35 ホテル
更新が遅くなってすみません。
総合ユニークが675人になっていました。
読んでいただいている皆様、ありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。
「で、エレベーターは動くんですか?」
「分かんない」
「えぇ…」
「まあ、何もせずにじっとしているよりやるだけやってみては?」
「まあ、そうですけどね……」
「千歳、今から透明化と幻視の魔法をこの四人にかける緊急時はお前に任せる」
「はぁ、無茶はせずに行きましょうね」
「分かってくれて何よりだ」
「と言うか、魔法なんか使えるんですか?」
「一応使えるらしい。で、魔法は秘匿情報とされて一般公開はされていない」
「じゃあ、転移で帰るのは?」
「無理だろうな。次元間転移が出来ない」
千歳はチェッと舌打ちをしていた。
ただ、僕は知っている次元の壁を知覚して前世と異世界を繋ぐことにより転移できると言うことを。
とはいえ、知覚が出来ないからどうしようもないんだけどね。
「先輩、エレベーター着きましたよ」
「はいはい、じゃあ二人も乗ってね」
「なんで急にタメ口なんですの?」
「いや、なんとなく」
「先輩、何階に行きます?」
「一階かな取りあえず」
「分かりました。ところでこの後どうします?」
「そうだよなぁ。だってさ、何処に出るかによっても変わるし住民登録もしてないし現状、密入国状態な訳よ」
「あ……」
「となると、頼れるところは現状一つ、WMMこと世界魔法機構だけ」
「ですよね。でも、何処にあるか分かりませんよ?」
「まあ、魔法を使えば案外どうにかなりそうだけど」
「けど?」
「魔力消費が半端なくなるから無理だな」
「そうなんですか?」
「ああ、魔法の発動の理論は魔力を消費することにより本来、人体で支払う筈の贄を失くして悪魔が行使するものを人間が無理矢理行使してるからどうしても魔力の無駄やらが多い訳だ。それをこの大気魔力濃度が1を切っている世界で発動しようとすると次元間干渉と大気放出魔力量によって普通の五割無駄が多くなる」
「先輩はそれ憶えてたんですか?」
「いや、これは僕が提唱してるだけ。と言うか、あっちで出回ってる魔法基礎理論の本は嘘ばっか」
「何でそれを……」
「ああ、そう言えば隠匿情報だっけ?王家の」
「魔法の基礎理論は王家の禁書庫に仕舞われている筈ですが……」
「そっか、知らないんだっけ?僕は元国務大臣だから見れたよ。もっと飽きてすぐ出たけど」
「先輩、言ってることがヤバイですしもう着きますけど隠さなくて良いんですか?」
「大丈夫、もう透明化と防音結界、幻視で全員の姿を見えるようにしてるから」
「幻視は切らないとまずいんじゃ?」
「いや、この四人にしか見えてないから」
「なら良かったです」
「と言うか、あそこって地下何階?」
「地下20階ですね」
「ヤバイなぁ」
そんな時、エレベーターが止まった。
1階だ。
ドアが開いた瞬間、そこにはこじんまりとした部屋に出た。
そこには中心部に堂々と佇んでいる階段と横に小さな扉があった。
僕らは一先ず扉を潜った。
そこは裏路地だった。
「此処って八番区じゃないですか?」
「八番区って関係者及び皇室関係者以外立入禁止になっているあそこ?」
「そうです。そこです」
「で、そんなとこに建ってる建物ってヤバイとこって事だな」
「ですね」
「さてと、取りあえず路地から出るか」
「そうですね。王女達はどうします?」
「千歳が第二王女、僕が第一王女を連れて行くってことで」
「分かりました」
そしてついに禁断の土地へと僕らは足を進めた。
そこにあったのは。
キャバクラ、キャバクラ、キャバクラ、キャバクラ!
そして、酒場数件。
マトモな建物はこのビルのみ。
いや、このビルもマトモかと言われると怪しいところではあるけど。
ついでに姫様方が人混みに酔ってるんですが!?
どうしようか、金もないしマトモな服もないし……。
金は……錬金術でどうにかなるか。
あと服も……幻術でどうにかなるな。
あれ?困る要素無くね?
うん、無いわ。何をそんな悩んでたんだろう。
取りあえず、ホテルが欲しい。
と言うことで、やって参りましたラブホテル。
何でラブホテルかそれは、近場に此処しか無かったから。
特に身分証もいらなかったしね。
カラオケかまんが喫茶、ネカフェも考えたがやはりホテルが楽。
いや普通に考えてカラオケは嫌だしネカフェとか狭いしじゃあ、ラブホになるじゃん?
にしても、ラブホってこんななのか。
まあ良い。
とはいえだ。
なぜこんなハーレム状態になってんだよ。
いや、ベッドの数的にそうなるだけどさ。
今日は疲れた。
早く寝よ
ーーーーーーーーー
翌日
何だろ?
右手に何かあるな。
柔らかい?
嫌な予感がするな。
僕は右手が触れている方を見る。
横には千歳がいる。
まさかな、ハハハ。
ハハッ、ハハハ、これはまずい。
よし、逃げようそうしよう。
何処にだよ!
取りあえず、朝風呂に行こう。
離脱成功。
あとは、風呂に入ろう。
大人しく。
ガチャ
あっ、やらかした。
そこに居たのは金髪のお姫様方だった。
僕は何も見なかったことにしてドアを閉めた。
危なかった、犯罪者になりかねなかった。
いや、千歳の胸を触った時点で犯罪者なのか?
そんなことは置いといて、昨日こっそりパクってきたノートパソコンの中身を見るか。
えーと、ネットは繋がりそうだな。
まずはWMMの情報を捜すか。
案外、簡単に出てきたな。
取りあえず、ホームページに行くか。
なになに、魔法が使える方は此処に連絡?
胡散臭いな。
まあ、連絡はしないでおこう。
今日は八番区から出るか。
「魔王様、ちょっと宜しいですか?」
「何です……ゴフッ」
「何ですか?、じゃないですよ。何で、さらっと覗いてるんですか!?」
「誤解で、ゴフッ」
「姉様、さっきから魔王様を殴らないで下さい。魔王様の顔が悲惨なことになってるじゃないですか」
「あれはダメですよ。淑女の入浴中にドアを開けるなんて。風邪を引くじゃないですか!」
「「そこ!?」」
「まあ良いです。今回は許すので次回は無いようにしてくださいね」
そして、ホテルから出て八番区をついに脱出した。
ちなみに出た先は目黒の辺りでした。
適当にブラ着いた。
もちろん、他三名は透明化&防音で。
にしても、人混みに酔う人っているんだな。
そんな時だった。
ある一人の少女とぶつかった。
「大丈夫ですか?」
「お兄さん、私のマネージャーになってください」
珍しくイチャイチャ?でした。




