2 同棲、大会
僕は無事?パーティーから帰還することができた。
で、なぜか一人立ちの話になっている。
えーと、要約すると婚約もしたし同棲して互いを知り合えた方が良いのでは?と言うことだ。
もう、何でもありだな異世界!
と言うことで、なるようになれ!的な感じでヤケクソで話を進めた結果豪邸にミクと一緒に住むことになった。
ちなみに従者やらが大量に付いてきた。
なぜ、このような事態に陥っているかと言うと国王に親二名がうちの子魔力が十億くらいあるんです!と自慢した結果だ。
ふっざけんじゃないよ、もう。
あと、ミクというのはミクナレドのことで二人で話し合ったついでに決めた。
ちなみに、屋敷を持ったからと言って対して何も変わらない。
いつも通り剣の稽古と魔法・魔術・付与術・錬金術・回復術・呪詛・魔工などなど十数個の訓練をしている。
ちなみに、召喚術に関しては召喚獣がいないとまともに発動しないらしいので召喚獣を入手するまでは保留ということになっている。
また、剣・魔法・魔術・付与術・付与抜刀術・錬金術・回復術は大会があるためその大会に勝つことで力を誇示出来る。
で、その大会が何と五ヶ月後にあるのだ。
早くない!?産まれて二年程度の赤ん坊に十歳以上、上の奴らとやりあえと?頭狂ってんのか我?
ということで、いつの間にやら五ヶ月…
ついにこの日が来てしまった。そう大量の大会だ。
大会期間は一週間。その全てに出場するのは僕と第三王子だけらしい。
今のところ人注目は王子が集めている。が、しかし前世の予備知識と合わさり無敵!敵などいない。と思っていた時期が僕にもありました。
なんだよこの、ガチムキ脳筋野郎どもは!
剣の大会だから分かるけどこれが魔法大会には来ないよね!?
「ということで、始りました。ビステントリ王国、第五百四十一回剣術・魔法・魔術・付与術・付与抜刀術・錬金術・回復術総合大会!一週間の競技全てに出場するのはビステントリ王国第三王子エヴォール=フォン=ビステントリ!そして、シーウォン=ウォルフェン!」
というアナウンスを鴉がする。結構様になっている。
「では、これより剣術大会を始めます。まずは、ヴォリグノーデ=フォッレンVSシーウォン=ウォルフェンです。両者、闘技場の中へ!」
いきなり始まんのね。まあ、リングに入れば良いのか?
僕は適当に言われた通りの動きをする。
「では、開始!」
「小僧、負けたくないのなら今のうちに降伏すればどうだ?」
「嫌だ」
僕は短く言って相手の方に向かって走り始める。
ちなみに魔法の使用は自身にのみ許可されている。
ということでいきなり超絶加速。
からの障壁、演舞。障壁は読んで字の如く相手との間に魔力の壁を発現させる
魔法だ。演舞は自身の柔軟性を上げる魔法だ。
ということで、現在の自分の状態は超速い動きで攻撃を当てることができなくめっちゃ柔らかい動きの化け物だ。
相手も目で追えているかどうかだ。
僕は的確に相手の急所のみを突くが相手の防御のが強い。
正直、自分の技量のみならば負けていた。しかし、今の自分は魔法があるのだ。
ということで、この前やったノリで肉体を成長させる。これは一時的なもの。前のは永久的なもの。そこが違う。そこが難しい。しかし、上達したのだこれでも。ということで、超成長。
肉体の腕の近くに魔力を集め力を上げる。それと同時に剣に魔法破壊を付与する。これで、勝ち。一撃で相手の鳩尾のみを正確に叩く。
これで、気絶しない奴はいない。まあ、死ぬのを避けるため鞘を付けた状態で溝落ちに一撃入れた。一応模擬刀だがそれでもあの状態の一撃は軽くなまくら程度の切れ味にはなっている。
僕は、後ろを向く。そこにはさっきの脳筋ゴリラが立っていた。
なんで、さっきので倒れてくんないのかな。と思いつつも全く同じ状態に仕立てた。しかし、違うのは狙う場所もより危ない位置にした。その位置とは顎の下。
基本的な仕組みが前世の人通りであれば顎の下を打ち上げれば脳震盪で気絶程度はしてくれるはず。
ということで、持ち手のとこで一撃かます。
これで倒れなかったら前世の常識は通用しない。
