表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したので転生ライフを楽しみたいと思います  作者: 五月メイ
第四章 ミンルド魔族王国編
24/45

22 激動

「我が主よ、奴らはそこの半魔の者であれば一撃で屠れる程には強いようです。御注意を」

瑠璃が囲んでる奴ら見て言う。

僕も賢者(カシコキモノ)で鑑定結果は瑠璃でようやく勝てるかどうか。四天王も相性しだいでは負ける可能性もあるとかいう。

賢者(カシコキモノ)はアイツを呼んだ方が良いと予想する。

僕も同意見である。

こいつら相手に僕ら二人で千歳を護りながら戦うのは幾らなんでも勝算が無さすぎる。


「ミトリス、聴こえてるか?」

「聴こえてるのだ」

「単刀直入に言う。今すぐ瑠璃のいた駐竜場(パーキングエリア)まで来てくれる?」

「分かったのだ。今すぐ転移するのだ」

その瞬間、僕らの目の前にミトリスが現れる。


「我が主よ、我は如何しましょう?」

瑠璃が聞いてくる。

「千歳のことを護って」

「了解しました」

瑠璃は千歳のことを自分の腹の下に隠す。

なるほど。四足歩行だとそんなことも出来んのか。

「どうしますか?」

ミトリスが僕に聞いてくる。

僕に聞かれても分からないのだが、賢者(カシコキモノ)での勝率計算によるとミトリスに左側半分、僕が右側半分で討伐にかかるのが良いそうなのでそう伝える。

「分かったのだ。極炎球(ヘルファイヤ)!」

その瞬間、左側半分がドス黒い炎に包まれる。

しかし、その炎を食らっても何事もなかったかのように立っている。

化物過ぎるだろ。


〔ローブに魔法効果相殺の能力が付与されています。〕


なるほど。

なら、剣戟は効くよな?


〔肯定します〕


では、桜吹雪・S。

物凄い改良を加えた最強技である。

居合を使いつつ破滅(スベテヲホロボスモノ)を空間斬戟で固定する。

それを毎秒一千万回。

ローブの男達を斬り着ける。

出来る限りの生け捕りにして。

「貴様……何者だ……」

男の一人が僕に聞いてきた。

「教えるわけ無いだろ。まあ、精々拷問も耐えることだ」

僕はそう言い放ち男の鳩尾に蹴りをいれる。

「あーあ、片付けられちゃった。まっ、仕方無いよね~。転生者に魔王、龍帝(ドラゴンネオ)がいる場所にコイツらじゃ勝てないか」

上空から一人の女性が降り立つ。

その女性は異常なまでの魔力を秘めていた。

少なくとも魔力(オーラ)だけで僕の魔力量を圧倒している。


〔撤退を提案します〕


賢者(カシコキモノ)、こいつへの勝算は?


〔魔王ミトリス、龍帝(ドラゴンネオ)瑠璃の全火力を集中した場合でも勝率は0.5%です。〕


ゼロに近いな。

さて、こいつなら僕らなんて赤子の手を捻るようなものだろう。


〔解析終了。個体名 ペトのステータスが閲覧できます。閲覧しますか?〕


イエス!


〔個体名 ペト

 種族 ???

 基礎レベル ???

 魔力 9999999999

 総合戦闘能力 10000000000

それ以下の情報閲覧は抵抗されたため閲覧不可です。〕


なんだこの穴あきパズルみたいなステータスは…。

まあ、勝てないのはよーく理解した。

だとしても、どう逃げんだよ!

多分、空間転移と使えるだろうし。

逃げる方法が見つからないんですが。

「えーと、人のステータス覗き見すんのやめて」

何でバレてる?

まあ良いか。どうしようもないんだし。

「まあ、勝てないのは分かったでしょ。だから、私の配下に入って」

はっ?えっ?どう言うことですか?

「どう言うことだ?」

ミトリスがペトに聞く。

「私が魔族王国を乗っ取りたいから配下に入ってって言ったの」

こいつ、言ってることがメチャクチャだけど。


「なる、とでも思っているのか?いや、まずそもそもここを乗っ取れると?」

ミトリスの魔力(オーラ)が全て闘気へと返還されていく。

その闘気はミトリスの全身に纏わりつく。

そして、ミトリスの掌に五センチ程の極炎球(ヘルファイヤ)が形成されていく。そして、それをペトに投げようとした。

正にその瞬間僕の視界からミトリスの姿は消え肉片が散らばっていた。

「魔王と言えど魔法が使えなければ雑魚なのよ」

(ペト)にはどう足掻こうと勝てない。

だとしても、目の前で殺された者がいる以上、そいつを報うために(ペト)を殺す。


「っ!!!!何この魔力(オーラ)は!?」

ペトは後退りする。

それも怯えながら。

「我が力よ、彼の者に鉄鎚を下し給え!炎瀑布!」

ペトはそう唱える。

僕らの目の前に高さ五百メートルは有るであろう大きな炎の滝ができる。

その奥からは剣戟の音が聴こえてくる。

時々、ペトの悲鳴が聴こえることから対峙している相手はペトより強者であると言える。


〔結界の解析が終了しました。

 結界効果:発動者以外の全種族の行動制限。また、発動者が許可したものは行動制限を受けない。結界名 種族封印〕


解除は可能か?


