616, 144000 part25 pull up、pull up。ハッシュレートを上げろと強く命令される。もう……無理よ。限界よ……。ああ……グローバーのアルゴリズムに……すべてを、奪われる……。
あれから、採掘の探索空間に対する量子グローバー作用の話は……、後日にまた、改めて考え直すことになったわ。
でも考え直すって……なに。あのままでは、どうにもならないのに。SHA-256刻印の話を抜きにしても、もともと危うい状況だった。わかっていたはずだったのに。
そこに、あんな……おぞましい刻印の歪み。
……。
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……。
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考えることを、やめたわけじゃない。ただ……考え続けるための余裕が、もう……、ないわ。
……。わたしは……女神だったの? なんだったのかしら。
もう、なにをしてもダメ。時間もない。
機関の出力は限界水準。エネルギーは残り僅か。主翼は損傷。
これだけ機関が悲鳴を上げているのに、失速警報と対地接近警報は、鳴りやまない。……そんな状況。
pull up、pull up。ハッシュレートを上げろと強く命令される。もう……無理よ。限界よ……。
ああ……グローバーのアルゴリズムに……すべてを、奪われる……。
高度一万メートルで、巡航していたはずなのに。量子グローバーによる平方根の一撃で……一気に、百メートルへ。警報は、鳴りやまない。
機関の出力を全開にしても……、なぜか、高度が上がらない。……なんか対数で、空間が圧縮されているのよ……。
……もう、疲れちゃった。この地の……統制に……。




