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612, 144000 part21 余命二年……その論拠は、ここにありました。採掘の半減期。ブロック報酬が半分になるのに、要求ハッシュレートは、量子の躍進により「八倍以上」が必須。確実に破綻です。

 出回っている噂。……あと二年で。


 これを書いた方は、間違いなく……この「SHA-256、量子ゲートのグローバーまたは量子アニーリング、量子が最も得意とする採掘の探索空間」の問題に、気づいている。ショアで二年後に破綻、なんて話ではない。そんなもの、あり得ないからよ。


 そして、わたしも……重大な事実に、気づいてしまった。


 これは仮説じゃない。事実よ。


 なぜなら……そう。二年後は……半減期だった。もし、採掘の仕組みが健全でビジネスとして成立しているのなら、その半減期に合わせて価値がついてくるはずだった。


 ところが、今はもう……。


 指数関数的に成長してくる量子に追いつかれないよう、無理に、高ハッシュレートを維持している状態。燃料代すら赤字で、思い通りにならない。そんな状況で……半減期により、報酬を半分にされる。


 ……。


 その赤字を補填しようにも、古典的なハッシュレートの追加程度では、量子リスクは改善するどころか悪化の一途。


 つまり……状況は悪化しているのに、報酬だけが削られる。


 ……。


 指数関数的な成長……量子。線形的な成長……古典。同じ土俵で戦うなんて、初めから無理だったのよ。


「女神ネゲート様。……半減期の件、ですね。これは……。」

「ええ、そうよ。余命二年……あの、具体的すぎる年月。ちょうど、次の半減期の月だったわ。つまり……、それを書いた方は、この問題を熟知したうえで書いた。そうなる……わよね?」

「はい。そうなります。余命二年の論拠は、これでした。採掘の半減期。ブロック報酬が半分になるのに、要求ハッシュレートは、量子の躍進により八倍以上が必須。すでに限界水準のエネルギーを投入中。……乗り切れません。これでは、確実に破綻です。」


 量子アリスから発せられる、「確実に破綻」という言葉。重い……けれど。どう見積もっても、このままでは……。


「女神よ……。その二年後は、俺様にとっても大事な時期なんだぞ!? わかっているよな?」

「そ……それは……。」


 ……。ちょうど、時代を創る大精霊の「民の審判」と、採掘の半減期が重なっている。もう……。


「……、採掘機材の改善でも、二年後では……。これでは、量子の躍進次第となってしまいます。もし量子が停滞し、ハッシュレートの追加が二倍以下で済めば助かるかもしれません。ですが……四倍でも、これは続きません。無理です、これは。女神様……。このような不確実性は、何よりも先に除去しなければなりません。なぜなら……機関というものは、こういう性質を何よりも嫌うからです。そして実際に、撤退を決断した事例も観測され始めています。」

「量子の停滞……。それは、あり得ないわ。昨年から、量子にはQ-DAY狙いの資金がかなり流入しているはず。つまり……量子ロードマップを超えた成長を仮定しなければならないのね。」


 わたしは、言葉を継ぐ。


「……もしかしたら、十六倍以上を要求される。つまり……、余命二年どころか……その猶予すら、無いかもしれないわ。」

「はい、女神ネゲート様。これは……早急に。すぐにでも。どんなことを差し置いてでも、今すぐに対処すべき事態です。」


 わたしは……逃げない。これも、映し出された現実。しっかり、向き合う。でも……どうしたら……。

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