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「……どうかした?俺また変なことしちゃったか」


「いいえ、そんなことありません。むしろ逆で、それは言われて嬉しい褒め言葉です……」


まさに光を浴びて輝く雪のよう。その表情は今までに見た中で、一番美しく俺の胸を撃った。……エイムが悪いとかいってすまない。


「それなら良いんだけど……」


「そういえば、佐藤くんに前から聞いてみたかったことがあります」


「前から?」


「はい。きこうきこうと思いつつ、聞きそびれていたことなのですが」


「うん、なに?」


「なぜ、この兎の髪留めをくれたんですか」


前にご飯を作ってくれるお礼にあげた白い兎の髪飾り。あれから常に着けてくれているそれを指差し彼女は聞いた。


「え、それは……ご飯とか作ってくれてるお礼だから。前に言ったよな?」


「あ、すみません。そうなんですが、どうして白色の兎なのかと言う意味で」


「ああ、なんか見てたら兎好きそうだったから」


「白なのは」


「それは……」


ピンクの弁当箱とそれを包んであった布が頭によぎる。あの時点ではピンクが好きだと聞いていた。確かになんで、白色の兎を……。


「自分でもよくわかんないな。なんでだろう、白色の兎が似合うと思ったんだ……ごめん、ちゃんとした理由は無い」


多分、赤月さんの髪色にひっぱられたのかもしれない。美しい彼女の髪色が俺の心に残っていて、それを選んだのかも。……ん?あ、これが理由か。


それを話そうと彼女の顔を見ると、すげー嬉しそうな顔で俺をみていた。


「この子が似合うって、そう思って選んでくれたんですね。……とっても、嬉しいです」


「あ、うん……まあ」


たいした事も言ってないのに、なぜか凄く嬉しそうだ。なんか、ギャルゲーとかで、こんな選択肢で好感度上がるわけ無くね?と思って選んだやつが正解だった時の気持ちになるな。なんでそうなったんや、っていう……。


まあ、赤月さんが嬉しそうなのはとても良いことだけども。俺も嬉しいし。


「……あ、聞いてみたいことと言えば俺も」


「はい、なんでしょう」


おお、機嫌がすこぶる良くなってるな。今日イチの声の明るさ。


「赤月さんゲーセン好きなの?」


「え、あ……まあ、少し……興味はあります、ね。なぜですか」


「さっき見てたからさ。このあと寄ってみようか」


「いいのですか」


「いいでしょ。逆になんでダメなの?」


「映画のように不良の方に絡まれたりとか」


「ああ、さっき観た映画でもそんなシーンあったな」


「危ないのでは……」


「ここは大丈夫だと思うけどな」


「そうですか、では行ってみたいです」


「うん、少し遊んで帰ろっか」


赤月さん、ゲーセン自体行ったこと無いのか。



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