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3. 神格スキル

 3. 神格スキル




 私は木刀を構える。ブレイドさんからは余裕がある雰囲気が伝わってくる。私は少しずつ距離を詰めていく。そして捉えられる距離に来た、そして一気に袈裟斬りを放つがブレイドさんの木刀に受け止められる。


「ふーん。まぁ剣は振れてるな。別に普通だがな」


「ありがとうございます」


「いや誉めてねぇよ。次はオレから行くぞ!」


 速い。ブレイドさんは一気に私に剣劇を振るう。しかも斬撃も速い。受け止めるだけで精一杯だ。


「……受け止めるか。ならこれはどうだ?」


 ブレイドさんの掌から紅く燃えた火の玉が現れそれが私に向かって放たれる。私はそれを咄嵯に避けると地面に当たった瞬間爆発した。辺りに白煙が巻き起こる、どこが手合わせですか???私の事仕留めに来てませんかこれ。


「ふむ。なるほど」


「あの!納得してるのはいいんですけど、私の事仕留めに来てませんか?威力が手合わせのような気がしないんですけども……」


「オレをおじさん呼びしたからな。少しばかり痛い目にあってもらわないとな?」


 すごい露骨に悪い顔をしている……。やっぱり。すごい私情が入ってる!そしてブレイドさんは今度は魔法剣を使ってくる。あれはさすがに受けきれないし、魔法バリアも意味はない。それならあれしかない!


 襲いかかるブレイドさんの炎の魔法剣を私は同じ炎の魔法剣で受け止める。良かった初めてだけど成功した。


「お前魔法剣使えたんだな。」


「そうみたいですね。初めてだけど成功して良かったです。」


「!?初めてだと・・・?」


 ブレイドさんはその場で立ち尽くし黙ってしまった。もしかして初めての魔法剣なんか調子に乗って使ったから怒ってるんじゃ……。しかもすごい怖い顔をしてるし。


「次で最後にする。受けてみろ」


 そういうと無数の爆炎玉が私を包み込む。急だったけど何とか魔法バリアを張る事ができた。良かった。


「はぁはぁ・・・今のは?絶対本気ですよね?」


「ああ。悪いが少し本気でいかせてもらった。」


「あのそのすみません。そんなに怒らないで……」


 ブレイドさんは私に近づく真っ直ぐ私の目を見てある事実を伝える。それはこの先の私のギルド冒険者としての生き方を導く言葉になる。


「ブレイドさん?」


「エルン。驚くな?お前は神格のスキルを持っている。」


「へ?」


 神格スキル。それは持って生まれた天賦の才能。かつての最強ギルド冒険者パーティー『閃光』全員が神格スキルを持っていたと言われている。そんな才能が私に?そんな馬鹿な。なら何で今まで私は『便利屋』なんかに成り下がっていたんだ?


「……エルン。効いて驚くな。お前はしかも2つも持っている。」


「!!?」


「場所を移すぞ。出来れば二人きりになれる場所がいい」



 ◇◇◇



 結局私の家に来てしまった。男の人を家にあげるなんて……。しかもまだ話して2日目の人を。なんてはしたないんだ私。


「とりあえず座れ。」


「はい。」


 というかここは私の家なんだけどね……なんでこのおじさんは偉そうなんだ……


「お前本当に女か?茶くらい出せよ気が利かねぇな?」


「……。」


 うるさい。本当に失礼なんだけどこのおじさん。さっきはこの美少女を怪我させようとしてたし!気が利かないのはどっちだ!そう文句を心の中で言いながらお茶を出すことにする


「エルンさっきも言ったがお前は神格スキルを2つ持っている。さっき見て分かった。」


 神格スキルをしかも2つも持ってる。って私夢でも見てるのか?一応確認の為に手の甲をつねる。痛みはある。夢じゃない。


「まず1つは『形態模写(コピー)』だ。お前は相手の能力を見てそれを使う事ができる。だから何でもできるんだお前は。得意不得意という概念はない。自分の魔力の範囲内、体力の範囲内ならお前に出来ないことはない」


「確かにやろうと思えば何でも出来てきたような気がします。」


形態模写(コピー)』私の能力。なら私は訓練次第でどんなこともできるという事だよね。それって最強なのでは?


「そして2つ目は『相殺の調停(キャンセラー)』だ。すべての力を相殺する能力。どんな力でも条件さえ合えば相殺する事ができる。物理なら物理、魔法なら魔法のようにな。」


「そんな力が私に!?やばっ……」


 私はつい心の声が漏れてしまう。『相殺の調停(キャンセラー)』もうこれは最強と呼んでいいよね?そんな私の心を見透かしたのか、それとも顔に出ていたのかブレイドさんは私に忠告する。


「それにしても残念だなお前。よりによってその2つの能力とは……。最強に相性が悪い」


「え?」


「『形態模写(コピー)』は優れた能力だが『相殺の調停(キャンセラー)』には欠点がある。それは相手の能力までの力しか出せないと言うことだ。そしてお前は相手の能力を相殺することはできるが倒すことは出来ない。だからお前がいくら強くなってもその力を発揮することは出来ないんだよ。」


「だから今まで私は『便利屋』になっていたんだね。みんなが見限るのも無理はないか。だってブロンズランクの魔物ですら私は1人で倒せないんだから」


「お前の能力に気づいてなかったんだ。仕方ないさ今まではな。その能力が分かれば『閃光』くらいまでのギルド冒険者にお前を連れていってやるよオレがな。」


 ブレイドさんは少し微笑みを見せているような気がした。私を認めてくれているんだよね。そう思うと不思議と涙がこぼれてくる。今まで誰1人として、ここまで私を見てくれなかったから……


「私……今まで……良かった……足手まといじゃなくて……」


「泣くなエルン。お前はここから成り上がるんだ。まずは今まで追放した奴らを見返してやればいい。」


「はい。ありがとうございますブレイドさん!」


 私は涙を拭った。もう覚悟は決めているし。私はもう『便利屋』なんかじゃないんだ。


「そういえばどうして私の神格スキルが分かったんですか?」


「ああ?さっき言っただろう。見て分かったと」


「えっ?それって……」


「オレも神格スキル持ちだ『分析家(アナライズ)』オレはある程度の魔力の流れを見れば相手のスキルが分かる」


 ブレイドさんも神格スキル持ち?なんで言ってくれなかったの!?それなら私たちって最強なのでは?


「ん?なんだ。お前は知ってるかと思っていたが?」


「何をですか?」


「ルナレットから聞いてないのか?オレが『閃光』だったことを。」


 ええ!?聞いてませんけど!?ブレイドさんがあの伝説の最強ギルド冒険者パーティーの『閃光』!?ならなんでこの人ギルドで呑んだくれてるの!?そんなすごい人なのに。


「……もうパーティーは組まないつもりだったんだがな。ルナレットにしてやられたかもな」


「ブレイドさん?」


「いや、こっちの話だ。それじゃオレは帰るから、明日ギルドでな」


「はい!」


 ブレイドさんはそう告げると帰っていった。歩いていく後ろ姿は何故か誇らしげに見えた。こうして私は『便利屋』のレッテルを晴らすためにこの神格スキルを使って最強になる。そう決めた1日になったのだった。

『面白い!』

『続きが気になるな』


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[気になる点] おっちゃんやん。 しかも女だから茶を出せとかキモおじさん
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