40 旧世界の終わり、新世界の始まり
あれから数日。
僕は日本の自宅に来ていた。
「さてと、第一回神様会議~!」
「何だよ、その神様会議って安直すぎるだろ」
「確かにそうだよね。でも考えるのはめんどくさいので神様会議にします」
「で、どうするの?」
「ごめん、それより一つ突っ込ませて」
「何?」
「みんな今何歳?」
「急にどうしたの?」
「いや、どっかの神様がね十年経ってるみたいなことを言ってたから」
「ギクッ」
「未来さん、ちょ~っと話を聞かせて貰っても良いかね?」
「な、なんでしょう?」
「小1とか言ってたけど前会ったときは中学生だったよね」
「そ、そうだ。あの、ひな祭りの」
「話を逸らさないでね」
そうして未来を拷m…リンの前に差し出して真意が分かった。
まず、十年も経っていない事。
そして、今現在の此処は因果律が弄られている為僕は死んでいないと言う事。
それと同時に魔法が存在するということ。
あと、WMMはリンが作った組織と言う事。
等々、色々と情報が出て来た。
「じゃあ、本格的にこれからどうするか決めよっか」
「取りあえず、適当に旅をしつつ祠を探す方向で」
「適当だなー」
「それ以外に方法が無いんですもん」
「というか、さっきから実花の存在感が無いんだけど」
「気付いてたんですか」
「気付かない方がおかしいわ!」
「さっきから未来さんに気配消されてますから」
「実花、それホント?」
「嘘はつきませんけど」
「ロキ。破壊神クリガエリティアの名の元に命ず、全ての魔法を解除しなさい」
「うぐっ。分かりました、破壊神クリガエリティア様」
「あっ、ホントに知覚できるようになった」
「リンと雪にも知覚出来なかったのか…」
「そりゃ、腕によりをかけて知覚不能魔法をかけましたから」
「かけるなアホ!」
「は~い」
「今現在、世界一強い神であり主神が此処に居るわけだからそんな命知らずなことは出来ないわよ」
「主神様方、祠が一つ発見されました」
「これ何?」
「人形風悪魔」
「…何とも言えないけど…可愛いのは確かだな」
「うん」
「じゃあ、僕はあっちに戻るから」
「はいはい。あ、後ミクナレド?だったっけは復活させといたから」
「おう。センキュ」
僕はそう言ってあっちに転移した。
ちなみに、ミクは雪のキャラクターみたいな者であっちに行く時はミクの体に乗り換えるそうだ。
僕はこの体に定着してるからキャラクターとかそんな概念は無い。
「ミトリス、生き返ったようで何より」
「シーウォン=ウォルフェン!?」
「そう、元魔王にして現主神であり破壊神クリガエリティア。現魔王に祝福を」
「祝福?」
「まあ、今まで通りに接してくれ~」
「そうですか?」
「と言うことで、神から贈り物“神槍トリアイネ”あげる」
「…いや、何でそうなった?」
「ほら、早くしないと」
「神槍を渡すとかどういう了見ですか!?」
「まあ、そう言う了見。ってことで今の自分は契約とか全部解除された状態だから」
「ってことは私が初契約」
「そう言う事ね。まあ、ともあれ契約を」
「はい」
「では。我は主たる破壊神クリガエリティア、この名において魔王ミトリスに、神の加護を」
「ありがたき幸せ」
「これでこの国はGarden of edenの庇護下に入ったので侵犯することは不可能です」
「がーでんおぶえでん?」
「簡単に言うと生物生誕の地。元々、アダムとイヴが居た場所。まあ、これでミルトが守ってくれるはず」
「主神様、復活おめでとうございます。此処をGarden of edenにご指名ですか」
そこには見知った少女――ミルトが居た。
「ミルト、久し振り。まあ、よろしくね。てことで、僕は人間どもに引導を渡してくるから」
「あ、はい」
ミトリスはぽか~んとしながらそう答える。
そして、僕は魔王城から出てビステントリ王国へ向かう。
僕が歩いていると全ての者は頭を下げ、平伏する。
人で道が出来たようだ。
まあ、普通は主神がこんなところまで来ないだろ。
そして遂にある男が声をかけて来た。
「主神様、ごふ――」
僕はその瞬間、男の首を刎ねた。
まあ、一般人から見れば口を開けた瞬間王の首をが吹っ飛んだように見えたはずだ。
なにせ、人の知覚速度を超えた速さで首に手を添えただけなのだから。
そして、用が済んだ僕は迷宮に向かった。
迷宮に行く理由はただ一つ。
こっちでの母を復活させるためだ。
「古龍、部屋に案内しろ」
「御意」
契約は解除されているが神には逆らえないのか大人しく部屋に案内してくれた。
しかしそこで見たのは母の姿をした“何か”だった。
「どういうことだ?」
「キヒヒ、我は邪神が一人。丁度良い身体が有ったのでな降りさせてもらった」
「なるほど、敵か」
