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転生したので転生ライフを楽しみたいと思います  作者: 五月メイ
第四章 ミンルド魔族王国編
20/45

18 ミンルド魔族王国からの使者

僕は葵唯の部屋から出ると影に向かい一言「引き続き勇者達の動向を監視しろ」と言う。

すると、僕の影は動き出し瞬時にどこかに消える。

まあ、これも仕事ではある。

この前のようなことを起こさないために。

そんな時、《思考伝達》でメーベから連絡が入った。

魔族王国の使者が僕のもとに尋ねてきたそうだ。

僕はメーベに「すぐ行く」と言い転移で自分の部屋の前に行く。

そこには道化師(ピエロ)のような格好をした男が立っていた。


〔解析中………。解析終了。解析結果、魔人族の上位魔人〕


なるほど、まあ魔族王国からの使者だしな。

「あなたが、シーウォン=ウォルフェン様であられますか?」

上位魔人は僕に、丁寧に礼をしながら僕に聞く。

「ええ、いかにも私がシーウォン=ウォルフェンですが、あなたは?」

僕は上位魔人を見ながら言う。

「私は魔族王国の使いの者です。ディルスと言います。以後、お見知りおきを」

ディルスは僕から視線を外さずに自己紹介をする。

「さて、立ち話もなんですしどうぞ」

僕は応接用の椅子を差しなが言う。

「ありがとうございます。ですが、私は伝言をしに来ただけですので。気にせず」

道化師のようなメイクをした顔の口角が上がる。

「で、伝言とは?」

僕はディルスに尋ねる。

「あなたをミンルド魔族王国に招待いたします、とディルメイド様が」

ディルスは胸元のポケットから一つの封筒を出して僕に渡す。

「確かに受け取りました。ディルスさん」

僕はその封筒を受け取りディルスに言う。

「では、私は帰ります」

そう言うとディルスは《転移》で帰った。


「そちらは?」

メーベが僕の封筒を見ながら言う。

「招待状みたい。あと、魔王に謁見するための謁見状みたい」

僕は封筒を開けながら言う。

「なるほど、で、出立はいつになされますか?」

メーベが僕に聞く。

「決まってないんだけど、なんかいい日ってある?」

僕はメーベに聞く。

「そうですね、予定が開いている日ですと来週の木曜日ですね」

メーベは手帳を出して予定確認しながら言う。

「んじゃ、その日で」

僕はメーベにそう言い残すと僕はリンの部屋に向かった。


リンの部屋の前で大きく息を吸う。

そして、ドアをノックする。

「誰?」

中からリンの声が聞こえる。

僕はリンに菜津だ。と伝える。

「入っていいよ」

リンは中からそう僕に声をかける。

「じゃあ、入るよ」

僕はドアを開ける。

リンは布団に寝っ転がっていた。

「何?」

リンは不機嫌そうに声を上げる。

「えと、その、怒ってる?」

僕はそう尋ねる。

「何に?」

リンは僕にそう聞く。

「いや、僕が、その、婚約者を作ったことに」

僕はリンに言う。

「怒ってない。でも、何か智が取られるような気がして悔しかっただけ」

リンは布団から起き上がって言う。

「実は来週の木曜日に魔族王国っていう国に行くことになったんだけど来る?」

僕は聞く。

「行かない。出てって」

リンは乱暴に言う。

「分かった。じゃあ、また今度」

僕はそう言って部屋を出る。


嫌われたか~。まっ、仕方無いよな。

これもリンを守るため。

許してくれ。

僕は頭のなかでそう唱え続けリンの部屋の周りに結界を張る。

あいつにリンは取られたくない。

だから、そのためなら嫌われても構わない。


僕は《転移》でダンジョンの最深部1000層まで来る。

「やっと来たか。菜津智」

目の前に立つ古龍は僕に話し掛ける。

「ああ、契約を」

僕は短くそう言う。

「分かっている。その代わり――」

古龍は口を止める。

「分かっている。手筈は整えておいた。いつでも出れる。これもいるか?」

僕は古龍の前に不可侵契約書ディセレクトギース・ベートを差し出す。

「いや、隻眼の吸血鬼様を信じよう。我らの忠誠をお受け取りください」

古龍は僕に頭を下げる。

「受け取ろう。では、また。契約通り、彼女のことは見といてくれ」


僕は古龍にそう言って《転移》で家に戻る。

「お帰り、シー君」

玄関で待っていたのはミクだ。

後ろにはミレンドスもいる。