「おっと、その手には乗ってやんないぜ」そう言うと殺気を放ち始めた。
これは戦争。そのくらいすごい殺気だった。
しかし、狙っている場所が違う。鳩尾ではなく顎下。
狙うなら今。居合も同時発動し相手の顎下を狙い打った。
予想通り相手はそのままバタッと地面に倒れ込んだ。
回復術師が総出で回復に当たっていたがなかなか、回復しない。
脳震盪を知らないとこれを回復などさせれない。まあ、手伝うけど。
他の人は神か?なんて囁いていたが神ではない、人だ。そう、ただの異世界人。
だから、この世界にはない知識を持ち込める。
で、そのまま勝ち続けついに例の王子様とご対面。
噂には聞いていたがため息が出るほどの美貌とはこれのことか。
さて、実力は?僕は軽く模擬刀を振るう。
「っ!」かなり驚いた様子。これは何に驚いているのやら。
まあ、先ほどと同じ要領で相手の鳩尾を狙うが相手は領域展開をしているらしくここに立ち入れば一太刀で斬られるが、僕にはそれを防ぐ技能がある。
まずは一歩領域内に踏み込む。そして、相手の剣筋を見る。
まあ、明らか居合の上位互換程度か。ならこれで仕留める。
桜吹雪、オリジナルの技。空間斬撃を桜吹雪の如く大量に散りばめる。
こうすると、相手は動けなくなる。動いたところで死ぬ。
空間斬撃、空間もろとも切り裂きそこに数分間切れ味が残る。つまりは、発動地点に行けば死ぬ。
それを五千回以上/秒。どれだけ反応が速かろうと一つは当たる。要は数撃ちゃ当たる戦法だ。
別に当たらないわけではないが居合などの領域系があればそうした方が良いと思う。
「シーウォンと言ったか。これは何だ」
「あなたに答える義務は?」
「ふっ、無いな」鼻で笑いながら一言言う。
「さて、どう終わらせたいですか?」
「そうだな、一撃で、終わらせる!」
そのまま王子は凸ってきたが勝つのはこっち。空間斬撃は重ねられている。一つ避けれたところで他が当たる。
また一つ、また一つと王子に傷が増える。これが模擬刀だからこの程度の傷で済んでいる。
ボロボロになった王子は鞘から抜いた。しかし、それを華麗に避けプラス仕留めた。完璧だ。
「ハッハッ、流石だ剣鬼殿の息子だけはある」
ちょーと待とうか。剣鬼ですと〜!後で親のとこまで行こうか。
「そりゃどうも」しかし、ここはポーカーフェイスで押し通す。
「で、先ほど使った技は?」
「ああ、あれは僕以外に使いこなせないと思うけど?」
「良いから言ってくれ」
「良いけど」僕はこの桜吹雪の説明をした。あまり気は進まなかったが。
後で改良しとこ。
「さて、良いことを聞いたしこれで、終わりにしようか」
「では、陛下。ご機嫌よう」
最後だけは貴族の対応で控室に戻った。
控室にはミクがいた。いきなり飛びかかってくるもんだから思いっきり背中を打った。
結構痛かった。
「どうかしら?」横から聞いたことのある声がかかった。
そう、母だ。よしよし、ちょうど良いタイミングだ。さっきのこと聞いちゃる!
「あっ、これはお義母様。おはようございます。ふしだらなところを見せてしまい申し訳ございませんでした。シー君にお話しですの?」
こう言うところを見るとミクも貴族っ子何だなーと痛感する。
「そうよ。あと、婚約したてはこのくらいはしゃいでて良いと思うわよ。じゃあ、行きましょうかシー」
母は別室の貴賓席に行った。
これ、入って大丈夫?
そんな僕の考えが読めたのか「入って良いわよ」と言って横の席を引いた。
周りは貴族、それも全員侯爵以上。
ただの緊張である。
「シー君」
「何?」
「えーとね、どう?」
「どうってどういうこと?」
「だから、お・た・の・し・み」と小声でやや顔を赤くして母が言う。
僕は言葉の意味を理解した瞬間顔が赤くなるのが、平静を保つ。
そして、僕は「父さんが剣鬼ってどう言うこと?」と耳打ちで一言。
「そのままの意味よ。あの人は剣鬼であり賢者よ。あっ、ちなみに私は漆黒の魔女よ」
母が自信満々で言うのだがその漆黒の魔女が凄いのかは知らない。しかし、剣鬼と賢者はスゴいと思う。




