魔物辞典と父親の闇を見たのだが?
一気に時間が過ぎます。
それと、累計アクセスが100回を突破しました!皆様ありがとうございます!
記憶が戻ってから約1ヶ月、基礎魔法を全て覚えた。
微風、火球、舞砂、水滴。この四つを覚えるにあたっての失敗談は恥ずかしいので無し、少なくとも500回は失敗しているから 。
他属性の魔法はまだまだ先、当分は風、火、土、水の四大元素魔法の習得だ。
さて、今日は魔法の練習ではなく他の本、魔物・魔獣辞典で気になる生き物がいないか調べてみることにしている。
あ、どうでもいいが計画表は日記帳に戻った。日本語ばかりだけど。
パラバラとページを適当に捲ってみる、どうせなら可愛い奴がいいな、と進み戻りを繰り返していれば目に入るものが
「妖狐…狐!もふもふ!」
この和か洋で言ったら洋風の世界に妖狐という単語、不思議な生き物!日本人として馴染みあるからか惹かれるものが多い!もしいるなら仲間にしたいな。
「おー、アラクネ。虫自体は苦手だけどこういうのは少し好き」
蜘蛛人はぱっと思いつくのだと某決意を固めるゲームの子、あれは可愛いしこの辞典の蜘蛛人はソレに似てる。下半身蜘蛛で上半身普通の人間というパターンもあるけどそれでも好きかも。
「鎌鼬…深紅狼……砂大蛇……海馬……四大元素精霊」
いいねー、日本の妖怪も混じってるし、魔物かどうか怪しいのも何個かあるけど魔王の仲間としては面白く転びそうなものばっかり。
……海馬って脳じゃんなんて思ってない。
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少し雑になるが、それから約2年。7歳の誕生日を迎えた時には色んな魔法を覚えた、練習中怪我することもあったけどそれも「回復」で回復できるようになった。
そしてついに剣や弓の稽古も付けてくれるようになった。剣の方は見て、アカツキさんと実践、反省、見る、実践、反省…を繰り返している。弓は……まだ弓が引ける程上手くない、力任せにも出来ないのでしばらくはその練習をしていた。弓は骨で引くとは一体どういう意味なのだろう。
それともうひとつ、アプフェルさんが学校に行ってる間だけどピアノやハープ、ヴァイオリンの指導を彼女の先生、ファルテさんにしてもらっている。アプフェルさんは17歳、本来なら去年で勉学自体は終わるのだが本人が「王都の音楽校に行きたい」と志望し自力で入るならと親の許可も貰い、見事合格し寮暮らしをしている。
私の方だが、楽譜の読み方は現代と全く同じなので指を慣らす所から、吹奏楽部の時はチューバを吹いていたからピアノはともかくハープやヴァイオリンとは無縁だ。ヴァイオリンに至っては音が出ない、あとヴァイオリンの弓長い。
そんな感じで更に約3年、アプフェルさんの成人の儀では1番出来のいいハープを演奏させてもらった。10歳3年の練習にしては上手いと褒めてもらえて嬉しかった。この3年のうちにビルネさんとも少し仲良くなった、ビルネさんも魔術師としての才能を伸ばす為に私と一緒に練習するようになったからだ。
ビルネさんはシグレ姉さんと一緒に王都の魔法学校に通っていて大きな休みになれば帰ってくる。この家にいる子供は基本的には私だけ、食事も静か。
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魔法の練習から帰り楽器の練習に移ろうと廊下を移動していれば不意に聞こえてくる父と父専属の執事の声。邪魔してはいけないと遠回りしようとする時に聞こえてきまう
「おいヴァルター、あの小娘は今年で何歳だ?」
「ユキノお嬢様でしたら今年で10歳になられます。」
「ふふ、あと7年か……」
「そうですね、奥様を殺しユキノお嬢様に殺人の罪を被せ完全にこの家を乗っ取るまで…」
は?アカツキさんを殺す?私が殺人の罪に?乗っ取る?何を言っているんだ彼奴ら
「この作戦が上手く行けばアカツキ ミコトから権力を奪い、次期当主であるユキノも伯爵家としての立場を奪えるのだからな」
……え
うちって伯爵家だったの?ずっと魔法や音楽、稽古で家の事情とか覚えるの忘れてた。あと2年で覚えとこう。
じゃない、そんな事よりアカツキさんを殺させないために動かないと
よくよく見ると努力の描写を全部飛ばしてる気がします。