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アイザックの伝言
次の日の朝、目を覚ますと、自分のベッドに横たわってた。
いつ、誰が連れ戻したのかわからない。
枕元に一枚のメモが置いてある。
「昨夜のことはなかったことにしてやる。——ルシファー」
メモを見て、思わず笑った。
なかったことに、ね。ちゃんと覚えてるくせに。
メモの下に、何か挟まってる。
アイザックのあの徽章だ。
徽章を手に取る。じろじろ見る。
その時、急に徽章が光った。
中から声が聞こえてくる。
「佐々木さん、もしこの伝言を聞いてるなら、もうもっと知る準備ができたってことですね。」
アイザックの声だ。
「前に話した真実は、まだ氷山の一角です。一条煌の本当の目的は、あなたが思うよりずっと複雑だ。もし全部を知りたければ、人間界の『黄昏の酒場』に来てください。私が待ってます。ただし、一人で来ること。」
徽章の光が消えた。
徽章を握りしめる。長い間黙る。
一人で来い?
なぜ?
ルシファーは絶対に許さない。
でも、アイザックがそう言うなら、きっと理由があるんだろう。
窓の外の空を見る。迷う。
行くか、行かないか、行くか、行かないか、行くか、行かないか——




