鳥かごの姫君
1話目短いですがこれから長くしていきます!気長にお願いします!
窓辺に置いてある白い鳥かごの近くに数羽の鳥が集まってくる。その鳥かごの中にいる青い鳥は先日、王である父からもらったものだ。
集まっていた数羽の鳥は、可愛らしい声で鳴くとまたどこかへ飛んで行ってしまう。そして、かごの中の鳥は、他の鳥たちが飛んで行った方を、しばらくじっと見つめるのだ。ソフィアはこの光景が嫌いだった。
なぜ他の鳥たちは青い鳥を少しでも助けてあげようとしないのだろう。仕方のないことだと分かってはいても、小さなため息をつかずにはおれない。それは、この鳥たちのせいばかりではなかった。
ソフィアはこの青い鳥に自分を重ねて見ているのだ。王族は基本的に城の外へは出ない。それはソフィアも知っている。けれど、ソフィアはこの城の、この自分の部屋から出たことがほとんどない。いや、正しくは、幼い頃は普通に城の中なら自由だったのだ。いつだっただろう、父がソフィアをこの部屋から出さないようにしたのは。
母、王妃が亡くなった日だった。雨が降っていたのを覚えている。10年前だった。その日のことをソフィアはほとんど覚えていない。
ソフィアはもうすぐ17歳。
いったい、いつまでこんな生活が続くのだろう。
ねぇ小鳥さん、とソフィアは人の言葉がわかるはずもない鳥へ話しかけた。
「私は、この鳥かごのような城から一度逃げてみたいの。あなたは私と一緒に来る?」
シリアス多めかもしれませんが、重くならないように頑張ります!楽しんで頂けると幸いです!