「そういうことだ。では、主神であり破壊神クリガエリティアに宣言する。我は貴様を殺すものなり、今こうふ――」
僕は邪神がそう言い切る前に神殺刀メーベィで相手の首を刎ね…ることは出来なかった。
「どうだ?この体は人間だ。しかし、精神は邪神である我だ。つまり、殺せない存在なのだよ我は」
「さあ?こっちは破壊神クリガエリティアだって。破壊神クリガエリティアの名の元に命ず、彼の者をこの世界から排除せよ」
その瞬間、肉体が崩壊した。
「うむ、予想通り。こうなる事くらい予想してる。だから、器を用意したのだ。”贄”と共に、な」
「流石に邪神と言うだけはある。まさか、その古龍を贄として本来の体を召喚するとは」
「本来の体ではないが、本来と同程度には動ける体と言ったところだ」
「めんどくさいのが来たもんだ。あっちからリンたちを呼んでもいい気がするけど…流石になぁ」
「めんどくさいの一言で済まされるとはこれでも主神だったのだが」
「そんのどっちゃでもええ。てことで、結界」
「結界破壊」
「もう予想通りとしか言えないわ」
「まあまあ、この世の魔法の全てを扱える我の前ではどんな…どんな…魔法も…無力?」
「流石に超電磁砲を見るのは初めてか。じゃあ、一発やる」
そう、つい先日何かといろいろあったがどうにか超電磁砲ことレールガンを完成させた。
そして、悪魔的なサイズのソレの引き金を引く。
その瞬間、暗闇だったはずの迷宮内に閃光が走った。
「ぐぅぅ。確かに威力はあるが我はそう簡単には死なぬぞ」
「ゲぇ。それで死なないのかよ。某有名アニメのアレ並の電力を集めて撃ったはずなんだけどなぁ。いっその事、アレ作ってみるか?」
「?」
「まあいいか。じゃあ、もう一発逝ってみようか。今度はラ〇〇ルのコアをぶち抜く五倍の威力で」
「フフフ、その程度防いでみよう」
と言うことで、9億kwの電力を使い奴にぶっ放した。
流石に反動がヤバかったのは言うまでもない。
そりゃ、アホほどデカいロボットに乗ってアホみたくデカい砲身でぶっぱする陽電子砲をコンパクトサイズにしたレールガンの反動がえげつないのは想定内だが思ったよりも耐えれなかった。
しかし、それだけの代償を払っただけはあって奴の右半身は血塗れになっていた。
「よし、邪神野郎。今度は18億kwで撃ってやろう」
「どんとこい」
と、良く分からない会話を交わし僕は片腕を代償に超電磁砲をぶっ放した。
閃光に包まれ迷宮は本日をもって終了した。
ついでに言うと、ビステントリ王国王都も崩壊した。
原因としてまず、王が死んだことそして、迷宮からの魔獣ども…それと王都を寸断した謎の閃光だ。
その焼け野原になった王都に二人の影が見える。
そう、僕と邪神だ。
「流石、だけどこっちの勝ちらしい」
「封印の気配が…」
「これで本気で殺しに行けるな」
「だが、我は邪神しかも元主神だ。破壊神とて勝てるかな?」
「破壊神の名の元に命ず、此の世の理を全て読み解き、全てを破壊せし力を、顕現させよ、精霊よ、獣よ、人よ、我が望むは悉くを滅ぼし、此の世界に仇成すものを、討伐することなりて、此処に過去をも破壊せし力を顕現し、我が神器を顕現させよ。レーヴァティン・ミストルテイン・グングニル!」
「何だそれは?」
「レーヴァティン・ミストルテイン・グングニルよ、この者の過去を撃ち抜け」
「ウグッ、何をした」
「過去のお前を殺した。そして、それはお前の居ない因果律が成立した事に他ならない」
「流石、本領を発揮した破壊神。我が運命をも改変するとは」
「いや、お前の運命を改変した訳じゃない。僕がしたのは過去のお前を殺しただけ。そろそろ、消えろ」
「そうさせて貰う。これ以上、神力も無いしな」
その瞬間、邪神は光の粒子になって消えた。
ちなみに封印の祠はリン達に壊して貰った。
そのお陰で邪神の過去を破壊できた。
にしても、これは修復するの大変そうだな。
後で雪に頼んで再生して貰うか。
王の人格も矯正して。
「智、間に合った?」
「ギリギリ」
「なら良かった。大変だったけど間に合ったならまあ良いか」
「と言うか、どうやって?」
「運命神の力で全部見つけれる様に運命を改変した」
「チートだな。まあ、人の事言えないけど」
「で、これからどうすんの?」
「普通にこっちで生活する」
「そっ、じゃあ私らも此処に居とく」
そうして世界は平穏を取り戻し、それと同時に神も全てこの世からいなくなった。
世界は新しい生態系になりドラゴンを頂点にする生態系が出来上がりつつあった。
これにて、「転生したので転生ライフを楽しみたいと思います」完です。
短い間ですが読んでいただきありがとうございます。
気が向いたら番外編も出そうかなと思ってます。
これまでありがとうございました。




