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「佐藤くん、大丈夫ですか……疲れてません?」


「……ああ、大丈夫だ……結構歩いたな」


「あと少しでコンビニです。がんばりましょう」


「わかった」


かれこれ一時間くらい歩いたかな。赤月さんと一緒に並んで歩くのは楽しいし、嬉しいし、幸せだ……けど、かなり疲れた。ガチで運動不足なのを実感してヤバい。


(これ、ウオーキングってこんな早く歩くんだな……めちゃくちゃ疲れるんだが)


疲弊しきっている俺とは対照的に赤月さんは全くそんな様子がない。汗はかいているようだが、にこにこと明るい笑顔を浮かべながら歩く。息も全くあがっていないし、動きも鈍らない。すげえ……いや、まあ毎日走ってるんだからそりゃそうなんだが。


そうして目的のコンビニへと到着。


「ふぅ……佐藤くん大丈夫ですか?」


「あ、ああ……全然大丈夫、元気だよ」


「それなら良かったです。怪我されているので、ペース抑えめにしたんですけど、それでもやっぱり辛かったのかなって不安になってしまって」


……なん、だと?


「まあ、うん……大丈夫だよ。ちょっと店で買うもの買ってくるな」


「あ、はい……それじゃあここで待ってますね」


「うん」


コンビニに入った俺はトイレへと直行する。そして便器に座り、大きく呼吸を繰り返す。


「……はあ、はー、はー……まじで、つかれた……」


赤月さんが見ている手前、平気なふりをできる限り頑張っていたが……やはりキツイものはキツイ。疲労感がすごい。まだ朝の六時過ぎなのに、もう疲れ果てて眠たくなってきたよ。


……てか、きのう寝てないのもあるか。ほとんど徹夜みたいになってたし。そら余計に疲れるわ。


(ふう、よし……行くか)


トイレを出て歯磨き粉と飲み物を購入。麦茶のペットを二本。店をでると彼女の姿は見当たらなかった。


「……あれ?」


どこに行った?と、コンビニの周辺を見回していると、


「ばあ!」


「うお……!?」


店の陰から飛び出てきた。


「あはは、びっくりしてる」


「そらするだろ……」


けたけたと無邪気に笑う赤月さん。これは……即死級の笑顔ですねえ。どっきりと可愛さで心停止しそうになったわ。


「びくっ、てした……ふふ、ふ」


いや、めちゃくちゃ笑われてる!どんだけ可笑しかったんだよ。


「うざぁ」


「ふふ、ごめんなさい……ふふ」


「覚えてろよ、次は赤月さんの番だからな」


「むむっ」


「めちゃくちゃビビらせてやるから」


「……ふ、できますかね。私、強いですよ」


「強いんだ?」


「はい、現れた瞬間に眉間に一撃です」


「そういう強い!?」


にやりと悪い顔をする赤月さん。いや怖可愛いんだが……。



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