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一般人

ただの一般人のお話

作者: 月下氷人

書いてるとランキング上位の人の凄さがわかってきますね(・Д・)

僕は最近、よく夢を見る。

同じような夢だ。

いつも同じ所で目が覚める。


今日も──




△△△




僕と彼は親友だった。いつも一緒に遊び、夢を語り合い、笑い合った。そのまま一緒に大きくなっていくと思っていた。


そう、()()()()()



いつからか彼は変わっていった。


いや、きっとあの時だったのだろう。彼と僕の道が分かれてしまったのは。






僕と彼は正義に憧れて騎士となった。誇りある騎士だ。皆を護る騎士を目指して日々訓練に明け暮れた。



団長は厳しい人だったが、人一倍情に厚い人だった。


他の団員も皆、良い人ばかりであった。


そして彼と僕、例え喧嘩をする事が有っても、誰よりもお互いを信頼していた。



そんな仲の良い騎士団の面子であった。



ある日、事件が起きた。

一瞬の事だった。



たまたま歩いていた子供が人にぶつかる。

ただそれだけの事だ。



相手が良ければ



その男は貴族、正確には貴族の嫡男であった。貴族である事の誇りノブレス・オブリージュはなく自尊心のみ膨らませた、豚のような男であった。

事実、彼には後ろ暗い噂が多くあった。


しかし、罪を問われたのは子供を庇った団長の方であった。様々な冤罪を背負わされ、刑を処せられた。


団長は「仕方がない」なんて言って笑って受け入れた。





それから彼は変わってしまった。

いや、僕が変わったのだろうか。



団長の仇を取りたい彼

団長の意思を守りたい僕


悪をさばき、復讐をしようとした彼。

民を守り、皆の助けになろうとした僕。



どちらかが正しくて、どちらかが間違っている訳じゃない。強いて言うならどちらも正しく、どちらも間違っている。



そんな僕たちがぶつかり合うのは当然の事と言えた。





でも結局は喧嘩と同じこと。

何度も争い、傷つけ合った分、想いは伝わっていった。伝わってきた。



そして彼と僕は和解をする。

昔、2人で信じ合った正義を目指して──




△△▲




まただ。これで5日目だ。


この夢を僕が見るようになってから。


最初は気にならなかった。ただの夢だ。というか面白い夢見たなぁぐらいの気持ちだった。



しかしそれが続けば別だ。



何かしら自分に関係があるのではないかと気になって仕方がない。



僕、綾野あやの良純よしずみはただの学生だ、取り立てていうような特技もなく、特殊な力なんて一つもない。コミュ力も学力もなければイケメンでもない。神は何故僕に何も与えなかったのか。


そんな(モブ)だと思っていたがどうやら違うらしい。



あの夢はきっと何かのメッセージに違いない。


前世の話なのか、来世の話なのか、それとも別の何かなのかは分からないものの、きっとあの話は僕に関係する何かなのだろう。


そして今、この夢を見ると言うことはこれから何かが起きるに違いない。



これは僕の直感だった。



何故か外れる気がしなかった。




△▲▲




それにしても毎回同じところで目が覚めてしまい、続きが気になる。続きがあるのかは不明だが。


さらに言うと、仲直りする前に終わってしまうからとてもムズムズしてしまう。なんだかスッキリしない。



しかし、ハッピーエンドではあるようだ。一応。

これで仲直りに失敗する可能性はあるけれど、誰も救いようのない展開にはならないだろう。



それにしても何だか厨二心をくすぐられたな。


そう言えば昔、体内にある『気』を感じ取ろうとしたこともあったな。



もしかして今なら出来るかも知れない。



魔力的な何かに目覚めてたりするかも知れない。



何だかテンションが上がってきた!


しかしそこに水を差すのが親友のケイだ。

別にそれが悪いとかではないけど。


「いや、普通に考えてないから。厨二乙」


そんなことは僕もわかってる。

それでも夢見たって良いじゃないか!



宝くじが当たらないとわかってても買うのと一緒のことで、僕らは一筋の望みに夢を馳せるものなんだ。


普段は信じていなくとも、いざという時は神に頼る。

これまでの経験からそれが意味を成さないと知っていても。



つまりそういうことなんだ。


これはただの夢。不思議なことなんて何一つない。僕が勝手に夢見てるだけ。

あ、今上手いこと言った。



結局はただの妄想、現実逃避の厨二病野郎ってことだ。この歳にもなって恥ずかしい……。




▲▲▲




例えそうだとしても凄いことだと思う。

何日も続けて同じ夢を見るだなんて。


何だか他の人に自慢でもしてみたい気分だ。

他に自慢出来るような友達もいないけど。



そうやって何となく人生を生きて、最高とまで言えなくても後悔のない人生を過ごせたらいいな。



そんな少しセンチメンタルな気分に浸っていた僕にかけられた無慈悲な先生のことば



「今日は、抜き打ちの小テストやります。点数の悪い人、これから宿題増やしますんで」



嗚呼、なんてことだ。

僕は成績が良い方ではないのだ。


しかもそれはテスト前に詰め込んでそれなのだ。



抜き打ちなんかでテストすれば爆死判定確定なのだ。



こんなことになるなら勉強していれば良かった。

凄い夢見たとはしゃいでいる場合ではなかった。



そう言えば続けて夢を見た時に何かが起こる予感がしていたんだっけ?

もしかしてこれのことだったんだろうか?


とりあえず言えることは最悪だってこと。




どんなに良いことがあっても、嫌なことがあっても、時は止まることなく進んでいく。


ドラマチックな事のないドラマ(人生)描く(歩む)、そんなただの一般人のお話


因みにこのお話にはノンフィクションの部分があります。何処とは言わないけど。言わないけど。

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