけーだけど...まさか飛び降りて追いかけるの?」
カケルはそれを聞いて階段の方へ向かって走りながらこう言った。
「いや無理無理!」
カケルはそう言って階段を駆け下りていった。
プランセス「いやー3階から飛び降りなんですごいじゃないの!?エリックはできる?」
エリック「うーん....ロープが欲しいね」
ジャック「俺も...」
カケル「俺も...」
プランセス「なんなのあんた達!いいわね。彼はぜひうちのチームに欲しいわね」
ゼロ「あーあーまた始まったの。優秀な人が好きなプランセスのあの癖が...」
プランセス「3階よ。落下速度時速50kmを無傷よー」
マコ「あ、スタントマンさん戻ってきましたよ〜って、」
ゼロ「はいはい!ストップ。名前出しちゃダメだよ一応、彼も主要キャストなんだから。
ここでお開きね。次回もお楽しみで、ってね!」