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転生したので転生ライフを楽しみたいと思います  作者: 五月メイ
第三章 旧クラスメートとの再開編
17/45

15 元クラスメートとの戦い

元クラスメート達が犬っころもといウリフィスに苦戦している。

まあ、僕が手を出せば一瞬なのだが僕は近くの岩をテーブル代わりに茶菓子(パサパサ饅頭)を食べつつ茶をすする。

決して不味くはない。不味くはないのだが、それでもこたつに入りながら蜜柑を食べて緑茶を飲みたい。

まあ、ここで蜜柑は食べれなさそうだけど。


「ちょっと菜津君!助けてくれませんか!?」

葵唯が僕に言う。

「その程度の雑魚、倒せるでしょう?」

僕はお茶をすすりつつ言う。

「死んでも良いんですか!?」

葵唯がウリフィスの爪を止めつつ言う。

意外と葵唯は剣が使える。まあ、パッと見は子供みたいなのだが。

僕の目は節穴ではない。確かに苦戦を強いられてはいるものの勝てない相手ではない。事実、半分以上敵が減っている。

「いや、さっきから身体強化はかけてますけど?」

かけてはないんだけど、これ以上邪魔されてティータイムを台無しにはされたくない。

「身体強化だけじゃなくて犬の方に攻撃してください!」

先生がツッコミを入れる。

「あーもう、分かりました。かれこれ、五時間近く戦ってますし手伝いますよ」

僕はそう言いながら習得したての《大極雷(デトルフォル)》を犬っころ共に打ち込む。

ウリフィスは雷属性への耐性が強いのか威力を絞った大極雷(デトルフォル)はあまり効いていない。

なんか葵唯がぐちゃぐちゃ言ってるが本気でやったらここが吹き飛びかねない。

どうするか、水魔法だと範囲魔法が多いから周りを巻き込むし……火魔法は良いこと無さそう。となると風か土か陽か闇かなんだけど良さげなのは知らんしな。

そんなときだった。


〔提案:抗魔結界の使用を提案します、以上。〕


と、解説による声が聞こえた。

なるほど、無属性魔法、結界。

それの魔獣のみを弱らせる結界か。

よし、それにしよう。

ということで、《抗魔結界》。

弱ってはいるけどクラスメートと対等にやりあっているところを見るとあんまし効いてなさそう。

今まで個人戦が多かったせいで対して周りへの効果を考えてなかったが今考えると自分の持っている魔法は範囲魔法が多い。

さて、どうするか。

良い魔法、こんな時に使える魔法。


超炎下(ファイヤ・ビィーリグ)は確か範囲攻撃可能でかつ範囲指定しやすい。これで行くか。

いやでも、中には未だ耐えている集団がいる。

使えない。

どうする、銃でもあれば別かもしれない。

銃?そうか、銃だ。

いやでも、今は無理だ。なら、吸血鬼化。

僕は、中にある吸血鬼の力を引き出した。

そして、僕は音速を越えながらまだ速度をあげる。第二宇宙速度を突破したほどのタイミングで魔獣達は全滅していた。

魔獣達の残骸は腸が見えていたり内蔵が弾け飛んでいたりとグロテスクだった。それは、約17歳の群衆の目の前で行われる。

僕は、減速していき。吸血鬼化を解く。

そして、混乱というか錯乱しているクラスメートを保護して近くに出来た転移陣に乗る。


「菜津君、あれは流石に……」

葵唯も気分が悪そうだ。

「戦闘はあのくらいします。その覚悟がないのなら部屋でゴロゴロお茶でも飲んでいてください」

僕は葵唯達に言い放つ。

「まあ、確かに覚悟は足りなかったけどさ。あんまり、先生を責めないだけて」

近くにいた大崎摩耶が言う。

「大崎さん、良いんです。私の力不足です」

と葵唯は言う。

僕は、アバトに「なぜ出撃させた?」と聞いた。

まあ、後で諮問委員会にかけるつもりだが。

「……」

アバトは沈黙を貫く。

まあ良い。後でたっぷり尋問する。

「菜津君、どうか生徒達を教育してください」

先生が椅子から立って深く頭を下げる。

「教育というと?」

「菜津君が強いのは分かっています。なので、生徒達を菜津君が鍛えてくれませんか?」

先生は僕を説得するように言う。

「無理です。彼らはいくら勇者だからといえど僕についてこられるとは思いません」

僕は呆れた顔で葵唯に言う。

「では、私達と戦ってから決めてはくれませんか?」

葵唯は剣を僕に向けながら言う。

「どういうつもりです?」

僕は剣を折り葵唯に聞く。

「だから、私達と戦って、私達が勝ったら鍛えてください」

先生がもう一度深々と頭を下げる。

「はぁ、分かりました。その代わり、僕が勝ったらあなた方とは基本的に縁を切る言うことで」

僕は冷たい目で葵唯に言い放つ。


それから一週間がたった。

「失礼します、勇者達がシーウォン様に決闘を申し込みました」

第一秘書官のメーベ君が僕の前に跪きながら言う。

「ん、了解。決闘を承諾します。書類は事後ということで」

僕は職人からの納品書から目を離しメーベの目を見て言う。

「了解いたしました。では、闘技場を貸し切りにしておきます」

メーベは顔をあげて言う。

「ありがと」

僕がそう言うとメーベは立ち上がり一礼して出ていった。


さて、僕も用意しますか。

僕は軽く鎧とメチルスの剣を鞘に入れて腰にかける。

そして、転移で闘技場に行く。

そこには完全武装で待ち構えているクラスメートがいた。

僕は最近習得した深眼()を使ってクラスメートの能力を見る。

