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02 登場人物とか

 さて、恥ずかしい桃樹との、なんだあれ?暴露?違うな、汚点?違う違う。

 別の世界の不幸な出来事を話し合った後、私は心を落ち着けるためにもゲームに出てくる登場キャラクターたちをノートに殴り書きしていた。

 明日のね。鷲谷のいる場では、もう二度とあんな恥ずかしい話をしたくないからね。

 桃樹はまだ帰ってこない。んむ。彼とてまだ中学を卒業したばかり。まだまだ純情へたれ少年なのだ。お姉さんはとてもとても心配である。


 しかし、そう考えるとこのゲーム爛れてるな。流石エロゲ。鷲谷なんて小六で誘拐事件おきたから、ゲームの筋書き通りだと……やだ!性の乱れ半端ない。

 前世の私は清いまま転生したのだ。皆もっと身体を大事になさい。愛しのメインヒロイン改め、ミコちゃんが本能のまま突っ走る暴走高校生の餌食になんて、やっぱり間違っている!


 基本このゲーム、主人公の倫理観はゆるいし、ミコちゃんも押されまくると流されてしまう。トゥルーエンドの甘さっぷりを見ていると、他の子の貞操もそんなに早くはやぶられないと思うのだけど。


 ん~、章とか話の間にちょこちょこ、脇役とのエロイベントあったよなぁ。

 たぶん、ヒロインでお預けしている間は、敵とかライバルキャラとかがウニュウニュする事で序盤のエロ度を稼いでいたのに違いない。ぬぬぬ。そいつらのって愛も無いんだよなぁ。あー。邪魔したい。


 桃樹と鷲谷のイベントと敵に凌辱される女の子のイベントは絶対、阻止したい。愛の無いエッチ。だめ絶対!鷲谷もなんだかんだランドセルからの付き合いだものなぁ。いかんよ。うん。不純異性交遊は許しません!


 あやかしのおこす殺人も阻止したいけれど、これはどうかな?相手は人外だし。ぬ~ん。勝てる気がしない。でも殺人とか言いつつエログロ殺人なんだよな。被害者が可哀相過ぎる……


 などど考えながらノートに思うがまま、登場人物たちを綴っていく。サブキャラや軍の人とか入れると凄い人数になるから、メインの人と敵のあやかしだけ。


 うん。こんなもんかな?






 『あやかし幻想奇譚~帝都炎上編~』ヒーロー・ヒロイン・敵設定


 まず、主人公について。主人公は菅沼黄騎すがぬまこうき。今年入学の一年生だ。私達と同じ学年。たぶん、同じクラスじゃない。

 と言うのもゲーム内で授業のスチルはあるのだが、安定のモブだらけ教室のみ。使いまわし!描写では私らは出て来ない。うん。エロゲに授業風景とか要らんわな。

 で、こいつはあやかし。菅原道真の天神様がモチーフじゃないかと思われる。雷を使う鬼だ。

 メインヒロインの天照ミコちゃんのピンチで能力が覚醒。以降、メインストーリーでルート分岐をしながら各ヒロインの好感度を溜めつつエンディングに向かう変身ヒーローなのだ。なんて安直な。


 学校生活メインではなく学校外で起こるあやかしの起こした殺人事件を追う形でストーリーは進んでいく。期間は大体一年間だ。主人公がテストで苦労していたとかの描写は無い。頭いいのかな?

 体育祭とか文化祭はちゃかりイベントあるんだよね。学生やヒロインが狙われる訳だけども。

 ミコちゃんとイベント進めながら他のとラッキースケベ起こしやがって……あ、いかん。やつの事を考えると憎しみしか湧かない。エロゲ主人公としては嫌なやつじゃないと思うが、女から見るとやっぱり嫌なんだよ。




