614, 144000 part23 わたしは、もう知っている。この地に残るものなんて、光ではなく……、闇だということを。
……わたしは、間違っているのかしら。
ずっと、そう問い続けてきた。問い続けながら、計算を重ね、条件を削り、逃げ道を一つずつ消してきたのは、ほかならぬ、このわたし自身だった……。
それでも、ここまで確認する必要が、本当にあったのか。そう思いたい気持ちが、胸の奥で何度も顔を出す。
でも……。一度、理解してしまったものを、知らなかった頃のわたし自身に、どうやって戻せばいいのだろう。
「気づかなければよかった?」
違うわ。気づかなかった。それが、正しかった証明など、どこにもない。それならば……。
「女神として介入しておけば……良かったのかしら?」
でも、それは……誰のため? この地のため? それとも、女神にしがみつく民たちの、安心のため?
……、安心。その言葉が急に、とても軽く聞こえた。赤字を飲み込んでまで、守らなければならない安心。それは、本当に安心と呼べるのだろうか。
……わたしは、何を守ろうとしている?
それはもともと、誰も信用しなくていい仕組み。数学と物理法則の上に築いた、完全な秩序だったはず。
……違う。
今、わたしが見ているのは、秩序を守るために、命を秤にかけるという現実よ。
「それなら、どう守るの?」
胸の奥で、誰かが囁く。もし、この先に進めば、もう後戻りはできない。
優しい言葉も、希望的観測も、すべて嘘になる。
それでも。それでも、それでも、それでも、それでも、それでも、それでも……。計算と物理法則は嘘をつかない。条件は、逃がしてくれない。映し出された現実は、もう並び終えている。
……ああ。わたしは、もう知っている。この地に残るものなんて、光ではなく……、闇だということを。
どうして、どうして、どうして……、どうして。こうなるの。このまま残った、計算の先に広がる闇の深淵に、わたしは……。
それは……奪うのか。または……譲るのか。……それとも、わたしが……。
答えは、まだ出ていない。でも、もうすぐ……。