ほとんどは無難に平均的にあげている。

ただ、桐ヶ谷とその一味はストレングスに極振り、藤堂はアジリティの極振りだった。


「菜津君、約束は覚えてますね?」

戦闘にいる葵唯が言う。

「ええ、心配なら魔女の血判契約ブラッドマジックギース契約(ギース)しますか?」

僕は提案する。

「いえ、菜津君を信用していますから」

葵唯が笑いながら言う。

「では、始めますか。ハンデとして僕は一分間動きません、また攻撃もしません」

僕は言う。

「分かりました。しかし、そのハンデは要りません。全力でお願いします」

葵唯が頭を下げる。

「了解しました。では、全力で行きます」


僕は、開始のゴングと共に大体のクラスメートを気絶させた。

その行動は瞬きをしている間に終わった。

桐ヶ谷はこちらに走ってくる。

そして、神刀を振るう。

僕はそれを指で止める。僕の指からは血は流れていない。代わりに神刀が折れる。

「菜津、ナメんなよ!」

そう言いながら桐ヶ谷はアッパーを僕に繰り出す。

僕はそれを避けつつ桐ヶ谷の顔に蹴りを入れる。

それを葵唯が回復術の最低位呪文回復(エデ)で治す。

桐ヶ谷は近くに倒れているクラスメートのメイスを取り僕に殴りかかってくる。

僕はメイスを避けつつ木の呪縛(メーリィ)で桐ヶ谷を動けなくする。

桐ヶ谷は外そうと足掻いているがそう簡単には外れない。

その隙に僕は葵唯の元に向かう。


「先生、かかってきてください」

僕は挑発するように言う。

「どうせ、身体超強化をかけているのもばれているのでしょう?」

葵唯が問い掛ける。

「先生は僕を買い被りすぎですね。まだ、見破ってはいませんよ」

僕は、はぁ、とため息をつきながら言う。

「菜津!これで終わりだっ!」

後ろから桐ヶ谷が殴りかかってくる。

土壁(エースト)。桐ヶ谷、奇襲なら静かにな」

僕は桐ヶ谷の一撃を土壁(エースト)で防ぐと一言言い聞かせるように言う。

そして、そのままメイスを掴み、桐ヶ谷を放り投げる。

桐ヶ谷は客席の一角に激突して戦闘不能、という様子だった。


「全てを凍てつかせる氷よ、彼の者を凍らせよ氷の牢獄(メデスト)!」

霙が僕に向かって氷の牢獄(メデスト)を発動させる。

しかし僕はそれを極炎(ヘルフレア)で溶かして出てくる。

それを狙ったかのように司が《閃光》を使う。

僕が目をくらませた瞬間、リンの火炎球(ファイヤスピナス)が見える。

それを僕は水炎(ウィーリスミスト)で相殺する。


僕も本気は出さずにやっている。

本気でやるなら人に向かって極炎(ヘルフレア)くらい使っている。

多分だが、リンは本気であれば超炎(フレアベデスト)くらい使えると予想している。

「流石、智」

リンが諦めたように言う。

「リン、本気で来い」

僕はリンの瞳を見つめながら言う。

「うっ、バレてる?」

リンはなぜバレた?という顔でこちらを見てる。

「まあ、リンのことだからな」

僕は笑いながら言う。

「よく分かってるわね。じゃあ、本気で行くね。極炎帝(ゴーディフレア)!」

思ったより上に行ってたな。

極炎帝(ゴーディフレア)を使うとは。

まあ、その程度どうってことない。

僕はその極炎帝(ゴーディフレア)浮遊(フライ)で避ける。

「菜津君、ずるいです!」

葵唯が憤慨したように言う。

徐々に気絶してたクラスメートが起き始める。


「先生、これも戦いです」

僕は先生の真横に移動して耳元で言う。

「菜津君!?」

葵唯が目を見張る。

「先生、退いてください。超雷帝(ゴーディライト)!」

先生が横に避けると司の指元から一本の光が放たれる。

司め、あんなもんも習得してたのか。

意外と皆、成長してるな。

まあ、この程度関係無いけど。

僕は超雷帝(ゴーディライト)で相殺し、司に命中させる。

司はビクビクと痙攣している。

「南君!?」

先生は驚いているようだ。

大体のクラスメートが起きている。

中には僕のことを影移動で斬ろうとするのもいたが少し躊躇った隙に鳩尾を殴って気絶させる。


「菜津君、君はどうして変わっちゃったのかな?」

僕に刀を振るいながら村崎雫が聞く。

「環境要因かな。僕は神獣と戦ったりしてるから」

僕は刀を全て避けながら言う。

「私、前の菜津君のこと好きだったんだけどな」

村崎が赤面しながら言う。

「それは、罠かなにか?」

僕は聞く。前の僕ならきっと足を止めていただろう。

「違うよ。それは、ほんとの気持ち。ごめんね、こんな時に」

村崎が笑いながら誤魔化す。

ほんとの気持ち、か。疑心暗鬼になってんだろうな。

僕は一人で納得しながら村崎の刀を掴み暗黒空間(ブラックシャドウ)に幽閉する。


その時、飛びかかる影が見えたので避ける。

「よくも、村崎さんのことを!」

こいつは真栄城秦だったか。殺してないのに大袈裟な奴だな。

「どうした、そんなに怒って?」

僕も分かっていながら聞く。要は挑発だ。

人間、感情任せになればなるほど隙が大きくなる。

「お前がっ!お前がっ、村崎さんをどこにやったっ!」

唾を飛ばしながら短刀を力任せにブンブン振り回す秦を蹴り飛ばす。

秦は失神している。

今回の菜津は色々な葛藤があってこんなことをしていることでしょう。

まあ、次回も乞うご期待です!

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