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「待て!」


 急いで甚助は制止した。

 山寺の屋根、煙り抜きに人影を認めていた。


 あれは……源二だ!


 手に弓を持っていた。

 源二は屋根に立ち上がり、きりきりきりと弓を引き絞る。

 一杯に引くと、


 ちょう!


 とばかりに一矢を放つ。

 次の瞬間、ぎゃあと叫び声を上げ、一人の男が仰け反った。胸に深々と矢が突き刺さっている。

 わっ、と男たちは浮き足立った。慌てて弓を取り、矢を番える。と思ったら、もう矢を放っている。矢はひょろひょろと飛んで、屋根に力なく突き刺さった。


 馬鹿者どもめが……。


 甚助は苦りきった。


 源二は屋根に上がっている。上から下へ矢を放てば威力も倍増する。反対に低いところから矢を放っても、中々命中するものではないことは、戦の常識だ。それくらい、知らぬ者がないのか?

 屋根の源二は次々と矢を番え、充分に引き絞ったところで放っている。放たれるたび、次々と悲鳴が上がる。

 その姿を見上げ、あらためて甚助は見惚れていた。


 さすがは、猿の源二!

 敵ながら、天晴れである。

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