 メインヒロインの天照あまてらミコちゃん。どう見ても天照大神から来てます。天照大神なのに金髪。太陽だからか?可愛いからヨシ!ツンデレだ。

 入学式で道に迷っていたところを遅刻してきた主人公と遭遇する事で出会う。もちろん満開の桜の木の下でですが。なにか。

 ストーリーのラスボスと因縁がある。ラスボスに狙われる鍵という存在だ。

 神須佐之かみすさのという許婚がいたが、ラスボスに殺されている。妹も攫われていて、後半の怒りまくる悲しみのミコちゃんに私は涙したものだ。

 二次元のミコちゃんがリアルでどんな姿をしてるのかを私は密かに楽しみにしている。えへ。




 以下、他ヒロインたち。キャラごとに個別エンディングがあるけど、私は見ていない。多分、トゥルーを選べば皆幸せになるのではと思っている。

 他ヒロインは主人公やミコちゃんのストーリーの解決を手伝いながら個別に問題を抱えていてそれを主人公が解決して仲良くなっていく感じ。

 大筋のストーリーは一本道なのだ。

 ちなみにハーレムエンドは不明。フラグ放棄しましたので知りません。


 日高梛梨亜ひだかだりあ鷲谷慶わしやけいの許嫁。親同士の口約束で正式なものではないらしい。ずっと女子校で高校から華桜に来るので私と桃樹に面識は無い。

 女の敵となった鷲谷が高校が同じになった梛梨亜にちょっかいを出すイベントがあったが、チャラフラグを折ったので無くなりました。そういえば彼女はただの人間だね。

 鷲谷がまともになったので、ストーリーがどう変化するかは分からない。


 来栖亜璃亜くるすありあ。イタリア系ハーフなヒロイン。セイレーンのあやかし。桃樹を僕としていたがフラグは撃破。桃樹の事件のあと若干、ぎくしゃくして疎遠になった。以来、ただのクラスメート。

 桃樹がいない状態でストーリーがどうなるかは謎。


 白檀びゃくだんナーガ。インド系ハーフなヒロイン。白竜のあやかし。肌の色はすこし濃いけども銀髪さん。ひとつ年上の二年生で、インドからの留学生だ。ストーリーは知らない。


 西方来虎にしかたきとら。白虎なあやかし。体育会系女子だったと思う。中華っぽい二つのお団子をしている女の子。妖力の使い方が下手で悩んでいたような気がする。


 冥荷飯綱みょうがいづな。新聞部の部長。二年生。主人公と共に事件を追う。男装の麗人。狐のあやかし。飄々とした性格で人当たりもいいのだけど、男嫌いだったはず。お約束で主人公を気に入って新聞部に引き込むのだけど、矛盾してね?





 次が敵の方たち。


 アサグ。ラスボス。浅具太平あさぐたいへいと名乗っていたが、本当はシュメール神話に登場する悪魔。イケメンだけど、私は絶対に会いたくない。

 エレシュキガル召喚を企み一連の事件を起こす。なぜ日本で?って謎はエロゲだからでしょうか?

 エレシュキガルは乾燥した塵だらけの土地「クル・ヌ・ギ・ア」を支配する死の女神だ。魔王エンドではアサグが魔王になって帝都を大炎上させる。破滅エンドではエレシュキガルが真のラスボス(だだし操られ系)となる。この人、ちゅど~んって謎の光線を宇宙から放って、地球を爆発させる。なんなの。


 グラム。狼獣人のあやかし。一話目と二話目に出てくるチュートリアル敵キャラ。コメディ要員でちょっと好きだった。こいつ以外のあやかしは基本残虐なんだ。で、こいつだけ死なない。


 サラトガ。インディアンの女呪術師。占い師として男性客を食い殺していた。性的に。この人の被害者はみんなミイラだ。


 ウェンディ。水色ドレスのロリ。彼女のイベントはちょっときつかった。人形で中身は100歳越えって設定なんだけど。それって意味あるの?切実に阻止したいんだけど、彼女自体が喜んじゃうんだよなぁ。無いわ~。これの被害者はバラバラ。


