プロローグ
プロローグ
退屈すぎて倒れてしまいそうだ!
心を躍らせてくれるような話が全くと言っていいほど無い。
寧ろ、どこの村へ訪れても暗い話を頻度が拍車がかかったように増えてきている。
外を歩けば人は口を揃えて戦争の話ばかりだ。魔王勢力が何処まで攻めて来たとか、防衛線が突破されて村が襲われたとか、次はこの村が襲われるのではないかと恐怖に駆られていた。不安で押しつぶされそうなのは分かるが、酒場で飲んでる時くらいは気を利かせて暗い話は控えて欲しいものだ。
・・・とは言いつつも、それも今では昨晩までの話。
こんな退屈な日々にようやく終わりが来た!
今日昼食を食べに出かけた時、村の広場から歓声があがっていたので様子を見に通りがかったら、勇者(自称)と名乗る者が公開演説をしていた。広場にいた村人たちは歩を止め彼の話に夢中になっていた。遠くからだが、気づいたら自分も彼の話に耳を傾けていた。
主張を省略すると戦争を止める為には魔王打破が魔王軍にとっての致命的な一撃になると、そして彼の意思に賛同し協力してくれる者は宿まで来てくれと。
取り合えず、今晩は勇者(自称)の宿に行って顔だけでも見ておく事にした。