「お帰りなさいませ、シー様」

ミレンドスは一礼をして言う。

いつの間にやらメイドに馴れているようだ。

「ただいま、ミク、ミレンドス」

僕は言う。

「ご飯、用意する」

ミクが言う。

「奥様、私が用意を」

ミレンドスがキッチンに向かいながら言う。

「じゃあ、お願いね」

ミクがミレンドスに言う。

「ミク、来週の木曜日から数日魔族王国に出向することになった」

僕はミクに言う。

「分かった。取りあえずリビングで着替えて」

僕はミクに言われるがままリビングへ行く。

ステーキの良い香りが漂ってくる。

僕は着替えて食卓に着く。


僕の前に料理が提供される。

「これは?」

僕は何の肉か気になりミレンドスに聞く。

「こちらはグリフィンの肉のステーキでございます。また、サラダは森の守人(エルフ)の特選品を使ったサラダです」

ミレンドスは淡々と食事の説明をする、

グリフィンの肉に森の守人(エルフ)の特選品、こんな料理生きている間にそう何回も食べれるものではない。

「というか、何でこんな高級なのどこから?」

僕はふと気になったことをミレンドスに聞く。

「シー様のご実家から沢山こういった品が送られてきました」

なるほど。何かの祝いか?

まあ戴けるものは戴いておこう。


翌週、木曜日

僕は家から魔族王国へと向かった。

移動手段は飛馬車だ。

飛馬車とはコカトリスが引く馬車のことで陸路ではなく空路で行くため飛馬車と呼ばれる。

どうやら、メーベも流石に空を飛ぶのは慣れていないらしい。

ちなみに、同伴者はメーベにミレンドスだけだ。

「シー様は怖くないんですか?」

ミレンドスが僕の腕に引っ付きながら言う。

「うん。別に平気だよ?」

僕は馬車の椅子に座りながら言う。

「ホントに怖いです、死にそうです」

二人は限界そうな様子だ。

ちょっと、酔ってるみたいだ。

確か、魔族王国は100㎞くらいあるからこの馬車の平均スピードを考えると三日後くらいか。

で、そこにコカトリスの休憩も入るから実質、着くのは四日後くらいか。


ヒューイ ヒューイ


そんな鳴き声が聞こえた。

僕らは窓を開けて見てみる。

並走してたのはグリフォンだ。

それが数十匹。なかなかに幻想的な光景だ。

その中に一匹馬の足を持つものがいた。

ヒッポグリフだ。

グリフォンと雌馬の間に産まれる超伝説の獣だ。

流石、獣類の群生地だ。

このドフィト大森林はこう言った獣の群生地でアイアタルの守護領域でもある。

そのため、無断で入ってくると攻撃されると言われている。

下を見ると一面木に覆い尽くされている。

降りる隙間などない。

すると、風がざわめく。

サンダーバードだ。

幻獣、それは見たものが少数であることからそう呼ばれる幻の獣。

グリフォン達は一様にサンダーバードのために道を開ける。

コカトリスもだ。

サンダーバードは雷を纏っている鳥と云われているがホントに纏っている。

金色の衣に身を包んでいるかのようだ。

「綺麗ですね。こんな光景。死んでも見れないじゃないでしょうか?」

ミレンドスが言う。

確かにその通りだ。こんな幻想的な光景なんかいつ見れるか分からない。

「ええ、ホントです。流石にドフィト大森林は多いですね」

メーベが窓から身を乗り出して見ながら言う。

「メーベ、危ないよ。綺麗なのは分かるけど」

僕は取りあえず注意しておく。

海が見える。

サンダーバードは僕らの周りを一周すると大森林へと帰っていった。

グリフォン達は海のほうに向かっている。


バサッバサッ


そんな音と共にペガサスが飛んでくる。

白銀の体毛に毛並みの揃った翼。

そして、引き締まった胴体。

なんとも、黄金比で出来ている。

そんな時だった。


ガルル


後方からそんな鳴き声が聞こえた。

マンティコアだ。

ライオンの体をもち蝙蝠の翼をもち蠍の尻尾を持っている化物だ。

獣の類いだがその他の獣達とは仲が非常に悪い獣である。

そんなことを考えていた時、サンダーバードやグリフォン、ヒッポグリフもマンティコアの前に立ち塞がる。

コカトリスは大きな声で鳴くと速度を上げ魔族王国のほうへと向かい始める。

物凄くキリの悪いところで終わってしまいました。

今回は結構和む方だと思っているですがどうでしょうか?

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