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シンヤの国と、陽ノ王国  作者: 京(ケイ)
1/1

光と夜の青年

初めて書きました。

地味だと思いますが、頑張って書いていこうと思います!

ーーー

夢を見た。

子供が独りで泣いていた。

なんて言おうか…

悩んでいると、声が聴こえた。

「イカナイデ」

機械みたいな声だった。




「ん…」


俺は小さく声を上げる。

まだ薄暗い、冬の朝。


室温はかなり低いと言うのに、俺はうっすらと汗をかいていた。

昨日から熱を出して寝込んでいたせいだ。

腹が減った。


もう数日間、何も食べていない。


学校も不登校。


外に出ることも少ない。


自分の痩せ細った腕を見て、ぼんやりと天井を見上げる。

ぼろぼろの壁紙と、散らかった床。

煙草ときつい酒の匂いが鼻をつく。


(親父…まだ飲んでたのかよ…)


母が出ていってから、父は飲んだくれるようになった。

酔っ払っては俺をなじった。


『お前もアイツと、いっちまえば…よかったのによォ!』


俺は、目の色が左右で違うのだ。

右は茶色なのに、左は真っ赤。

夕日のような赤からオレンジへのグラデーション。

親父はこの目が大嫌いだった。


『その目でオレを見るんじゃねぇ!』

『気持ちワリぃんだよ!こっち来んな!』


母が出て行くと、はっきりと俺に言うようになった。


親父が飲んでる酒も、煙草も、俺が働いた金で買われていた。


なんのために、俺は生きている?親父の為なんてごめんだ。もう、疲れた…


破れかかっているシーツの上で、俺はぼんやりと上を見る。


『いなくなるなら、お前がよかった…!!』

母が出ていく直前に俺に言った言葉。

そして、今まで何度も頭の中で響く心からの叫び。


その時まで、母は俺を愛してくれていたと思っていた。

心の底から、笑ってくれていると思っていたのだ。


でも、母が愛して見ていたのは、俺じゃなかった。

アイツだった。


父のなじりに耐え、母を心の拠り所としていた俺にとって、その言葉は、剝き出しの怒りのナイフに等しく、俺を今も、えぐり続ける。


それから、何も感じなくなっていた。

それも、アイツがいなくなったからだ。


俺は、アイツが大好きだった。

運動神経が良くて、明るくて、女子とも簡単に話せて、いつも周りがキラキラと光っていた、憧れの存在。

もう一人の俺で、俺と正反対の存在。


(なんで、いっちまったんだよ…)


「直哉。」


小さく呟いた瞬間。

俺の意識は真っ暗闇の空間に刈り取られた。


もう、何も感じない。


評価してくださると嬉しいです!

どんな感想でも、それを元に改善していきたいと思います!

(暴言等はやめていただきたいです。)

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