 タムタムブラッキィ。イタリアンマフィア。たぶんネタキャラ。ガチホモなので手下を使ってあれな事をする。手下が何人もいるので被害者は色々な殺され方をされたっぽい。主人公との対戦はネタっぽくて息抜き回だった。VS桃樹とかじゃなくて本当に良かったよ。


 アラクネー。蜘蛛のあやかし。アサグが好きで好きで仕方ない人。敵の中では一番悲惨な最期だった。被害者は首ポーン。この人が出てくる話から変なシリアス路線になるんだよな~。


 アンラ・マンユ。アサグの忠実な執事。サディスト。ゾロアスター教に登場する悪神がモデルみたい。サディストなので色々な殺し方をする。遺体の状態は一番酷い。


 天照ヤコ。ミコちゃんの妹。まだ中学生。ミコちゃんと間違われて浚われて人質になっている。

 いちおう、やばい描写は無かった。中学生だものね。だたし、繭みたいな中でずっと眠らされていて、エレシュキガル召喚の為に生贄にされてしまうルートがある。これ阻止できなければ確実に破滅ルート。






 ふー、……こんなものだよねぇ?やー、疲れたぁ。

 思いっきり座席で背伸びをした瞬間、カチャとドアの開く音がした。


「桃樹、遅かったね」

「ん?あ、ああ」

 ふわんとシャンプーの香りがした。桃樹の香りだ。


「お風呂はいったの?」

 振り向きながら聞くと、桃樹はすっと目を逸らした。耳が真っ赤だ。少年が照れている。


「……ちょっと走ってきたんだ」

「ぶ、ははっ。あはははは」

「と、桃花!?」


 走ってきた。走ってきたですと。この青春小僧。


「あはははは。あはっ。ケホっ。ケホ…はあ、はあ」

「桃花?」


 笑いが止まらなくなって、ついには咽てしまった。桃樹は背中をさすってくれている。ちらっと見れば随分と訝しげな顔をしているよ。

 あれ?変だな?なんか笑いがとまらん。ハイテーンションっ。うはは。苦しい!


「なに笑ってんだよ?」

「はぁ……いや、だってさぁ」


 だって、まるで煩悩打ち払いに行ったみたいじゃん。それ、気になる子にする反応でしょ?


「一緒に生まれたお姉さんとのエロイベントだよ?エロゲのイベント。そこはドン引きするとこじゃないの?」

「うぇ!?なんだよそれっ」

「一卵性双子ほどじゃないけど、結構顔は似てるし、桃樹だし?赤面して夕日に向かって走るとかちょっと違うよ」

「夕日になんて走ってねぇよっ!!桃樹だしってなんだよ!」


 やれやれとポーズをとる私の頭に桃樹がぽんっと手を置いた。


「言うほど俺たち似てねーし。背だってこんな違うし。俺、男だし」

「はぁ?なに言ってんの?」


 見上げる桃樹の顔はそれは高い位置にある。私、座ってるしな。こいつ170cm越えやがったしな。くそう。

 軽く睨むとやつは微かに笑いやがった。お姉さま。ワタシお姉さま。


「いや。桃花はお子様だな~って思っただけ」

「ええ?」

 なにそれ?なんでそうなるのー?弟が乱心した。


「あとさー。もう高校生なんだから。エロゲ、エロゲって連呼すんなよ。女だろー?」


 つんとおでこを突いて桃樹は出て行った。なにそれー。青春小僧してたお子様はお前だろぉ?

 はっ。これがエロゲの強制力か恐るべしエロゲ効果。


 本当にエロゲ世界は恐ろしい。早くクリアして安寧が欲しーーい。

どうしよう。どんどん幼稚な子になっていく…


この世界の人たちは恋愛脳が発達しております。エロゲ世界だから。

桃花は転生者なので恋愛脳が退化しています。分厚い色眼鏡をかけてるから。

しかし、真面目にエロゲのシナリオも考えなきゃデスね。鬱だ。

ここまで、お読みいただきありがとうございます。


6/13追記。ブックマークしてくださった方がいらっしゃるのですね。

感動で心が震えました。ありがとうございます!

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