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下水道の闇

下水道は暗くて臭い。


足首までつかる汚水を踏みしめながら、よろめきながら前に進む。追っ手は追ってきてないみたい。こんな汚い場所には入りたくないのか、それとももう死んだと思ったのか。


どっちにしろ、今は安全だ。


湿った壁に手をついて、一歩ずつ前に進む。


体の傷がどんどん痛む。聖光のやけど以外にも、さっき逃げてる時に切られた傷。それから前からあった擦り傷やくじいたところ。服はとっくにボロボロ。上着の袖は半分なくなってる。スカートは裾から太ももの付け根まで裂けてる。血まみれの足が丸見え。


ダメだ。

本当にダメだ。


壁に寄りかかって、ずるずると座り込む。息を荒くつく。


周りは真っ暗。手を伸ばしても見えない。時々頭上から、マンホールの隙間からわずかな光が漏れてくるだけ。それが外がまだ昼間だってことを教えてる。


自分の足を見る。


太ももに深い傷があった。剣で切られた跡。まだ血が出てる。量は少ないけど、放っておいたら化膿するかも。


少し迷って、スカートの布を一枚破いた。傷口に巻きつける。


次は肩。腕。ふくらはぎ……

一か所包帯するたびに、服が一枚減っていく。


最後には、ほとんどぼろきれみたいな格好で座ってた。スカートは短くなって、やっと太ももの付け根を隠せるかどうか。上着は腹が出るチューブトップみたいなのになってて、肌があちこち露出してる。


もし誰かに見られたら、絶対に変な人だって思われるだろうな。


自嘲気味に笑った。


その時、闇の中から手が伸びてきた。私のあごをつかんだ。


その手は冷たくて細長くて、逆らえない力があった。


呼吸が止まった。


「やっと見つけた。」


耳元で声がした。低くてだるそうで、ちょっとからかうような笑みが含まれてる。


「俺の小さな生贄。」

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