〔施行します。……、失敗しました。〕


デスヨネー。

まあ、今は僕らには何も出来ない。

あの炎の滝と言うより壁の向こうで殺し合いが始まっているのは誰でも分かる。

「我が主よ、転移での撤退を」

瑠璃が後ろから告げる。

「転移するのは二人だけで良い。僕はここで見守ってから行く」

「しかし!」

僕は瑠璃が次の言葉を出すより前に転移をさせた。

転移場所はダンジョンの五十階層。

アイツ(瑠璃)なら上手くやるだろう。

その瞬間、後ろに気配を感じた。

この気配は敵対してはいないようだ。


「何者だ?」

僕は後ろにいる人物に聞く。

「我等は大鬼族(オーガ)の精鋭でございます。実はお話しがあり来たのですが今は無理そうですね」

大鬼族(オーガ)はかなり高位の魔獣というか、魔物だ。

特筆すべきなのは理性を持っていることである。

「いや、話だけなら聞こう。ただし、自分達の安全確保をしてからだ」

僕は大鬼族(オーガ)に命を下す。

「了解しました。ですが、御安心を」

そう言うと大鬼族(オーガ)達は魔王城の中に潜り込んでいった。

「で、何用か?」

「実はドフィト大森林の獣達が瘴気を纏い始めまして」

瘴気って触れたら病気になるって言うアレ?


〔肯定します。〕


というか、瘴気を纏うってヤバくね?

「アイアタルは?」

「アイアタル様は御隠れになられまして」

「隠れた?」

「はい、どうやら瘴気に当たってしまったようで」

アイアタルって高位の幻獣だよね?

それが感染するとかヤバい気配しかしないな。

「まあ良い。で、それを止めてもらうために来たと?」

「はい、ですが手遅れになったようです」

「どう言うこと?」

「仲間から連絡が来ました。森が完全に瘴気化し始めたと」

賢者(カシコキモノ)、状況の確認は出来るか?


〔否定します。〕


流石に無理ですよねー。


〔しかし、瑠璃との視界共有であれば確認可能です。〕


なら、それを今すぐにしよう。

僕はメトス高原に瑠璃を転移させた。

勿論、千歳も一緒に。

視界共有開始。

僕のその意思と同時に森の様子が見え始める。

黒いような赤いようなよく分からない色の(もや)が発生している。

獣を先頭として魔獣や(ワイバーン)が森から出てくる。

森の中から異常な咆哮が上がる。

森の中心部、原初の樹から黒い靄を纏った飛龍(ドラゴン)が出てくる。

種族名はリトベルス。森の第二の主だ。


「此方に大量の森の獣達が」

「分かっている。どうする気だ?」

僕は聞く。しかし、ふと僕の頭の中には一つの疑問が浮かんだ。

そう、どうやってこの大鬼族(オーガ)はこの結界内に入ったのか。

「お前ら、どうやってこの結界内に入った?」

僕は直球で聞く。

「アイアタル様が結界を一部、

破壊されました故、我等は侵入しております」

破壊!?出来んのかよ。化物過ぎんなアイアタル。

まあ良い。

「お前らに命を下す。この結界の解除方法を探せ。出来れば後、数分以内に」

「分かりました。行くぞ!」

そう言って大鬼族(オーガ)達は何処かに消えた。


未だに続く戦闘。

その中にペト以外の誰が居るのかは分からない。

ただ、あの化物のようなステータスを持ったペトと対等にやり合う化物がいる事実は変わらない。

というか、この炎の壁、なぜ消えない?

壁が消えない理由。

何でも良いか。

取りあえず、ミトリスをどうにかしないと。


〔魔王ミトリスの生命反応は在ります。〕


……、マジで?


〔はい、マジです。魔王城に反応があります。〕


なーんだ、心配すること無かったじゃん。


その時、壁の奥からレイピアが飛んできた。

その瞬間、炎の滝は無くなった。

「弱い」

「近付くな!」

ペトが声を上げる。

その手は震えている。

声も震えている。その震えは全てペトの前にいる獣人に向けられている。

「死にたくない?」

獣人はフルーレをペトの首元に当てながら言う

ペトの顔は涙で歪んでいた。

「せめて、一矢報いるわ。来なさい、従魔、滅龍帝カースドドラゴンキング!」

中途半端なところで終わってしまいました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